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3/11

今日も一日頑張ろう!(切実)

めちゃ遅れました。日付またいじゃいました。すみませんっ。

ちゃんと九時ぐらいには更新できるようにします……。

 兎奈との会話を楽しみながら、登校する事約十分。我らが坂ノ下高校に到着。


「Welcome to Sakanoshita high school!!!!!」


 俺は両手をそれはそれは大袈裟に、大きく広げてみせる。


「Oh!! This is our high schoolッ!??」

「Year! Let’s get inside!!!!」

「……突然の英国なのよね……」


 兎奈がジト目でこちらを見てくる。でも君も乗ってくれたじゃない!!まじ感謝!!


「ごめん。テンション上がった」


 謝ってはみたが、兎奈は初めて登校して早々に注目を集める羽目になったのは変わらない……。

 気を取り直して校門をくぐり抜けると、今度は兎奈がおれの袖をクイクイッと引っ張ってきた。


「どした?兎奈さん」

「写真」

「ほ?」

「私、今日、入学初日」

「あ、あーなる……」


 つまり兎奈が言いたいのは、入学写真撮ろうぜ、という事だろう。

 俺は一年前に兎奈のいない入学写真を撮った。ちょっと、というかかなり顔がヤバかった。むしろ死んでた。


 今回のはそのリベンジ含め、思い出の一ページとなる事だろう。


 二人で一度くぐってしまった校門の前まで戻る。学校名が書かれた標識の前まで行くと、兎奈はポケットからスマホを出してきた。


「じゃあ撮るよ?」

「おう」

「せーのでチーズケーキっ」


 慣れないな〜この掛け声……。


 パシャっとシャッターの切れる音がし、兎奈が写真を確認する。


 まずいなーまた視線がこっちに集まって……。


「うん、いい感じ。じゃ、今度こそ校舎までいくわよ」

「あいあいさー」


 俺達は集めに集めまくった視線を振り切りながら校舎へと向かった。



 ***



「ほぅ、これが私の学校、そして校舎ね……」


 校舎に入るなり、教室などには目もくれず、ただ今学校探検満喫中である。

 俺にとっては見慣れた校舎だが。


「ねぇー流石に荷物置いてから行こうよ」

「それじゃ時間が食われちゃうじゃない」

「学校探検なんていつでもできるぞー?」

「早く探検したいの」

「そっかー。でも俺は君の体が心配……」


 昨日のパーティーを準備している姿でさえ、俺の心配度数は枠を突き抜けていたのに……今日はスクールバッグだ。

 重いだろう?苦しいだろう?でも俺が二つ持とうとすると兎奈は絶対怒るから何も言えない……。


「やっぱ先に教室行こう?」

「えー嫌!」

「駄々こねないの。ほれ、行くぞ」

「むー!!」


 俺は兎奈の腕を引っ張って二年の教室がある階まで歩く。兎奈はなされるがまま、といった様子だ。


 グイグイ引っ張り続けて、兎奈のクラスである六組まで見送る。


「いいですね?兎奈さん。校舎探検は幾らでもできますから、まず落ち着いて、荷物を整理して、お友達を作って、楽しく話してSHRを迎えて下さい」

「それが狙いだったの……。むしろお友達作って楽しく話すのは結の仕事でしょ……」

「さて、何の事やら?」

「はぁ…まぁいいわ。仕方ないし、またお昼にそっち行くわ」

「え、何で俺が行く」

「私の方が早くそっち行ける!」

「いやそれはないでしょう……」


 ただ兎奈は、もし自分の方が早く行けた時に俺を待つのが嫌なのだろうな。常に動いていたい児童体質らしい。ま、元気でいい事だ。


「んーじゃあお昼な」

「うん。では達者でな〜」

「ああ」


 兎奈がクラスの中に入って行くのを見てから、俺は自分の教室に向かった。




 すすすーっと無言で窓側の一番後ろの席まで移動する。最近席替えがあって、この席になったのだ。

 こんなラッキー席をゲットできるなんて、俺は幸運の持ち主だな。


「あれ、今見知らぬ男子が横を通り抜けたような……?」

「え、ほんと?そもそも今誰か通った?」

「うん。あ、今窓側一番後ろに座りました!」

「あ〜……なんだっけ神田くんだっけ?」

「そうそうそんな感じ!……なんか違う気がするけど……」


 なんだろう。女子がそんな事を話している。多分俺の事だな。

 仕方あるまい!なんせ俺の髪は今までとは見違えるように普通になったのだ!もうパッツンは卒業だ!!

 そして名前!覚えててくれたのは嬉しいけど、瀬が抜けてるよ!瀬が!!俺、神田瀬結!よろしくな!!


 と、ここで俺はいい事を思いつく。


 スチャッとミニポーチを取り出し、中から鏡とゴムを取る。


 せっかく兎奈に切ってもらったのだ。ちょっとぐらい髪をいじってみるのもいいだろう。


「…………」

「な、何だろう?神田くんが突然黙々と髪いじりだしたよ……!」

「ほんとだー。鏡持ってるとか女子力高いなぁ〜私持ってないや」

「いや、そんな事はどうでもいいよ」


 あれ、そう言えばこれ話てるの近くから聞こえてる気がする……。まいっか。誰でも。


 今、俺は髪の右側面に編み込みを入れている。このくらいならショートカットの女子でもワンポイントになっていい。


「……ん〜……」


 やっぱゴムよりピンだよな……。

 そう思い、俺はポーチの中からピンを取り出す。


「ど、どどどうしよう……!男子のポーチの中からピンが出てきたよ……!?」

「あんた何をそんなに慌ててんの?」


 あれ?これ話してる片方俺の隣の席の人だ。今は隣にいないけど。誰だっけ?声しか覚えてない……。


 そんなこんなで髪をピンで留めて、結の簡単アレンジ終了〜。


 そして即鏡で確認。


「まぁそこそこいい出来かな……」

「な、なんという事だ……男子が、自分の髪に編み込みを……!しかも自分で……!」

「おぉ〜すごい。私編み込みもできないや」

「だからそんな事は聞いてないって」


 ふっふっふっ……。見よ!俺が中学時代に鍛え上げたこの技術……!兎奈の髪とかクラスの女子の髪をいじってきた甲斐があったって事か……!そのせいで髪くくれと頼まれる回数が増えた事は、めんどくさくて嬉しくはなかったがな!!


 てかほんとに誰だっけ?向こうは少しでも覚えてもらっていたのに俺の方はさっぱりなんて申し訳が立たない!!もう少しで思い出せそう……そう、確かはじめの文字は『た』だった気がする……。そして俺の苗字となんか関係を感じた苗字……。えっと、た…た…そうだ!


棚田柊(たなだ ひいらぎ)……」

「え、え?わた、私がどうしたの??」

「え?」

「へ?」


 横を向くと、そこには俺の中で渦中の棚田柊が座っていた。


「あれ……さっきまで向こうにいなかったっけ……」

「いや、もうチャイム鳴ったから……」

「え、マジ?」

「うん」


 どうやら俺が考え込んでいた間にチャイムが鳴ってしまったようだ。

 しばらくして担任の先生が教室に入ってくる。


 何だろう?彼女の事で前提として紹介しなければならない事があったはずなのに……。


 あぁ、そうだ。


 彼女はこの学年で一番と言われているぐらいの美女。モテ女代表の棚田柊なのだ。


「その髪……」

「ん?これ?」

「可愛いね……」

「Thank you!」

「発音良!!」

面白い!続きが気になりマンモスっ!て方はブクマと評価の方お願いします☆

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