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エーテルファイター!(未完)  作者: 鎮静の女神
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憧れの異世界学園・朝の一幕

この世界で一定以上の霊力持ちなら中学生からバイクの免許取得可能。

霊気のガードあればダンプに轢かれたくらいでは無傷なので。

 

【転生者・蒼天寺 豹真】


 異世界生活の定番と言えば?


 冒険者。


 領地経営。


 そして学園生活。


 もっとも、天輪国は日本に近いので目新しさはないだろう……と、思っていた。


 うん、あったよ異世界要素!


 天輪学園武蔵校。


 一言で表すならば“学園都市”と言えるだろう。


 ホント、マジで一つの都市だ。


 歴史に学んで曰く、ここはかつて月の眷族との闘いで城砦として活躍していたらしい。


 その名残か、学園だけで大抵のものが賄えるように施設がそろってるらしい。


 授業に関する施設はもちろん、寮生活の学生のために娯楽施設まである。


 なんて羨ましい。


 あと地味にバイク通学OKなのが嬉しい。


 ちょっと憧れだったんだよね。



「今日もいい天気で結構なことだ。雨の日はさすがに面倒だし」


「でも兄さんはバイク乗りますよね」



 だって憧れだったんだもの。


 ちなみに中等部のバイク通学はそこそこ多い。


 なので駐輪場もなかなかの広さがあり、駐車スペースの奪い合いはまずない。


 学園に近いところ……と、いっても敷地そのものがデカいので誤差だよ、誤差。



「豹真殿! 葵殿! おはようであります!」


「おー、音羽おはよ」


「功刀先輩、おはようございます」



 功刀音羽(くぬぎ おとは)


 犬人族(ウェアウルフ)の男で小学生時代からの幼馴染にして現クラスメイト、そしてはぐれ仲間の一人だ。



「いやー、今日からいよいよ一年生が参戦ですな! 上級生、とくに高ランクの生徒は忙しくなりますな!」


「だな。まぁ俺ら底辺にゃ縁のないハナシだけどな」



 そう言って葵を見るといかにも“メンドクサイ”という顔をしている。


 去年の上位ランカーの慌ただしさを知っているからだろう。


 トップ10は基本戦闘を拒否できないからね。


 ちなみに音羽は俺より上の144位。


 ランク全体では下位に位置している。


 が、本気の命の奪い合いになったら今の葵は100パー勝てないだろう。


 実力はそれくらいに強い。




 俺と戦うなら……どうだろうな?


