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プロローグ
私は楠 紬。日本在住の24歳独身。
労働基準法の”ろ”の字も知らない超ブラック企業に勤めている。
特に他の人と変わった能力や特技もなく、唯一自慢なのは名前の由来通り体がものすごく丈夫であること。この丈夫な体のおかげで今までこのブラック企業で生きていけたんだと思う。
唯一好きなものは小説だった。普通のファンタジーのやつ。
その話はとある悪役令嬢がヒロインに嫌がらせして王子様にフラれるっていう……まぁベタな話なんだけど、主人公の王子様の顔がめちゃくちゃタイプでハマっちゃったの。もうすぐ外伝が出るらしく楽しみで仕方がない。
まぁ、そんなことはさておき本日も仕事のせいで3徹目…もうすぐ夜明けで徹夜明けの目によく染みる……
やっと家に帰れる、そう思って気が緩んだのだろうか、それとも仕事の疲れが溜まっていたせいだろうか、私は歩行者信号が赤であることに気づかずに横断歩道の道を渡った……
気づいたときには何かとぶつかっていた。
ドンッ、と鈍い音がなって私は道路に放り出されてしまった。
全身が痛い。開いていた目が、どんどんと霞んでいく。
あぁ私、ここで死ぬのだろうか。
名前の意味”丈夫”なんでしょ?こんな簡単に終わんなよ私。
せめて……外伝……読みたかった……な。




