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短編とかその他

こいつらバカップルすぎるだろ

作者: リィズ・ブランディシュカ



 僕は目の前にいる二人を見て、なんとも言えない残念な気持ちになる。


 こいつらバカップルすぎるだろ。


 いくらなんでもバカップルすぎるだろ。


 本当に、思考力が低下してるし、知力だって下がってるに違いない。


 見せられている方が拷問されてる気分だよ。


 お弁当を広げた女子が、おかずをはしでつまんで男性の口元へ。


「あーくん、あーんして」


「もぐもぐ。みーちゃん、おいしいよ」


 男性は満面の笑みで、それを咀嚼している。


 視線は互いに注がれっぱなし。


 他のところに一切向いたりしない。


 なんだこれ。


 桃色がきつい。


 これ、どこでやってると思う?


 学校の教室の中だよ。


 昼休みの教室の中だよ。


 高校生の、思春期が集う一つの部屋の中だよ。


 勉強にはげまなくちゃいけない学び舎の中だよ。


 のちのち黒歴史になるだろうな。


 とか。


 人前でいちゃつくのは恥ずかしいな。


 とか。


 普通の学生なら考えるだろ。


 でも恋愛というものは恐ろしいもので。


 人からあんな風に思考力とかもろもろの、人として大切な何かを奪ってしまうんだ。


 あいつら昼の時間になったとたん、ノータイムで桃色フィールドを展開したぞ。


 待ち時間いっさいなし、拷問系かつ観覧系の見世物が始まった。


「あーくん、こっちも食べて」


「もぐもぐ、おいしいよみーちゃん。大きくなってもずっとお弁当つくってね」


「あたりまえじゃない。もうっ、あーくんったら」


「そっかそうだよね。えへへ」


 砂糖はく。


 粒じゃなくて、塊で吐く。


 ひとかけらとかじゃなくて、十とか二十くらいのかけらを吐く。


 学校だけじゃなく私生活でもああいうのはやばいよな。


 世の中にいるカップルとかさ、いつか別れるかもしれないのに、つきあいたてでよくSNSなんかに色々のせられるよね。


 人のイチャイチャとか、見せられても、どうすればいいんだよって話。


 常々思う。


「あーくん、だーいすき」


「みーちゃん、すきだよ」


 そこのバカップルが、甘い言葉をささやくたびに教室の中が、甘ったるくなっていくのを見て。


 そんな教室の雰囲気に気が付かない、相思相愛系・黒歴史生産男女を見て。


 恋愛はこういう残念な輩を生み出すから。


 絶対にしっかりした大人になるまで恋愛しないでおこうって。


 そう思った。



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