表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

3.追放された人なら無能だから扱いやすいはず。

3年後。


まあ、そんな運営体制で急場を凌いでいたんだが、じいさんたちも、もう年だよな。

平均年齢が、62才から65才になるわけだ。


新たなパーティや新人を入れないと、ギルドの存続がまずいと、ここ数年思っている。

まあ直接的な原因は、じいさんの一人が、ギックリ腰になってしまったことだ。


ただタイミングの良いことなのか、悪い事なのか。

最近、風の噂に王都の各ギルドで、追放が流行っているらしい。

俺みたいな、使えないスキルの冒険者がギルドを追放されている。


使えない奴らなので追放されているんだよな。

あわよくば、簡単にギルドに入ってくれるかもしれないな。


アンナお嬢様(10才)に聞いてみるか、


「アンナお嬢様、新しい冒険者って誘っていいですか?」

「いいよぉ。」



即答である。アンナお嬢様はここ3年で、すっかり受付嬢役が染みつき、簡単な書類を本棚に入れたり、

運んだりできるようになった。


広場に出かけてみると、落ち込んでいる、訳ありそうな冒険者が少ないがいるね。


まあF級ギルドに、追放ギルドから圧力は一切来ていない。

何故かって、むしろF級ギルドとして認識されていないからだよ。


「丁度よかった、戦士の格好した君。所属しているギルドはあるかい?」

「・・・ありません。」


「ウチくる?」

「行きます。」


必死だね、まあ食べられないから、藁をもすがるとは、このことだね。


「F級ギルド、覆水なんだが構わないか?」

「・・・元A級の足手まといが、F級か。ふん。構わない。」

「じゃあ、ギルドに行って、じいさんたちに仕事貰ってきてくれ。」

「ああ。ところであんたは?」


「ギルド長のレオンだ。家名のない、ただのレオンだ。」

「・・・レオンか、よろしく頼む。俺はグレンだ。」


「ああ、名ばかりのギルド長だがな。よろしくな。」


そのあと、気弱そうな魔法使いのミミと

可愛い系の治癒士のミナと

格闘家のマリリンと

荷物持ちのサリアと

事務職のレナを誘ってみた。


これでバランスは良さげなパーティが出来上がったな。

まあ、どの子も追放されただけあって、スキルには期待できそうにない顔をしている。


まあロートルのじいさんたちよりは、なんとかクエストできるだろう。


ギルドの体裁が徐々に整いつつある。

そんな昼下がり、ひと段落したし、このままユニ馬券買っておくか。


冴えない冒険者たちが、まさかすごいスキルを持っているなんて、俺はこの後もずっと知らなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