4.再追放を考える三下ギルド長の選択肢
数週間後、俺の期待とは裏腹に、冴えない追放者の新人たちはメキメキとクエストをこなしていった。
レナがどこからともなくクエストを持ってきて、グレンたちがそれをこなす。
いやいやいや、ありえないだろ。
なんでこいつ等、追放されてんの?
そういえば、アンナお嬢様が言ってたな、
「新人さんたち、めちゃめちゃ、良いスキル持ってるよぉー。これで、A級ギルドに戻れるねぇ。」
A級ギルドに戻ったら、仕事増えるじゃん。
ダメじゃん。F級ギルドのギルド長ぐらいの立場が程よく過ごしやすいのに。
そういえば、じいさんたちは、新人が入ったことにより、アンナのお世話係(無給)へ転職していった。
完璧にギルドに、俺いらないよね。
そうか、あいつらが有能すぎるから、このギルド乗っ取るつもりなのか。
いや、俺には選択肢が3つある。
1つは、
このまま、のほほんとギルド長をやりながら、
スキルを使って、多少のセクハラをしても許される立場に甘んじるか。
最近、分かったことだが、多少セクハラしても<覆水盆>で無かったことにできる。
1つは、
こいつらは優秀すぎるから、いっそ追放して、F級ギルドのままで、のんびり暮らすか。
いや、じいさんたちは引退したんだ。誰が冒険者やるんだよ。
また無能な追放者を探すか?
そう都合良く、冒険者が落ちているわけないだろう。
1つは、
俺が出ていくか。
正直、アンナお嬢様とじいさんとグレンたちでギルド回るんだよな。
このギルド、一番要らない人が居ますね。
そう俺だ。レオンだ。