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re: High School  作者: *kei
第一学年
7/17

何故か元の姿に戻りました act.1

夢だかよく判らない世界に来て4日目。

初めて学校がお休みになった土曜日。

今日は街の探索も兼ねて、外に出てみることにした。


海外留学していたことが、ある意味柔軟性を養ってくれたのか判らないけど、もう夢の世界って妄想するのは止めた。

だって、味覚や嗅覚、痛覚まで鋭くなる夢なんてあり得ないでしょ。

エル○街の悪夢かっつーの。


ダサい横縞セーター着た顔に火傷を負った男は出てこないので、コレはもうアレだね。

噂の異世界トリップ。

何でこうなったのか判らないけど、現実として受け止めないとイロイロ危険な気がする。

夢だと思い込んで、無茶して社会的に抹殺されるのだけは避けたい。


それにしても何で高校生?

せめて二十歳は越えていて欲しかった。

高校生じゃ、酒が飲めない!


カミサマ、コレは何かの苦行ですか?


元の世界に戻る術が判るはずも無く…と言う事で、この変な現実にまともに向き合うことにした訳だけど、現在の目標はバイトを探すこと。

預金だけでも悠悠自適に暮らせるだろうけど、さすがに何もしないでそれに甘えるわけにもいくまい。


しかし、世間と言うものはある意味、未成年には厳しい。

仕事も暮らす場所も制限されるし、大抵大人の同意が必要とされる。

泰美さんも恵一さんも、優しそうだけど頑固っぽいからなぁ。

バイト許してくれるかな。

まぁ、とりあえず着替えて出かけるか。


さてと、何を着て行こうかな。

下着を着けて……あれ?

違和感…と言うか、ブラがキツイ。


ヤダ…太った!?


昨日までは何でもなかったのに。

そう思い、あたしは鏡の前に立って、自分の姿を見……。


「何で?!」


腰まであった髪は肩上で揺れ、前下がりのボブに。

真っ黒だった色は明るい色になり、ハイライトが入っている。

耳にはピアスホールが三つ。

胸も大きくなり、今のやせ細った身体よりも少しだけふっくらして、女性らしいラインが出ている。


…鏡の中には、紛れもなく二十代のあたしが映っていた。


も、元に戻ってるっ!?

だけど、見渡しても部屋は変わってない。


…何なのこれ?

姿だけ元に戻ってるってこと!?


コンコンコン。


はっ!

誰かが部屋のドアを叩いている。


どーしよう!

このままの姿でなんか出られないよっ!


慌ててドアを押さえる。

「遥?いないのー?」


藍だ!


「ええと、ごめん、藍、今着替え中!」

「あ、そうなんだ。今日ね、買い物に行こうと思っているんだけど、遥も一緒にどう?」

「あああ、あたし、今日ちょっと用事があるからムリ」

「えー、そうなんだ…じゃあ、りっちゃんにでも電話してみようかな」

「う、うん、ごめんねー」

足音が遠ざかる。


よかった、何とかなった。

しかし、どうしたらいいのこの状況?!

このままの姿で出られないよっ。


でも、家に居るより外に出たほうが、すれ違ってもあたしだってバレないだろうし、安全だ。

何とか家を出よう。

あたしは急いで着替えて、出かける準備をした。






ドアに耳を近づけ……よし、ドアの向こうには誰もいないみたい。

そうっとドアを開ける。


一階に下りる階段のところまで行き、下の様子を伺う。

人のいる気配はない。

階段を下りれば、すぐ目の前は玄関。


これなら行けるかもっ。

足音を立てないように1階に降り、自分のミュールを探す。


あった!


急いで履き替え、玄関のドアを開けた。

やった、成功!

あたしはダッシュで繁華街の方へと走った。



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