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Pieris  作者: 妄想族ゆうきち
5/11

Episode3〜戦火〜

PierisⅡのプロローグ更新し、エピソード1の更新の目処が立ったので

事前の予定より早く投稿出来ました!

カクヨム様の方が更新が早いので、是非見に行ってみてください!

URLは下に貼っておきます。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918890231

脱出援助班

「アレク、目は潰した!あれを!」

ジュンの能力''映像''は常時監視カメラの欺瞞に

使われている。

そのため、使える''映像''は

あまり残っていない。

数人の目にアイマスクのように貼り付け、

相手の視界を奪うくらいが精々だ。

彼らの足元に''重力球''が展開する。

アレクの能力だ。100kgに潰されている

ようなものである。当然、ライフル弾は

発射口から出て直ぐに落ちる。

「みんな、やれ!」

アレクの指示で一斉に襲いかかる。

武器使えない人間は無力だ。

為す術もなくロープで拘束される。

''重力球''の効果範囲は大きくない。だが、

その範囲限定なら無力化に向いた能力だ。

あくまで脱出援助が目的であるため、

この班には戦闘向きの能力者は少ない。

アレクのような能力は貴重な攻撃力だ。

現在地上7階。ロックのかかった渡り廊下。

負傷者もおらず、戦闘員とは会敵していない。

革命戦線との戦闘に駆り出されたのだろう。

地下の守りを固めている人数は最低限。

地上には1人もいないとなれば、当然普段の

戦闘能力より大幅に落ちる。

「地上は制圧完了。いつでもいいぞ!」

無線をONにして地下隊に報告する。

地下では戦闘が始まっているらしい。

既に怒声と銃声が轟いている。

「アカネ了解!

