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8/11

何がやりたいの?

その二。


予告二

もしかしたら…もしかしたら!明日陰キャモデル更新できるかもしれません。時間がどれだけあるかによりますが……。

 体育の授業は、いつも通りぼ〜っとしていたら案の定先生に捕まってしまった。


 熱心にバスケを教えてくれるのだが、別にバスケができなくてぼ〜っとしている訳ではないので、少し申し訳ない。


 ならどうして真面目にやらないのか、と言われると、最早ぼ〜っとすることは癖なので直しようがないのだ。

 いつのまにか体育の授業はぼ〜っとしてしまう。今日は明希くん達と一緒にやっていたのでマシといえばマシだったと思う。


 お腹が鳴るのを我慢しながら更衣室に戻ると、その時に授業終了のチャイムが鳴った。


 俺は一人で早く着替え、明希くん達より先に教室に帰らせてもらった。


 早く帰らなければ兎奈が来てしまう。


 たが、精一杯の早着替えで速攻教室に戻ったと言うのに、もう兎奈が待っていた。早すぎる……。


「遅いー。お腹空いたー」

「これでも結構早く帰ってきたんだけど……」

「結より早く帰ってきてた男子いたんだけど」

「それはそいつが天才なんだよ」


 まぁ多分俺も一昨日までの俺ならば、そいつよりも早く帰ってこれたのだろうが……ちょっと今日は……ねぇ?友達できちゃったから……ねぇ?


「そういや、今日は女子の大群いないの?」

「うん。あぁ言うのもうやめてって言ったから」

「そうですかー。じゃあ今日は俺の席で食べる?横にうるさい人いるけど」

「いいよー。……うるさい人?」

「来ればわかる。ほら、入った入った〜」


 俺は兎奈の背中を押して俺の席へと案内する。


「あ!あれって……!」

「確か兎奈ちゃん、だっけ?」

「神田瀬くんの双子の妹……」


 先に着替え終えていた女子達数人か兎奈に気付いた。

 そのうち男子も帰って来るだろうが、まぁいい。兎奈がウザければウザいと言うはずだ。


「ちゃんと情報は伝わっているようで何よりね」

「うん。もうバッチリ」


 俺は自分の席に座り、兎が俺の前の席の女子の椅子に座る。俺と兎奈が向き合って食べる形だ。

 兎奈が座っている席の女子はまだ帰ってきていなかったが、多分良いと言ってくれるはずだ。兎奈なら。


「今日の弁当何かしら?」

「ハンバーグ」

「やめてよネタバレ。最悪」

「嘘」

「は?めんどくさ」


 俺も弁当を取り出して、包みを開ける。そして蓋を開けるとその中身は……!?


「……ハンバーグね」

「ハンバーグだね」


 適当に言ったハンバーグがなんと大正解だった。まぁそんな日もあるさ。


「「いただきます」」


 ハンバーグに箸を入れて一口いただく。


「うめ〜」

「うんうめ〜」


 体育で余計に空いていたお腹が満たされていく。そう言えばお腹が空きすぎると気持ち悪くなるあの現象ってなんだろう。なんか名前あんのかな?


「ねぇ、お隣さんまだだけど、どんな子?」

「あぁ、かの有名人棚田柊だよ」

「まじ?どんな席当ててんのよ」

「だよね〜ついてるけどついてない……」


 男子からの風当たりとか強くなってきそうだし、ちょっと嫌なんだよな〜柊さんの隣。でも窓際一番後ろは有難い……。授業中寝ちゃっても意外とばれない……!


「ついてない?」

「え?ついてないじゃん。人気者の隣って嬉しいけど後が怖い」

「何言ってんのよ。これは結が変われるチャンスじゃない」

「変わるって、何によ」

「中学時代の結に?」

「え〜?」


 なんで兎奈はそんなに中学時代の俺に固執するんだ。なんだっ!?チビが好きなのかっ!?


