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ヴァルデット  作者: 魚とポテト
2/8

目が冷めた

ここは……どこ?

気づくと私はどこかのベッドで寝ていた。

病院……というわけではなさそうだ。

それに、服も病院の服……ではなくよく異世界で令嬢が来ているような豪華なものだった。

それこそ私が大好きなあの小説に出てくるような……いやそんなわけないか……

「おはようございます。お嬢様。

よくお眠りになられましたか?」

「だっ……誰?!」

「何をおっしゃいますか。

オリヴィア様専属メイドのメアリーでございます。」

専属メイドだって?

っていうか、オリヴィアって誰よ……え……まって……もしかして……

「嫌な予感がする……。」

「寝ぼけていらっしゃるのですか?

ほら、鏡でも見てお目を覚ましてください。」

と、私(仮)の専属メイド、メアリーに促されて私は渋々鏡を見た。

「まじか……」

そこに映っていたのは……明らかに以前の私ではなかった。

「マジカ……?というのは?……」

「マジカじゃなくてマジかね……ってそんなこと言ってる場合じゃない」

なんとなく名前を言われた時点で予想はついてたけど!!と、心のなかで葛藤しながら私は漫画でよく見る架空の涙のようなものを流して気持ちの整理をする。

そう、私は最近良く見る転生とやらをしてしまったようだ。あれだけの大きな事故で生きてるわけないもんな……でもそんな簡単に気持ちの整理つかないよ……

「どうかなさいましたか?お嬢様なにかおかしな夢でもご覧になったのでは?医者をお呼びしましょうか?!」

「大丈夫……よ……」

きっと、と自分に言い聞かせながらそう言うと、私はもう一度鏡に映る自分の顔を見直した。そう、私は生前で唯一好きだった小説の主人公に転生してしまったのである。

一旦すべてを諦めて状況整理とか色々しないと、何も始まらないな……

「それよりお父様は?」

確かオリヴィアちゃんのお父様はすごく娘が大好きって書いてあったしこの世界を知るには使えるわね!

「あ、旦那様は今お仕事の都合上首都にお戻りになっています。」

マジか〜残念、他の方法を考えないと……

あ!お母さんとかどうかな〜?

「お母様は?」

「えっと……僭越ながらお嬢様……奥様はお嬢様がお生まれになってすぐにお亡くなりでございます。今は新しい奥様がおられますが……」

急に息詰まったメアリーに私は何も言えなくなった。そうか……だから小説に出てこなかったんだ……

「そうだったね……なんかお母様の夢を見てしまって変に頭が困惑していたのかも……」

これでごまかせてるかな……

「なるほど……」

お、いけた。

情報収集したいし仲はあんまり良くなさそうだけど新しい奥様とやらに朝ごはんがてら会いに行こうかな……きっと仲は悪くても小説に影響がないレベルだから大丈夫よね。

よし!ご飯に行こう!

「メアリー!朝食、食べに行くわよ!」

「えっ?!お嬢様?! 危険ですよ! お待ち下さい!!」


この時メアリーの話をきちんと聞いていたらあんなことにはならなかったのかもしれない。


__食堂前__

ここが食堂……想像より扉は大きかった。

若干気が引けるけど、お腹も空いたし入るしか無い……

そして私は勇気を出して扉を開けた。力みすぎたのか、ちょっと大きな音が鳴っちゃったけど、まぁいいよね。

「お……おはようござい……ます?」

食堂の中には数名のメイドとシェフが立っていて、オリヴィアの継母であろう女の人と小さな男の子が座っていた。

「あなた……どうしてここに?」

と、オリヴィアの継母が若干驚き気味でそう呟いた。周りのメイド数名も驚いたようにこちらを見つめる。

え……なんかまずいことした?

家族の一員であるオリヴィアが食堂に来たぐらいでこんなざわめくことある?

「お姉さま、おはようございます!

珍しいですね、こちらにいらっしゃるなんて。」

と、男の子がピンク味のある金髪をふわふわさせながら可愛らしい笑顔でそう言った。オリヴィアの弟かな?

というか、珍しい……とは?

