[閑話]倒れた神治がまた倒れる話
今回は直接的な官能表現があります。
嫌悪感を抱かれる方はご覧になることをお控えください。
頭にひんやりと冷たいものが乗った感触で目が覚めた。
「おはようシンジ君、気分は大丈夫?」
声を掛けてきたのはエリスだ。
どうやら頭に濡れタオルを置いてくれたらしい
「目覚めて早々にエリスさんみたいな美人さんが目の前にいたらどんな男でも絶好調ですよ。」
身を起こしながら少し冗談を飛ばしてみる、心配して付いていてくれたならまずは安心させないと悪い。
「その様子なら無事みたいだけど、頭はちょっとまずそうだね……」
「え、何ですかその反応。」
「まあいいや、クーちゃん達呼んでくるね。」
そう言うとエリスは部屋から出ていってしまった。
額に乗ったタオルを手に取り顔を拭くと、幾分か頭が冴えてくる。
たしか、クーとシャルロットにもみくちゃにされていた筈なのだが……
ふと自分の体を見れば、パンツ一丁のほぼ全裸である。
そして老人の家の中でも風通しのいい部屋の床板の上に寝かされていたようだ。
そばに置いてあった水筒の水を飲み干すと同時に、ドタバタと部屋の外が騒がしくなり、そして誰かが入ってきた。
「シンジさん!」
案の定クーが一番乗りだ。後からシャルロットも入ってくるが、どこか居心地悪そうに立っている。
「体の具合は如何ですか?不調とかありませんか?」
半べそでクーが確認を取ってくるので、ひとまず落ち着かせるための言葉をかける。
「良かったです。」
シャルロットを手招きして近くに寄せてから、ここまでの経緯を聞いてみると、2人はおずおずと話し始めた。
クーとシャルロットの間でもみくちゃになっていた俺は熱射病と見られる症状で倒れた。
いくら呼んでも返事が無いことに慌てたクーがマリア服店に戻り、ちょうど店にいたエリスと共にここへ戻ってきた。
エリスの指示で俺の体を運んだ後は、邪魔だからとほかの部屋で待機させられていたらしい。
「すみませんシンジさん。こうならないためにマリアさんから飲み物を持っていくように言われて来たのに忘れてしまって……」
「今回は完全に俺のミスだから気にするな。なんだかんだ生きてるし、気にしなくていい。それよりシャルロットは大丈夫だったか?俺と同じような状態で動いてた訳だし、水分ちゃんと摂ったか?」
「う、うん、ボクは大丈夫。えと、シンジ……その、ごめんなさい。まさかそんなに裸が嫌いだったなんて知らなくてその……」
「いや、別に裸は嫌いなわけじゃないからな?」
「そうは見えなかったけど?」
心の底から疑問だという様子でシャルロットが反応する。
「いやいや、逆になんで俺が女の子の裸をそんなに嫌わなくちゃいけないんだ。」
「じゃあなんであんなに頑なに見ようとしなかったのさ。」
「不用意に見るといろいろ悪いことが起きるんだよ。」
「やっぱり今回倒れたのも裸への拒絶反応が……」
「違うわ!」
今回は体調管理が原因だが、仕方ないから話すか……俺の体質について。
「とりあえず2人ともそこに座れ、話さなきゃいけないことがある。」
咳払いして声色を変えたせいか、2人の様子が少し怯えたようなものに変わる。
「話す事ってのは、俺の体質についてだ……」
◇◆◇◆◇◆◇
「その不運のせいで今回は倒れたの?」
俺の特殊な幸運体質についてある程度理解したシャルロットが訊ねてきた。
「たぶん違うと思う。今回のは俺の不注意、つまり倒れるのは必然だったはずだ。熱中症は誰にでも起こりうる上に最悪死に至る、今後の教訓にしような。」
2人が熱中症への理解を深めた所でエリスが帰ってきた。