 精霊の力を使わなくても経験値の差で今は俺が確実に勝てるが、真剣勝負は一回で大化けするからね。


 油断してれば簡単に追い抜かれるだろう。


 油断するつもりはないけど。



「そういえば先ほど、気配の鋭い一年生たちを見かけましたぞ」


「……と、いうことはこの気配は調子にのった一年か」



 人通りの少ない細道の方から霊気を感じる。


 戦闘濃度まではいかないが、戦いの気配を含んでいる。



「おそらくは。どうしましょう?正々堂々とした試し合いならよいですが……」


「うーん、一応のぞきにいこうか?」


「去年一昨年の事を思うと、そのほうが良いかもしれませんなぁ」




 俺たちの心配事は的中したようだ。




「だからよ、ちょっとした運動だよ運動!」


「そうそう! お前らだってちゃんと訓練してんだろ~?」



 この時期によくあるトラブル。


 一年生の中でも好戦的な連中が腕試しと称してはケンカを売り歩くのだ。


 それが合意の上なら問題ない。だが。



「だ、だからってそんな急に言われても……」



 どう見ても無理やりです、ハイ。



「情けないわね~、それでも男なの~?」



 囲む側には女子もチラホラ。


 俺の中のイメージだとこーゆーのは男の専売特許だと思ってたんだが、そんなことはなかった。


 新しい力を試したいのに性別は関係ないわけだ。




 さて。


 囲まれて萎縮してるのが三人。


 囲んではしゃいでるのが10人くらいか。


 俺が助けてもいいんだが……



「……おや。兄さん、どうやら私たちの出番はなさそうですね」



 葵の視線の先から一人の男がやってくる。




「そんなに腕試しがしてぇなら、オレが相手になってやろうか?」




 現れたのは魔人族(ディアブロ)の男子生徒だ。



「アァン? 誰だよテメェ」


「オレか。三年の真上鉄也(まがみ てつや)ってモンだ」


「……え」



 一部の悪ガキたちの顔色が悪くなる。



「んだよ、三年だからってチョーシのってんじゃねーぞ!」


「ば、バカッ! 止めろ!!」


「三年の真上鉄也ってお前、トータル序列13位だぞ!!」


「じ、13位!?」



 トータル序列、つまりは中等部全体の闘士学科300人の中で上から13番目。


 序列20位までは大きく公表されるので一年生たちにも名前は知られているのだろう。



「それで? 誰から鍛えてやる? 全員まとめてでも構わないけどよ?」



 バチリッ! っと、頭の横から伸びる黒い角に青い雷光が弾ける。


 それを見た一年生たちは顔が青ざめている。


 この時期なら授業で属性の説明も受けているだろうからなおさらだな。




 雷属性。


 その性格は“暴力の象徴”と言われるほど荒い。




 当然、雷属性を得意とするファイターは攻撃力が高い。生半可な霊気のガードなどものともせず貫通する。


 覚えたての一年では軽く殴られただけでも大ケガは避けられないだろう。



「……行け。見逃してやる。失せろ」



 いきがってた連中が一目散に逃げだした。


 どうやら一睨みで折れたようだ。


 一年と三年じゃあ、まぁそうなるな。


 何より鉄也もはぐれファイターとして活動している実戦経験者だ。


 闘気だけでも相当怖かっただろうなぁ。



「あ、あの! ありがとうございました!!」


「……覚えておけ。お前たちも一歩間違えばああなる」


「えっ?」


「霊気の扱えない一般人にとっては、お前らレベルですら脅威になる。ほんの些細な悪ふざけのつもりでも大ケガ、ヘタすりゃ致命傷になる。授業でもやっただろ?」


「………。」



 黙ってしまった。


 力の使い方についても講義はあっただろうが、何せ学園の中は能力者だらけだ。


 別にこの程度、という感覚がどうしてもどこかにある。



「少し調子にのってみたかった、じゃ済まされないぜ。忘れるな、お前たちも一歩間違えば同じことになる」


「「はいッ!」」


「……説教クセェこと言っちまったな。ほら、お前たちも、もう行け」



 一年生たちが鉄也にお礼を言って元気よく駆けて行った。


 やっぱり今の時期はトラブル増えるなぁ。




 さて。




【霊闘士・功刀音羽】


 鉄也殿の治安維持活動をこっそりと見守る我々。


 別に面倒くさいとか、鉄也殿を嫌っているというワケではありません。


 葵殿はともかく、自分と豹真殿は低ランク帯のファイターですから、一年生たちにも軽んじられる可能性があるのです。


 と、なると鉄也殿のプレッシャーも半減しかねない。


 つまりこれは戦略的に正しい援護なのであります!



「で、お前らはいつまで隠れてるつもりだ?」


「「……にゃ~」」


「わざとらしすぎンだよッ!!」



 どうやらバレていたようであります。


 まぁ鉄也殿も自分と豹真殿と共にはぐれファイターとして活動しているでありますからな。


 少し息を潜めた程度ではこうなるでしょう。



「おはよう鉄也。朝からお疲れさん」


「あぁ。まったく、血気盛んなのはいいが、相手は選べってんだよ」


「そうですね。力に溺れて見境なく襲い掛かるなんて論外ですね」


「………。」



 葵殿の弁に鉄也殿が黙ってしまいましたな。


 まぁ鉄也殿と我々の関わりの始まりが始まりでしたからなぁ。


 その時ターゲットにされたのが豹真殿だったので、葵殿は未だに鉄也殿に突っかかることがしばしば。


 もっとも、本気で嫌ってるというよりはからかいに近いのでありますが。



「それについては…反省してる。ついでに言うなら運が良かったんだろうな。豹真と出会わなかったら今頃は塵になっていたかもしれん」


「そんなことないと思うけどなー。っと、それじゃ葵」


「はい。皆さん、また後ほど」




 葵殿と別れて三年生の教室棟へ。


 闘士学部だけでも100人、三年生全体だと300人もの生徒が在籍しているだけあり、自分の教室に辿り着くまでもなかなかの道のり。


 ……と、転校生はよく言います。


 自分たちはコレが標準なのでイマイチよくわからんでありますが。




 教室にて学友たちと挨拶を交わす日常。


 なれど、やはりどこか空気が違いますな。



「おはようガキども! 今日も全員揃ってるな! 結構結構。ガハハハッ!」


「「おはようございまーす」」


「おう、おはよう! さて、お前たちも知ってると思うが一年坊主どもが今日からバトル開始だ。トーゼンはねっ返りどもがケンカを売ってくることもあるだろうが……ほどほどにブッ飛ばすよーに」


「センセー、そこは喧嘩にならないように注意するとこじゃないんですかー?」


「言って聞くようなヤツは始めからケンカ売らんだろ。ま、学生同士のバトルならいくらでもフォローできるからな。街中で調子のるよりはマシじゃい! ガハハハッ!」


 教官殿は今日も相変わらず、山人族(ドワーフ)らしく豪快でありますなぁ。


「まぁ真面目なハナシをするなら、だ」



 普段とは違う鋭い、戦士の目付きに変わる。



「お前たちも知っての通り、最近は月の眷族どもの動きが活発になってきとる。迂闊に勝負を仕掛けるようなマネをして大怪我でもしようものなら……いや、大怪我で済むなら命があるだけ儲けもんだ。それを思えば学園内で心が折れたほうがマシだろう」



 教室が静寂に包まれました。


 自分たちも三年生、希望を失うほどではありませんが、色々と戦いの現実も見えるころ。


 教官殿の言葉に皆思うところもあるのでしょう。


 自分は豹真殿たちとともにはぐれファイターとして活動しているので尚更とも言えますが。


 

「さて、他には特に言う事はねぇな。それじゃあお前ら! 今日も元気に体ァ鍛えろよ!」


「「はーい!」」


 

 朝のHRが終わり授業の始まりであります。


 午前中は闘士学科も普通学科同様、基本的な座学になります。


 ファイターとはいえ学生、勉学に励むことで将来の選択肢を広げておくのは当然のこと。


 が。


 学生とはいえファイター。


 やはり午後からの戦闘訓練こそ本命でしょう!


 今日は我々のクラスが迷宮を使える日であります。


 さて、休憩時間を利用してしっかり装備のチェックを済ませておきましょう!

~ちょっと補足~


・功刀音羽

 ・犬人族の爽やか系でライトなミリオタ。ですますあります!

 ・得意属性は射・衝撃・音。あと斬も少々。

 ・中学に上がってから一緒にはぐれファイターとして活動している。

 ・豹真の精霊のことは知らない。が、何か切り札持ってるな…くらいには感付いてる。


・真上鉄也

 ・魔人族のクールなアウトロー。でもいじられる。

 ・雷・炎・打撃・斬撃を中心に扱う火力型。

 ・いわゆる思春期特有の病気だったころに豹真と戦っている。

 ・仲間内で一人だけランク上げてしまったことをちょっと後悔している。

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