「だから棚田さんとは仲良くするの!」

「え〜何?私が何って??」


 いつのまにか戻ってきていた柊さんが横に立っている。


「なんか兎奈が柊さんと仲良くして欲しいらしい」

「え?何?どゆこと?てか兎奈ちゃん!!会いたかったです!!よければお友達になって下さい!!」

「結と友達になったらいいよ」

「え?もう友達だよ?」

「え?友達だったの?」

「ちがうのっ!?」

「……どっちなのよ……」


 意外も意外。まさか柊さんの口から友達だと言ってくれるとは。ただの隣人だと思っていた俺はなんて失礼な事を……。柊さん的にはこんな会話、家が隣の人との世間話と同程度だと思っていた。


「友達かな、多分。柊さんは」

「ですって兎奈ちゃん!じゃあ私と今日からお友達、いや、親友だ!!」

「……想定以上に元気なのね。この子」

「元気ていうか、うるさい」

「何それひどいわ〜……。ていうかねぇ、私も一緒に食べていい?」

「「どうぞ」」

「やった〜」


 すると柊さんは自分の机と椅子を引っ張ってきて俺の机とくっつけた。


「わ〜二人のお弁当美味しそう、てか可愛い〜」

「母さんの自信作だからね」

「うん。ママは料理上手」


 うちの母さんは自他共に認める料理上手だ。毎日弁当にハートの卵焼きだったりハムで作ったバラやくり抜かれた人参など何かが入っている。かなりの凝り具合だ。


「……なんか双子っていいよね〜」

「「どこが?」」

「ほら!そう言うとこ!!相手の考えてる事とかタイミングとか分かっちゃうんでしょ?」

「「いや、別に?」」

「それで否定されても説得力ないわ〜」


 まぁ兎奈の考えている事などだいたい勘で判断している。分かると言うほど分かっているわけではないのだ。ただ生まれた時から一緒なだけ。


「あ、そういえば兎奈さん。今日はどうする?」

「もちろん。一日に一つ回ってじっくり堪能。それからSNSにドーンだよ」

「了解」

「……いや本当に説得力ないよ。どうする?だけで意味通じてるじゃん」

「「……ホンマや」」

「ねぇそれワザとでしょ!?」


 もちろん『どうする』とはカフェ巡りの話だ。食べ物が美味しかったりSNS映えしたり、店内が可愛かったりと、最近はやりの店がたくさん出てきているのだ。


「あ、結〜…てもう先客がいるか」


 遅れてきた明希くん達が合流。


「明希くんと奏多くんも一緒に食べる?」

「お、いいすか?じゃあ椅子持ってくるわ。棚田そこ空けとけよ」

「へいよ」

「……なんだかどんどん増えるわね」


 兎奈がちょっと微妙な顔をしている。でもまだ嫌ではなさそう。


「んじゃ、失礼しまーす」

「しまーす」


 明希くんと奏多くんが椅子を連れて戻ってきた。

 は!兎奈に二人のことを紹介しなくては!!


「兎奈。こちら日比野明希くんと真野奏多くんです。お友達になりました」

「日比野です」

「真野です」

「「二人合わせて日比野です」」

「ちょっと……突っ込みどころが多すぎて追いつかない……」


 あら、困らせてしまったようだ。どうしてだろうか。これは分からん。


「結……」

「ん?」

「あんた人気者になる気は……?」

「え?これっぽっちもないけど。そんないきなりキャラ変とか絶対引かれるじゃん」

「いや、もう!あんたは何がしたいのよ!!」

「え?えぇ?どゆこと??」

「「「うんうん」」」


 はて、双子でも兎奈の言いたい事はこれっぽっちも分からなかった。それに最後に何故か三人共同調しているのだが、こっちも非常に謎だ……。

面白い、続きがドラ○もんの指の構造ぐらい気になる、と言う方はブクマと評価の方お願いします。



誤字等報告感謝です。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても面白かったです ご存じかもしれませんがドラえもんの指みたいに掴める機械あるらしいですよ
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