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占い師
1,占い師
(そろそろ稼ぎに行くか)
梨凛はそう言い、今は使われていない宮の倉庫へ歩いて行った。
(黄珠妃に見つからないようにしないと。)
黄珠妃というのは、この国の王の妃だ。
そして、梨凛の主でもある。
梨凛が海で溺れて、記憶を失くした時に黄珠妃が、梨凛を自分の侍女の一人にしたのだ。
そこは梨凛も感謝しているようだ。だが、怒ると怖いらしい。
ちなみに梨凛は、お金が好きだ。そして今、あることで稼いでいる。
それは…
「あなたは何を占ってほしいのですか?」
そう、占い師だ。
ちなみに侍女などがこの後宮で占いをして稼ぐのは、違法だ。
だから、きちんとこうして、あまり見つからない所で稼いでいるのだ。
しかし、客はたくさん来る。
なぜかというと、梨凛が占いに興味がありそうな後宮にいる女たちだけに、違法していることを
バラさない約束で、教えていっているからなのである。
(あれ?こんな男呼んだっけ?)
「そうですねぇ…では、私の職業を当ててみてもらえますか?」
(ほぅ、私をためしているんだな。)
「いいでしょう。当てて差し上げます。」