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第一話 ~リア友ってなに?~

このパソも買えどきなのかっ!?

10年近く動いてくれてるだけでもありがたいと思うようにしよう!

いやいや、もっと頑張れよ!

「独り言多いなお前」とか思わないでくれよ。これは俺の心の叫びだから。


俺は物心ついた時からパソコンをいじっていたらしい。

このパソも親父から小学校に入学した時に譲り受けた。

だからこのパソは結構なご老体で処理も遅い。

「バイトでもして金貯めて新しいの買えよ」って思うだろ?

いや、ついこの前まではやってたんだよ。

だけど最近バイトはしていない。というよりできない。

なぜかって?

かくいう俺は高校二年に進級してからというもの、自分の学力に今まで通りの自信を持てなくなってしまった。

今までは授業さえ聞いていればクラスのトップ10には入れる自信があったのだが、なぜか進級してからは落ちていく一方という始末。

おかげでバイトはあまりと言っていいほどできず、いくら高性能なパソを所望しても手が届かないというより伸ばす手がないのだ。

こういう経緯でパソの遅さにイライラしながらも、未成年のうちはしかたがないと軽くやけくそになっている今日この頃というわけだ。

今日もいつも通り、パソの性能に悪態をつきながらネット上の友達と会話をしていた時のことだった。


「新着メッセージがあります。」

という文面とともに、ひよこの鳴き声を連想させる音がパソから聞こえた。

こんな時間にメッセ…?

もう時計の針は12の位置をとっくに通り過ぎ、良い子はもう寝ている時間だ。

友達との会話もやっと一段落した。

「落ちる。おやすみ。」

と書き残し、ルームを出た。

そして先ほどの文面をクリック、チャット画面を開く。

相手はネトゲで知り合った女性で同年代だったっけ?

文面を読むとただ一言。

「会っていただけないでしょうか?」

…え?…は?

まさかこんなこと言うやついるんだという驚き。

そして自分がその対象に選ばれたという憤り。

普通に危険だと思い、無視をした。

それが最善の策だろう。

しかし、その十分後にまた新着の通知がきた。

しつこい。そう感じながら画面を開く。

一言は文句を言ってやらないと気がすまない。

そう考えていた俺は文面を見て頭に「?」を浮かべながら一分間ほど考えてしまった。

「鶴谷町へ引っ越すことになりました。ぜひ、案内をお願いできないでしょうか?」

ここでやっと返事を返す気になった俺は思っている中で最大の疑問をぶつけた。

「どこに住んでるなんて教えたっけ?」

今の社会は相手の住所まで調べられるのか?

そんな疑問と不安を抱えながら返事を待つ。

ピヨッ

お、返事きた。

「あ、はい!お正月にお話をしたときに、駅伝の話題になったじゃないですか?」

そうだった。

俺は近くに鶴谷中継所があると言い、鶴谷町の名前を口にしている。

「だけど、俺がそこに住んでいるとまでは言ってないだろ?」

「あ、確かにそうでした…。違いましたか…?」

どう返事すればいいんだ?

こいつが言っていることが100%あっているとは限らない。

もしかすると犯罪に巻き込まれるかもしれない。

ネットでしか会話したことのない相手を信用していいのか?

そう思った俺はあることを思いついた。

「お前って俺と同年代で16歳、高校生だったよな?」

「そうです!」

俺と一緒で高校生ということは…。

「高校はどこに転校するんだ?」

これですぐに答えられなきゃこいつは黒だ!

ピヨッ

なん…だと…?

「えーっと、鶴谷東高等学校です。」

俺の行ってるとこじゃないか!

こ、こんなのデタラメだよな。

学校の名前なんていくらでも調べることできるわけだし。

「担任の先生は松林先生という方です」

俺の担任キター!