「シンジ君、起きて早々で悪いけどギルドに戻ろうか。」
持ってきた飲み物を渡しながら、そんな事を言ってくる。
今の時間はまだ陽はあるが、それでもそれなりに傾いていた。
先日の話では日没後に行動開始ということだったので、エリスが言う通り今から動き始めないと諸々の準備をする時間がなくなってしまう。
ひとまず渡された飲み物を口に含む。
桃のような香りが鼻を抜け、自己主張の激しい甘さが口の中を撫で回すように広がっていく。
飲み物の下っていった喉と甘さの引いた口内には生姜湯を飲んだ時のようなビリビリとした熱が残った。
今まで飲んだことのない味だが、よく似た物を知っている。
「エナジードリンクか?」
クーとシャルロットは一様に何かを堪えるような表情で不味そうに目を瞑っていた。こらシャルロット、舌を出すんじゃない。
「あ、シンジ君飲んだことありそうな反応だね。バーボン秘伝の元気ジュース、血の巡りが良くなって判断力上がったり疲労回復が速くなったりとかいろいろ凄いらしいよ。私はあんまり効果なかったけど……」
確かに凄い。
体に変化が現れてから気が付いたが、パンツ一丁の俺の周りに女の子が3人、しかも皆一様に可愛いと来た。
バーボンが開発したのだとすればなかなかパワフルなおじさんだと感心する。
男というのは正直なもので、こればっかりはどうしようもないのだが。頭の回転の速さもおそらく上がっているのだろう、萎える妄想どころか周りの女子の服の下を幻視し始めている。すごい、下着姿すらも通り越して剥きはじめてるぞ俺。
思考が股間のコントロールロッドに奪われる前に彼女達から目を逸らす。
「ところで、俺の着てた服はどこに行ったんですかね?」
「あ、そうだった。今取ってくるね。」
よし、おそらく一番バレるとヤバい人を退場させたぞ。
あとの2人は……落ち着け俺、2人の服の下を考えるな。
「シンジさん、どうかしましたか?」
ギンギンとはち切れそうな痛みにも似た感覚を発信している相棒が思考をかき乱し、ゆらゆらと揺れながら気分を萎えさせようとしていたせいか、クーが心配そうな声を掛けてくる。
「大丈夫だ、さっきの飲み物で少し調子がおかしくなってるだけだから、平気。」
バレないように、クーたちの方を見ないように片手で制止する。
「シンジ君取ってきたよー。」
よっしゃ、せめてズボンが履け……はっ!?
ズボンを履くなら人間普通は立ち上がる、ということは先に勃ち上がっている俺の相棒が露骨に自己主張をする。そして3人にバレる。このタイミングで意味不明に興奮しているただの変態だと思われて今後の生活に支障が出てつまり死。
男の証さえなければ、この状況はいくらでも美少女の全裸を見られる最高のシチュエーションだというのに、なんでよりにもよってパンイチなのか。ひどい、青春真っ盛りの純情チェリーボーイにこの仕打ちはあまりにもむごい。
あ……?そうだ、俺にはアレがあるじゃないか。なんで気が付かなかったんだ。こんな簡単な方法があったなんて。やっぱり冴えてるな俺、勝手に他人の服の下を妄想するほど頭が冴えてるくらいだもんな、このくらい思いつかないとな。
「はい、服と鞄ね。」
「おう、ありがと……」
ちょうどいいタイミングで差し出されたヘアピンの入ったリュックをこれ幸いと受け取ろうとして、見事にエリスを直視してしまった。
下はホットパンツ、上は胸部をぐるっと囲む簡素な革製の下着?とノースリーブのジャケット、特徴的な赤いマフラーも含めたいつもの衣類全てがその姿を消し、完全に全裸状態のエリスが網膜に痛烈に焼き付く。