「お目覚めの直後でしょうし……お水でもどうですか?」

「あ、うん……。

じゃあお願いするね。」

私がそう言うと、その子はメイドに水を持って行かせるように指示した。

そしてメイドが私の前まで来たら、私に向かってそのお水が入ったコップをぶっかけてきた。

「……え?」

私は状況が読み込めなかった。なぜ今私はメイドに水をかけられたの……?

「わぁ、申し訳ございません、手が滑ってしまいました。」

あなた、すごくニヤニヤしながら言うね……

その直後さっきの男の子は

「どうです?!お母様!僕、お母様の言う通りにご挨拶してみました!お母様褒めてください!!」

と言って満面の笑みで継母に駆け寄った。

「えっと……」

私は、なんて言えばいい?

ご挨拶って何?絶対ちがうでしょ。

「あらあら。すごいじゃないレオ偉いわ〜

あなたも、手が滑ったんなら仕方ないわね。」

「ありがとうございます!奥様!」

うん、なんかすべてを察したような気がする……

てか勝手にメイドのこと許さないでもらってもいい?

「ところで、ごめんなさいは?」

「え……?」

なぜ私が謝らないといけないの……?謝るのはそっちじゃない?

「所詮前の夫人の子供なのにもかかわらず、食堂に来たこと。

そして跡継ぎである私のかわいいレオちゃんに対してタメ口を使ったことに対する謝罪はないわけ?」

「えっと……

ごめんな……さい?」

「声が小さいんだけど」

「ごめんなさい!」

「フッ……まぁいいわ」

なんでこんな上から目線なんだよ……

「あれ……オリヴィア?」

また新しい声が聞こえた。

今度は誰?

後ろを振り返ってみると扉の方に男の子が立っていた。

イケメンだ……まごうことなきイケメンだ……

白く少しカールのかかった短い髪に優しそうに光る濃い青色の瞳すべてが美しい。

だが、このキャラもまた、小説には登場していないキャラだ。

小説にない展開ばかりで頭の中が混乱しているがこれだけはわかる。イケメンは正義。

「急にどうしたの?今日は伯爵がいらっしゃらないのになんでここに?」

その人はそう言ってきた。

なにそのお父様いないときはいつも来てないみたいな言い方

「とういうか、どうしてこんなに濡れてるの?!大丈夫?もしかしてまた母さんがなにかしたの?」

母さんって呼んでるの?貴族なのに変な呼び方するのね……

「えっと……大丈夫……です?」

返事が疑問形になってしまった……

「なんですって?!ジャック!あなた母さんに向かってなんてこと!」

すごい勢いで訂正しようとするじゃん……奥さんの大事なレオちゃんがポカンとしておりますよ?

「ごめん母さん。ただオリヴィアが濡れているようだから気になってしまって……」

「オリヴィアが水を持った状態でころんだのよ……私達は知らないわ?」

しらばっくれ過ぎじゃない?

「そう……それならいいけど……オリヴィア一度外に出ようか」

よし!この空間から抜け出せる!!!

「はっはい!」

「オリヴィア?伯爵がいらっしゃるとき以外は母さんと関わってはだめだよ?どうしたの?記憶喪失?嫌なことでもあった?なんでも相談して?今まで通りでいいから!etc……」

話が永遠と続く……

「はっはい!すみません!えっと……今朝母の夢を見てしまって頭が混乱していると言うか……ここ数年の記憶が無くて……なにかの拍子に思い出すかもしれないけど」

「ほんとに記憶がないの……?とりあえず自分の部屋に帰って着替えて来たらどう?その後で簡単にメアリーにうちのことを教えてもらったら?他のことは僕がサポートするからさ!僕、オリヴィアと血は繋がってないけど大切な家族だと思ってるから!母さんもさ、決して悪い人ではないんだよ?ただ、今はレオに夢中なようだけど……」

あ、顔が暗くなった……

「すみません……ありがとうございます……」

やっぱりいやよね、お母さんがあんなふうに弟ばかり可愛がるのは……

でも、まだかわいがってはいたようだしまし……なのかな?

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