おいおい嘘だろ…。

そこまではいくらなんでも調べられないはずだ。

「本当…なのか?」

「はい!案内していただけますか?」

さすがに自分の学校、しかも同じクラスに転校してくるやつを無下にはできないよな…。

「用件は把握した。いつ鶴谷に来るんだ?」

「今日の夕方までには鶴谷町にお引越しです!」

案内するなら明日あたりか…。本屋に行くついでにさっさと終わらせるとしよう。

「明日の昼ごろでどうだ?」

「了解です!12時くらいでよろしいですか?」

学生だからって特に問題はない。だって今は春休みの真っ最中だしな。

「ああ。ところで連絡手段はどうする?」

パソは外には持っていけないからな。

「え?黒猫さんはスマホからじゃないんですか?」

あ、黒猫って俺のハンドル.ネームな。

ハンドル.ネームっていうのはネット上での呼び名みたいなもんだ。

まあ、ほとんどの人が知ってるだろうけど一応…な?

「パソからだけど…。スマホからもできるのか?」

「はい!普通にダウンロードしてログインしていただければパソコンと同じようにできると思います」

アプリ版があるとは知らなかった…。

早速、ダウンロードしてみよう。

俺はインストールの作業中に彼女のことが気になったので聞いてみた。

「聞きたかったんだけどさ」

「はい!なんでしょう?」

こいつはいつでも元気そうなやつだな…。

現実もこんな感じなのだろう。

「なんで引っ越してくるんだ?父親の転勤か何かか?」

「え…。あ、もうこんな時間でした。明日はよろしくお願いします!おやすみなさい」

綺麗にはぐらかされた感じがするのは俺だけだろうか?

ふと、時計を見るとちょうど3時だった。

もうこんな時間か…。

眠くないけど、布団には入っておこうかな。

じゃあ、おやすみ!


おはよう…。

さすがにあの時間に寝ると昼過ぎるな…。

少し体が重いのはきっと気のせいだろう。

昨日は色々と考えたりしてたせいでろくに寝つきもしなかった。

起きてからアプリ版のチャットをたびたび見てみると「今から引越しの準備をします!」とか「業者さんが来てくれました!」など、色々と更新されていた。

さすがに春休みとは言え、家にへばりついているというのもどうかと思うので散歩に出かけてみることにした。

この時期は寒くも暑くもなく、ちょうどいい気候だ。

こんな日が続けばいいのに…。

しょうもないことを考えていると、目の前の交差点を「シロアリさんマークの引越社」のトラックが過ぎていった。

「鶴谷とはいえ広いし、違う人だろう」

そんなことは気にも留めずに俺は散歩を続けた。

今日は時間もあるので行ったことがない住宅街の方に進むことにした。

「こういうところって子どもが家の前で遊んでる印象があるな」

案の定、子どもとその母親たちだろうか?

家の前で子どもを遊ばせながら立ち話をしていた。

盗み聞きをするのは趣味ではないが聞こえてしまったものは仕方がない。

「裏の角の鈴木さんのとこの横、引っ越してきたらしいですわよ」

「そうなんですの?どんな方なんでしょうね」

へー、引越しか。

ここまで聞くと見たくなってしまうというのがこの俺だ。

ついでに裏まで回ってみるか。

あー、運んでる運んでる。

シロアリのマークをつけた業者さんが家の中に荷物を運び込んでいた。

そこに一台の乗用車が止まった。

中から男性と女性、夫婦だろう。

そして、あまり元気そうには見えないような女の子が出てきた。

新居をみつめて何か言っているようだが、さすがにここまで話し声は届かなかった。

一瞬、あいつかな?

そう思ったのだが、あいつとあの子の印象があまりにも違うので知らない家族だろうと考え、長い散歩に終わりを告げ、俺は帰路についた。

皆さんこんにちは!そろそろ秋の気配が。作者の黑猫です。


暑い日もだいぶ少なくなり、涼しくて過ごしやすくなってきました。それと同時に雨も降り、ジメジメとした天気になることも増えましたね。これからの季節はインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行りだします。手洗いうがいを徹底して皆さんも感染しないように気をつけてくださいね!


投稿が遅くなり、申し訳ありません。なるべく早く投稿しようと思うのですが、なんせ学生で、おまけに受験生手前なのであまり時間を確保できないのです…。次回からは早く投稿できるように、時間の合間を縫って頑張っていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します!

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