魔王様の婚約者!
書いてる連載の気分転換に書きました。
完全なるおふざけ。
…最初に謝っておきます。
ごめんなさいm(_ _)m
作者にとっての"萌え"を詰め込みました!
溺愛される子大好き!
溺愛する魔王様大好き!
ベタな設定大好き!
…はい、私はアホな子です。
そんなアホな子が書いた、アホなお話をどうぞっ!!
え〜マイクテス。マイクテス。
只今こちら勇者一行。勇者一行〜。
魔王様がいる国に到着しました。
そして、早速ピンチです!
わたしの名前はマオ。
勇者パーティーの一人です!!
え?
役割?
……え〜と、マスコットキャラ?
な、何よ!?その目は!!
だって!
リーダーはアイドル系美少年の勇者ジャスティンだし!
白の魔法使いは美少女でお姫様のヒアがいるし!
剣士はチャラくて軽いけど腕は一流なデュオンだし!
黒魔法兼お色気担当は妖艶美女のリーヴァさんだし!
弓の名手はワイルドな見た目に男前な性格のルークだし!
どうしよう!役目ない!
で、前にみんなに、
「私は何担当?」
って聞いたら、
ジャスティン「え…と……マスコットキャラかな?」
なぜに疑問形だ。
ヒア「マオちゃんは、いてくれるだけでいいんだよっ!癒しの存在だよ!」
にっこり笑顔が眩しいよ〜あなたの方が可愛いです!
デュオン「マオちゃんはマスコットキャラだよ!かわいぃなぁ〜おいで〜♪」
断言したね。あ、ちょっとそれ以上近づかないで。
デュオンはすぐにお尻を撫でようとするから嫌だ。
リーヴァ「ん〜…フフ。玩具、かな?」
なんかエロッ!リーヴァさんエロいよっ!!
でも玩具は嫌だな!
ルーク「…ペット」
だ、誰がペットだぁぁっ!
くそぅっなんか、シックリくるのが腹立つ!
と、いうわけでペッ…じゃない。マスコットキャラと名乗ってます。
目指せ!某有名なネコロボット!
目指せ!某有名な猫を飼う猫!
目指せ!某有名な口が×のウサギちゃん!
目指せ!顔がパンのみんなのヒーロー!
おっと、話が脱線しました。
そんな勇者一行と共に旅して、愛しの(・・・)魔王様がいる城まであと少しってところでピンチです。
…え?
勇者一行のくせに愛しのって何だって?
…アレ?
わたし、愛しのって言った?
……フッ
バレちゃ〜しょうがない…何を隠そう!わたしはスパイなのだっ!
上手く勇者一行に潜り込んだわたしは、日々勇者たちの弱点を探っていたのだ!
わたしのポッケに入ってる『スパイノート』は、勇者たちの弱みでびっしりさっ!!
…まぁ、一回ルークに見つかって大変だったけど……え?どうやってごまかしたって?
それはね…
『…何だこれ…"スパイノート"?』
『!!ち、違うよっ!スパイじゃなくて、スッパイノートだよ!!アハハ〜ちっちゃいツを書き忘れちゃった〜☆書いとくね!』
『…"スッパイノート"って何だ』
『…スッパイノートは…え〜と…そう!スッパイ食べ物を書いたノートだよっ!!』
『…ふ〜ん』
という風に、追求の手を逃れました!
マオ選手!見事な動きで敵の手を逃れましたっ!!
ただ、ごまかす為に、本当に"ッ"を書いたから、今ノートの表紙は"スッパイノート"になってるけどねっ!!
ん?
いい加減、話を進めろって?
……フッ
そりゃあんた、人事だから言えるのよ。
見て!
さっきから震えが止まらない!
ガックガクのブッルブルだよっ!?
何がピンチって目の前に魔王様なぅだよ!!
魔王様、超怒ってるなぅ!!
ヤバいやばいヤバいやばい!!
魔王様!
綺麗な真っ黒い瞳が真っ赤ですよなぅ!?
気配が黒いなぅ!!
ほらっ!周りの植物が枯れてきてるよなぅ!?
ひぃっ!笑ったぁぁ!
「…ジャスティン、世話をかけたな」
「いぇいぇ、ついでだし。てか、魔王城にいてくれないと…」
「分かっている。そこの小娘を引き取りに来たんだ」
ひぃっ!こっち見てるぅ!
