序章
この作品は作者の趣味が詰め合わせてあるため明確なジャンルが存在しません。
それでもよろしい方はそのままご閲覧ください。
全ては、あの日からはじまった・・・・・。
燃え盛るのはかつて母と暮らした小さな屋敷。
泣き叫ぶ子供の声、大人の怒号。
そして・・・・・・【ボク】はそれをただ・・・・仮面の奥にしまい込んだ憐れみの目で見ていた。
これから始まる復讐の火種を、永遠に心に刻みつけながら。
序章
【ハジマリノ・・・・】
「・・・ま、さ・・・。・・・さま、るいす・・・ルイス様。」
呼ばれてはっと気がつく、目の前にいるのは黒髪の短髪そして金色のモノクルをかけている専属の執事。
名前をシェスティア・ヴァルロフという。長ったらしいので俺は【シェン】と呼んでいる。
「いかがされましたか、なにやらぼんやりとしていられる様子でしたが。」
「なんでもない。ちょっとした遠出からこの町に帰ってきて一安心ってところなだけだ。」
「それなら良いのですが・・・。」
俺の名前は、ルイス・アーヴェイン。年は19、1年ほど前に親父から【大侯爵】の位を受け継いだばかりの新米貴族ってやつだ。
容姿は銀色の短髪あと両目とも青。ほそっこい身体つきでよく【中性的ですね】って言われるのがタマにキズだ。
先日から親父に言われて地方にいる有力な貴族様達に挨拶してカントリーハウスのある町
【マモネット】に帰って来たばかりだ。
このあたりの地区はそのほとんどが貴族のカントリーハウスの密集する土地だ。
その中の1等地に分類される場所に【実家】があった。
そっと溜息をついたと同時に馬車が止まり、シェンが先に降り先導する。
「さて、親父に報告にいきますか。」
気合をいれて屋敷の中に入る。
そう、それまでが俺の知る世界で・・・鳥かごだった。
それがいつの日か壊れることなど、知らなかったのだ。