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2014年/短編まとめ

お昼休み

作者: 文崎 美生

カチカチとひたすらにコマンドを打ち込んでいく。


只今お昼休み。


場所は屋上でボクはなるべくゲーム画面の見やすいように日陰に避難していた。


カチカチカチカチと指が引っかかることなく一発KO。


スッキリとする爽快感ある格闘ゲーム。


うん、愛してる。


「またゲームしてる」


はぁと大々的な溜息を漏らして登場する幼馴染みの琉月リュウキ


成績優秀、文武両道、才色兼備の完璧超人系女子。


あぁ、実に羨ましい。


ギャルゲーの攻略キャラかってんだ。


「まあまあ、何でもいいじゃんー」


あははーと笑いながら琉月の後ろから顔をのぞかせるのは、もう一人の幼馴染み紅羽クレハ


ニコニコと笑いながらボクの横に腰を下ろす。


天然系の可愛い雰囲気を持つが、ハッキリ言って腹ん中は真っ黒だ。


「どこがいいのよ。大体ゲームのせいでユズリの視力は低下まっしぐらでしょ」


琉月に指摘された通り、ボクの視力は現在進行形で低下中だ。


全然気にしてないけれど。


ゲームを手放す必要性もないしね。


ゲーム機の電源を落としてお弁当を広げる。


本日は最近ハマったロープレの主人公のキャラ弁である。


ちょっとだけドヤ顔。


琉月から言わせれば食べるんだから、わざわざ事細かにキャラを作る必要ないとのこと。


面白みのないやっちゃねー。


そして紅羽のお弁当はその体格に見合った小さなもの。


燃費がいいねと言いたくなる。


だが中身はお母様の愛情たっぷりで魚やチーズなど。


もう身長伸びないと思うけどね。


琉月はというとしっかりしたお弁当箱。


何て言うのかな?


仕事もできて私生活もバッチリです、みたいなキャリアウーマンさんなお弁当。


しかも全て手作り。


琉月のだし巻き卵美味しいんだよね、うん。


「ってことで、突撃隣のお昼ご飯っ!」


シュバッと光の速さで琉月のお弁当からだし巻き卵を奪い取る。


もくもく咀嚼。


相変わらず美味です。


「アンタねー…」と怒りをあらわにする琉月に対して、だし巻き卵を食べながら「琉月のだし巻き卵美味いもんね」とほざく。


その隙に紅羽に、ボクの主人公キャラ弁の相棒が食われていて悲鳴を上げたのは言うまでもない。


ボクの可愛いペットちゃん…。


でも作った際に写メはとってあるからいいのか。


三人でお弁当をつつき合う。


いつものお昼休み。

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