「うわっ、シンジ君鼻血出てきてるよ!?」
エリスが突然そんなことを言うので、鼻に手を当てて確認すれば、今まで見た事が無いほどの勢いでだばだば出ていた。
あ、あれ?おかしいな?マンガじゃあるまいし……
ぼやーっと暗くなっていく視界の中で、いつまでも続く相棒の自己主張だけが気がかりだった。
◇◆◇◆◇◆◇
テレビでいつかに見た、中世ヨーロッパで天蓋付きの高級そうなベッドがある貴族の邸宅の一部屋。
暗くなった外から入る白い月と星たちの輝きが室内を頼りなくもしっかりと照らし、少しだけ開かれた大きな窓につけられた、外が透けるほど薄いカーテンが風に揺られる。それに合わせてベッドの天蓋から吊り下げられた半透明のカーテンがゆらゆらと俺を誘う。
バスローブのみを身につけた俺は、彼女の待っているベッドへとゆっくり近づき、カーテンの奥に横たわる人影を直接見るべくその邪魔な布を掻き分ける。
下に敷く真紅の毛布を抱いて目を閉じているエリスが、俺の持ったロウソクの仄かな光に照らされてそのきめ細かな肌を眼前に晒している。
真紅の毛布に血色の良いしなやかな裸体を埋めた彼女を舐めまわすように堪能した後、若き肉体を蹂躙すべく俺もバスローブを脱ぎ捨てて彼女の聖域に入る。
頬をそっと撫でると、彼女はゆっくりと目を開けこちらに微笑む。
夜更かしさんだね。
なに、夜は始まったばっかりだ。
彼女がこれ以上茶化す前に、その唇を塞ぐ。
貪るように絡みあう舌は、彼女の言葉にしない思いをこれ以上ない程に伝えてきている。
普段男たちの中で発生する品のない会話に同じ波長で参加している彼女だが、その実、本気で誘うのはやはり恥ずかしいのだ。
いつもの彼女の姿とは違う、俺にだけ見せる本当の姿。
情熱的で甘美な口づけが終わると、彼女の潤んだ瞳が灼熱の金属の如く滾る獣欲をさらに怒張させた。
口づけしかしていないが、彼女は既に準備が整っているようだ。待つのももどかしいと腰をくねらせてせがむエリスの望み通り、一つになるべく体勢を変える。
俺よりも背の低いエリスと向かい合い、その体に入りきるのかと困惑するほどに大きく変貌した杭を構える。
彼女の腹の上に1度乗せて、根元まで入れた時に先端が届く位置をトントンと叩くのがいつもの楽しみだ。
その楽しみに加えて、今日はその場所の周辺を数回撫でる。
早く。とせがんだエリスの瞳は月明かりの中妖艶に煌めき、少し荒くなった呼吸に合わせて揺れる二つの膨らみ先端がツンと形を変えていた。
冗談めかして謝ってから、再び唇を重ねつつ一気に奥まで繋がった。
ところで目が覚めた。
あまりにも非現実的でありながらリアルな夢に戦慄しながら体を起こす。
日は既に落ちてしまい、クーとシャルロットが隣で抱き合うように寝ている。
幸いと言うべきは日が沈んであまり時間が経っていなさそうな事か。
「クー、シャルロット、起きろ。」
ぱちり。
俺の言葉で2人が即座に目を覚ますと、2人とも同時に目を擦る。
見事なシンクロだが、今は悠長にしている場合でもない。
「シャルロットは出かける準備出来てるか?」
「うん、大丈夫。」
クーは……と聞こうとした所でこちらに親指を立てている姿が見えた。
なんか、ジェスチャー系はもといた世界と同じ感じなんだな。
じゃねえ、急がないと時間がヤバい!
「行くぞ2人とも。」
寝起きだというのに軽快な返事をした2人を引き連れて、俺達はギルド本部まで走り始めた。
エロシーンは書いていて楽しいのでズンズン書けますね。
というか、今回なんもしてないじゃないか!
閲覧ありがとうございました。