……ん?
まてまて、何でナカヨシ?
「ちょっ!ジャス!何で魔王様と仲良しなのよ!」
「…仲良し?」
「ついでって何!?」
「あぁ。いや、この旅が祭の一つって知ってるよな?」
知ってる!
魔王様と勇者が戦ったのは、むかーしむかしだ。
だけど、お互いに戦った事を忘れないように、勇者パーティーが魔王を倒す旅に出る…っていう行事が出来た。
でも、魔王様と勇者は戦うはずだ。
「で、出発する前にだな、魔王から連絡が来て、マオを………保護してくれって」
な、なんですとっ!?
つか、すごい間が空いたんですが!!
本当は何て言われたの!?
「…そういうわけだ、アンジェ(・・・・)」
「わ、わたしの名前は、マオなんですのよ〜。ア、アンジェって……ごめんなさい」
ここまで来て白をきる意味はないけど、なんとなく意地で貫こうとしたらメッチャ怖い顔で笑いかけられて、呆気なく沈没。
目が全然笑ってないよ!?
思わず謝っちゃったよ。
「あら〜ン?あなたの名前はマオじゃないの〜?」
リーヴァさん、エロい!
普通にしゃべってるだけなのにエロい!!
その大きな胸を主張するような服はどうなんでしょう!?
目の保養になるような、ならないような…
「え?マオちゃん、アンジェって名前なの?」
ちょっそのクリクリおめめでじっと見られるのはヤバい!
可愛すぎる!
そしてわたしはギクリギクリと肩を強張らせる。
内心汗だらだらだよ!
わたしがスパイってことがっ!
「ワーマサカまおハ、すぱいダッタノカー」
……………おいっ!!
そこの棒読み男!!
演技できないなら、喋るなよっ!?
いくら鈍感なわたしでも分かったぞっ!
ジャスティンとヒアの気まずそうな顔に、ニヤニヤ笑いのリーヴァさんとデュオン!!
あんたら全員知ってたなっ!!?
「お前、演技下手すぎ〜もっと上手くやれよ〜」
「…バカバカしい。いつまで子供の遊びに付き合ってやればいいんだ。」
おっもいおっもいため息をついたルーク。
こ、子供って言うなぁっ!!
見た目は五歳児だけど、中身は五十なんだからなぁぁっ!!
見た目は子供、中身は大人なんだよっ!!
魔族は成長が遅いんだよっバーーーーーカッ!
「そんな事言って!ルーの弱点もバッチリ分かってるんだからねっ!?」
ビシッと指を突き付けてやると、フッと鼻で笑われた。
「スッパイノートに、か?」
…っ!?
こ、こいつ!
性格悪いっ!!
思わず顔が赤くなる。
「うっさいっ!アレわざとかっ!?」
「お前が勝手にスッパイノートにしたんだろ」
「むきぃぃっ!」
腹が立って思わずデュオンに飛び掛かろうとすると、フワリと体が浮き上がった。
お腹にあたる暖かくて逞しい感触に、懐かしい気持ちと恐怖を覚える。
恐る恐る振り返ると、実に不機嫌そうな魔王様。
「…もういいだろう。お前は、どれだけ心配させたら気がすむんだ」
「ご、ごめんなさい」
どうやら本当に心配させてしまったようだ。
ここは素直に謝っとこう。
「で、でもっ!魔王様のためなんだよっ!?」
そして言い訳させてくれっ!
だってまだまだ怖いオーラが消えてないもの!
「…俺のため?」
「ほらっ!」
ポッケからゴソゴソとスパイノートを取り出して、魔王様の目の前に突き出した。
「……スッパイノート?」
!!
ぬぁぁぁぁっ!?
忘れてたぁぁぁっ!?
は、恥ずぅぅぅ!
「ち、違うのっ!スッパイノートだけどスパイノートなのっ!!スッパイけどスッパくないのぉぉ!!」
「…ウメボシ。赤くて丸いすっぱいの、種がある……と書いてあるが?」
!?
カ、カモフラージュで書いた最初のページが墓穴を!?
「ち、ちがうぅぅ…っ」
ヤバい!
なんか泣きそうだっ!
