第六話
第6話〈イベント発生〉
────ピピピピィ────
携帯を確認すると、一通のメールが届いている。それは国際連盟から俺宛のメールであった。口と眉毛が少し上がるくらいの少しの驚きはあったが、ゲームが届いた一件もあったせいか、そこまで驚いている表情ではない。話してる最中に誰だよ!と自分の中で思い、メールを確認するとメールには長々と文章が綴られていた。その趣旨を見ると……。
「イベント情報!?内容はー、1週間後に『アビスター祭』と言う祭りが行われる!?なんだ、これ?リリィ分かる!?」
「どうやら、イベントの招待状かー!ゲームでよくあるやつだよーそれ!参加するのは強制ではないと思うよ!」
それは、仮想世界の人々に与えれた異能力で争うパーティー参加のイベントである。テレビを付ければ、それはニュースになるくらいの大イベントである。ただ、まだログインしてから1日も経っていない!なんで、このタイミングでそんな大イベントが企画されてしまったのか俺は不思議である。だって、ログインしてまだ1日も経っていないのだ。
「パーティー参加だぁ!?しかも5人までかよ!」
ここに置かれて今の状況は、俺とリリィ2人がいて、俺は最弱だと言うこと。さらに、パーティ参加で4人と言う鬼畜、かつ絶対 不可能である条件だった。俺は必死に頭を回転させる。が、思いつくのはあれだけ!しかし、俺が考えた案の可能性は1%の確率もなく、奇跡が起きない限り成し遂げることはできないほどであった。
「なに!?宛はあるのー?4人かー、私には友人というものがいないしなー!」
メールを再送すれば、参加権が与えられる。観戦は自由なのだが、実際に本戦に出るのは自己申告である!と一通り読んだ文章に綴られていた。ルールによれば、4人のパーティー参加によって行われる異能力バトル!イベントによる不正発覚は敗戦とみなし、異能力以外の武力による戦闘は禁止と書かれている。それに、自分へのダメージは少しは感じるだろうが、セキュリティーによって身体へのダメージは軽減されると記されている。
「宛は……あるっ!まだ来てるか分からないけど…。あいつらなら…!」
宛といえばあいつらしかいない。ただまだ1日も経っていない中でこの世界に来ている可能性はかなり低い。
「それは、誰なの?」
少し怒っている口調をしているが、どうやら嫉妬しているのかもしれない。その理由はわからないが、確かに表情に表れている。
「あ、んーー!俺の妹と幼馴染だ!」
そう聞くと安心した顔で口を開いた。
「だったら試しに、やってみるのも良いかもね!」
「うん!でも、何かおかしいとは思わないか?ニュースでは人類の半分はログインに成功したと聞いた。けれど、残りの半分はまだログインしていないと言っていた。こんな複雑なタイミングでこんな大イベントなんかねー…」
不振に感じながらもそう言うと、再び携帯を操作し、再送する。そして、俺らはイベントに参加することになった。
………………………………………………………………
仮想世界では、すでに3日4日ほど経った。仮想世界と現実世界ではやや空間の歪みのせいか、時間の進みが現実世界の方が早い。
「おまたせ!いきなり聞くんだけど、ツバサは大丈夫!?」
「今の家のソファーで寝たっきり……」
「そっかー、ひなのちゃんはログインする?」
ハルとひなのの2人はいつものようにか、話を続ける。どうやら、まだ2人はログインを行ってないらしい。多分それは、ひなのの兄つばさの一件もあっての事だろう。大大と発表された生放送に人々は驚愕と同時に、安心し興味を示したのは間違いない。だからか、人類の半分はすでにログインが成功している。さらに、今日のニュースでは、仮想世界でつばさに届いたメールのように、大イベントが行われると言う企画が発表されていた。
「私は行こうと思う。ハルくんの意見も聞きたくて、今日はやってきた。」
手元には無料配送されたゲーム《アビスター》が入れられた段ボールを持っている。
「だったら俺も行く!さっそく、行ってみないか?」
「うん!ログインしよう!」
そう告げた後、2人はハルの家の中に入った。ハルの部屋に向い、部屋に置かれた二段ベットに2人は仰向けに寝転び、準備を行っている。
「ハルくん!準備はできた?」
「あー、おけおけ!じゃ、行くよ!」
ハルは二段ベットの下に寝て、その上にひなのが寝ている。そして、準備を終えた2人は確認をとる!
────ノーリアル────