こっちも制圧できたら合図する。」

「もう少しかかりそうだ。」

仲間に待機を伝え、哨戒に入る。

10分ほど経った頃だろうか。

カチャン、ギー。

怪談によくある重い扉の音が響いた。

場所は渡り廊下の中から。

別施設の残存兵だろうか。

もしかすると戦闘員かもしれない。

「全員、戦闘準備!」

散開した部隊のメンバーに後方の警戒を

させつつ、敵に身構える。

ドアのロックを開けるなら好都合だ。

ドアが開く。各々が武器を持ち一。

開いたドアからは閃光が漏れだした。


制圧班

状況は思ったより良くなかった。

思ったよりも練度が高い。

最初に突入したセオ隊を待っていたのは

歓迎のライフル弾。セオが能力で相殺。

続くエレン隊、アカネ隊が敵先鋒と衝突。

突入した場所は広い空間になっており、

恐らく迎撃に特化した作りだ。

至る所に壁と銃口が並んでいる。

エネルギー弾系の能力者が壁を破壊し、

白兵戦に持ち込もうとするが対能力者用の壁

らしくそう簡単には壊れない。

施設防衛の要となる場所だ。

対策していないはずが無かった。

セオの能力には限界がある。徐々に

負傷する者が出始めた。シールド系の能力で

守ってはいるものの時間の問題だろう。

ならば。

「狙いを正面1点に絞れ!場所さえ作れれば

俺が飛んで隙を作る!」

「「了解」」

今まで広範囲に散らばっていた斜線を集中

させ擬似的な上位能力の''砲''クラスにした。

ゴゴゴゴゴと大きな音がして壁が崩れる。

''テレポート''。空いた穴のすぐ後ろ。

横にいる敵を容赦なく奪ったライフルで

撃ち殺し、敵の斜線が集まらないように

''テレポート''を繰り返す。テレポートの再発動にかかる時間を撃ち続ける事でカバーし、

殺戮を繰り返す。カチッと弾切れの音がして

すぐにライフルを投げる。

後は奥の兵士だけだ。

ナイフを取り出し''テレポート''。

1人奥へと斬りこんでいく。

「もう!馬鹿なんだから!」

どうしてこう、仲間に任せることを

思いつかないのか。

「援護するよ!ついてきて!」

昔から猪突猛進っぷりは変わらない。

その度に支えてきたのはアカネだった。

特にあの馬鹿はレイカの事だと血が上る。


脱出援助班

最初の爆発で12人が死んだ。

次ぐ第二の爆発。

後方に''重力球''を置き全員を退避させる。

最悪の状況だった。

あの扉から出てきたもの、

それはかつての''同胞''だった。

戦闘系ランク6能力者。能力は''爆破''。

「上位能力者のアベル…だと。」

派手好きで好戦的な喧嘩っぱやいところは

あったが情に深い奴だったはずだ。

だが、目が死んでいる。

「まさか…洗脳されているのか!?」

手のひらから爆破の衝撃を

相手に飛ばす能力だ。

圧倒的なパワー。こちらは戦闘系の能力者を

地下に割いていると言うのに。

だが、1人だけなら。

「焔!あいつの手のひらを冷却だ!」

焔の能力、''熱感応''(0〜100℃までの温度変化が可能な能力。空気中を伝わせることで

離れた相手にも攻撃出来る。)なら手のひらを

冷却して爆発を止められるはず。

「任せて!」

一瞬速くアベルが動く。

標的は後ろの密集した隊だ。

爆破に密集は悪手だ。

「散開しろ!」

ジュンの指示より速くアレクが飛び出す。

「焔、俺が動きを止める!」

''重力球''で相手の下から100kgで。

しかし爆破の能力のモーションは止まらず…

「止める!」

ジュン隊マス。能力は''ツタ''植物のような

エネルギーの拘束具を作り出す能力だ。

手を縛りあげさえすれば。

「ガ、ガルルルルル!」

ツタが千切れるその一瞬に焔の能力によって

ギリギリ凍らされた。

束の間、

エネルギーの''矢''が数百本飛んでくる。

新手。あれは''弓使い''のアクアか。

「ランク7まで…。撤退すんぞ!」

「全力で逃げてください!」

絶えず降り注ぐ矢の雨に

射抜かれ倒れる同胞。ランク6、7を捕らえる檻など必要なかったのだ。彼らは従順な兵士になってしまったのだから。


地下制圧班

夥しい数の敵味方の死体。

戦闘はほぼ終結した。

とっくに脂で切れなくなったナイフ。

疲労と目眩で立つのがやっとだ。

目の前の監視官は足を負傷しながらも

転がったライフルを掴もうと手を伸ばす。

殺さなくては。

ナイフを順手に持ち替え、覚束ない足取りで

ゆっくりと近づいていく。

不意にナイフが手の中から消える。

腕が蹴られたのだ。アカネ。

「アカネ…どけ。そいつは、殺す!」

ぼふ、と音がした。

何故この状況で抱きついてきたのか?

「辞めて。正気に戻りなさい。無力化すれば

任務は完了、殺さなくたっていいはずよ。

理由の無い殺人は私が許さない。」

上げた顔は涙に濡れていた。

ハッとした。

「俺は今、抵抗出来ない人間を殺そうと

したのか…!

俺は一体、何人殺した?

覚えてない、なんで?あれ?この血は、

ああぁあああああああああああぁぁぁ!」

それは、狂気の絶叫だった。

涙が溢れる。今まで冷徹に敵を屠ってきた

今までのエレンが嘘のようだ。

一そうだ、俺は壁を壊させて、突撃して、

殺して、ころして、殺したんだ。

「死ななきゃ。」

この罪は死んで償うべきなのだ。

「エレン、何のために、戦ってきたの?

取り戻すためよ。

まだ終わりじゃないの。

だから、死ぬなんて馬鹿な事言うな!」

その本気の怒声。自分も泣くほど辛いのに。

レイカ。連れていかれた彼女を救うまでは、

戦わなきゃならない。

「ありがとう。もう、大丈夫だ。

救わなきゃ。手伝ってくれ。」

目が覚めた。

ほんとに支えてもらってばっかりだ。

「うん!それでこそエレンだ!

任せなさい!」

気丈に笑う。戦いが終わるまではその偽物で取り繕って、奮い立たねばならない。

「合流するぞ。地上に戻る!生存者で

動ける者は俺についてこい!」

最後の仕上げだ。脱出口のロックを解除、

ランク上位能力者監獄のロックも解除。

「脱出するぞ!」

走り出す。脱出援助班に合流しなくては。


今回もお読みいただきありがとうございます!

コメントなど励みになりますのでよろしくお願いします。

次回も不定期になってしまうと思います。

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