親と子
「では、次は新しい奥様とそのお子様についてですね」
そういってさっきまでの笑顔が嘘だったかのように顔を暗くするメアリーに私まで不安になってしまう
「新しい奥様は、5年ほど前にこちらの屋敷に突然やってきた旦那様の愛人です。お嬢様が奥様がお亡くなりになり、ずっと落ち込まれておりましたので、寂しくないように奥様が亡くなってから旦那様を一番支えてくれた現在の奥様にお嬢様の新しいお母様をお願いしたそうです。」
そんなことされたってオリヴィアが元気になるとはおもえない……
「まぁ……それで?」
「はい……それで、やってきたのですがその方はすぐに横暴になり始めました。もちろん旦那様の前では奥様は大人しく誰にでも優しい”奥様”を演じておられますが……あの方は伯爵家での自分の地位をあげようとしたんです。自分が跡継ぎを産めば自分のほうが上だと考えたのでしょう。旦那様の子供を産めるようにものすごい執着心とともに奮闘していたのを覚えています。その約一年後お嬢様も今日ご覧になられた、お坊ちゃまのレオ様はお生まれになりました。奥様はレオ様がこの伯爵家を継ぐと信じておりました。ですが、旦那様の考えは違った……旦那様は最愛の娘、オリヴィア様にあとを継がせるおつもりです。そのことに感づいたのか、奥様は一段とお嬢様へのあたりがきつくなりました。そのせいでお嬢様は旦那様が家を開けている際は食堂で食事をしてはいけないと言われています。そのため、お嬢様が食堂に向かわれたとき、皆様驚かれたのです。」
重っ重すぎるよ。オリヴィアの人生
「そう……そうだったのね。では、新しい奥様のお子様二人について、詳しく教えてほしいこれで最後でいいわ、またわからないことがあれば聞くわね」
「はい!もちろんです。
まず、上のお子様、ジャック様についてですが、ジャック様は現在18歳で第12学年になります。奥様の連れ子で、もともとは平民でしたので今ジャック様の家での居場所等はないと思いますが、学校が寮制ですので特に問題はないとおもいます。ですが、奥様の連れ子であるがために跡継ぎなどになれるはずもなく、奥様にはあまり興味を示されてないイメージがあります。ただ、奥様も愛情はあるようで、ジャック様のためにたくさんのことをしてあげているので、まだ恵まれているのではないでしょうか。現在は奥様がレオ様に夢中で、ジャック様へのプレッシャー等も少ないので、はじめにこの屋敷に来たときより彼自身の余裕も感じられますよ!ついでに彼の能力は私と同じウィンドクロイツです!」
なるほどね〜だから母親の事母さんって呼んだり長男なのに雑な扱いを受けていたのか、でも愛情はかけられているようだし、まだましでしょ!
「なるほどね!じゃあレオくんについてを教えてもらえる?」
あやつ……朝、水をかけられたのは一生忘れない……てか、挨拶ってなんだよ。どつくぞ、クソガキ
「はい……レオ様についてですね……レオ様は現在3歳の男の子です。レオ様の能力はファイヤーエクリプスです!!貴族らしく伯爵の血筋らしいいい能力ですよね!優しく、かわいらしいお方です!ただ……」
優しい?かわいらしいのはなんかわかるけどさぁ、そんなわけ無いじゃん。
あれのどこを見たらそうなるんだよ。
「奥様がどうやら教育なさっているようなのです。」
「教育……?
母親だからそれが普通なんじゃないの?」
「それがですね……先程も説明しましたように、奥様はオリヴィア様を快く思っていないのです。だからご自身の息子にも同じ様にオリヴィア様を扱うように教育なさっているのです。つまり今日の朝レオ様にお嬢様も言われたとおり、レオ様は本当に朝の挨拶は水をかけると認識しているんです。」
それって……教育というより操り人形みたいに操ってるだけじゃない……
「レオ様もその性格と幼さゆえ、オリヴィア様への行動が悪いことという認識ができていないようですし……」
そっか……あの子にもそういう事情があったのか……
つまり全ての元凶はあの継母というわけか
だいたい理解できたな
「そう……ありがとう。けれど、レオはそんなんでお友達や他の方とうまく生きて行けているのかしら?」
疑問に思った私はそう聞いたが
「レオ様はまだ3歳ですのでまだ社交界デビューもされておりませんゆえお友達というのはおられません。それに、奥様が家族などの親しい者のみと教えているようですし、だれも旦那様に水をかけたりはできませんからそういった心配はございませんよ?」
理解はできたけど私になら他の人達も水をかけることができるということ?それならすごく不服だわ……
「そうなのね!大体は理解できたわ!あとはこちらで考えておくからメアリーは仕事に戻ってちょうだい」
「はい!!失礼します!!!」
……想像以上に難しい状況だな、これは。
お父様は伯爵で、今は家に居ない
お兄様は私を心配してくれる普通にいい人。しかもかなりのイケメン。このキャラが前世に読んでた小説に出てきたら、多分推してたんだろうな
継母は自分の産んだ子供が伯爵になるのを利用して自分の地位をあげようとしている。しかしお父様は私に継がせたらしく、それが気に入らないから息子を使っていじめている
あのクソガキ……いや、弟は母親の言いなりになって私をいじめている……
こんな感じかな?
継母と弟だけ字面がヤバいな。普通に毒親じゃん
弟の方も悪いという自覚もないみたいだし……でも許さない
このまま話が進んでいけば、お父様が帰ってくるまで継母はやり放題
さて……どうしようか私が動かないと状況は何もかわらないだろうし私も動かなきゃね。
「オリヴィア!!!大丈夫?!」
え?だれ?