うぅぅ…
途端に魔王様が慌てだす。
「な、泣くなっ!悪かった」
な、泣いてないもんっ!
…グスッ
「……え〜と、魔王様とアンジェの関係って?」
恐る恐るといった感じで、ジャスティンが聞いてくる。
「婚約者だ」
「「こ、婚約者ーっ!?」」
「アラ〜」
「…わーぉ」
ジャスティンとヒアの声がハモった。さすが恋人同士!
そりゃ驚くよね〜
私だって未だに信じられないもん!
見た目も中身も歴代最強な魔王様の婚約者がわたしなんてさっ!
なんでも、魔王様の婚約者は、魔王様と同じ黒髪黒目と決まってるらしい。
決まってるっていうか、その人しか愛せないんだって!
運命の人だよ!
ステキだよね〜
でも、黒髪黒目の女の子は中々産まれないらしくて、運命の相手に出会えないままの魔王様がほとんどだとか…
ちなみに、相手に出会えなかった魔王様たちは、誰も愛せないからハーレムを作っていたそうだ。
…ハーレムって…
今回も無理かと思ってたら、だいぶ遅れてわたしが産まれましたっ!
…まぁ、産まれた後も、過保護な家族のせいで、中々会えなかったんだけどね
お父様がお城に報告しなかった上に、わたしの髪を染めて、ずっとごまかしてたんだよね〜
今から考えれば反逆罪だよね!
でも、魔王様にはバレバレでした〜
つかわたしが産まれた時点で分かってたんだって!
幼い頃から家族と引き離すのは、可哀相だから成長するの待ってたらしい。
優しい言葉に惚れ直したのは言うまでもない。
しか〜し!
いつまで待っても、報告すらして来ないのでしびれをきらして、我が家に乗り込んできたのさっ☆
父様と兄様は最後まで抵抗してたけどね〜
そうして半ば拉致みたいな感じでわたしと魔王様は出逢いましたとさ!
説明終わりっ!
今まで黙ってたルークが、ぽつりと何かをつぶやこうとした
「……ロ「断じて違う」
が、遮られた。
……早いな。
まだ、全部言いきってないよ?
魔王様はロリ…ぇふん、ごふんっ!言ってない!考えてないよっ!?だから睨まないで!!
と、とりあえず魔王様はそう言われる事を嫌うのです。
てか、ほにゃららじゃないし!
わたし、見た目はこうだけど一応大人だかんねっ!
……ただ、普通の子より、ちょっと成長が遅いだけだもんねっ!
だから、ロなんちゃらではないっ!!
「いや、ロ…もごっ」
「ルークく〜ん?もうちょっと空気を読もうね〜?」
デュオンがにこやかにルークの口を塞ぐ。
「アンジェは見た目はこれだが、五十歳だ」
「「ごっ!?」」
おー驚いてる驚いてる。
そうなんだよ?わたしはみんなより年上なの!
敬うようにっ!!
「…ちなみに、知識は五十年分あるが、精神年齢は見た目と同じくらいしかない」
…うん、スッゴく失礼な事言われた気がする。
誰が精神年齢五歳だぁぁぁっ!!
「「「「あぁ、なるほど」」」」
な、何納得してんだぁぁぁっ!!?
泣くぞっ!泣いちゃうぞっ!?
うぅぅ〜…っ
「!ところでアンジェ。このスッ…スパイノートには何が書いてある?」
え?
気になる?
やっぱり気になっちゃう?
ふふん。
ちょっと鼻高々だ!
「ジャスティンたちの弱点だよ!」
「「え"?」」
あ、えと…ごめんね?
これでも、魔王様の婚約者だから。
ち、ちょっと良心が痛いなぁ〜
「多分、大丈夫だ。」
「何でだ?俺たちの弱点が敵さんに知れちゃうんだぜ?」
「…その割には、デュオンも余裕だな。」
「まぁ、な〜んか予想できるしねぇ〜」
「え、どういう事なの?」
「見てればわかる。」
む。
なんかえらい余裕だなルークにデュオン。
そんなこと言ってられるのは今の内だからなっ!
「…アンジェ?コレはなんだ?」
「弱点だよっ!!」
「……コレは?」
「コレはジャスティンの弱点!ジャスティンは、ピーマンが嫌いなんだよっ!」
「……」
「……」
「あとね?背を伸ばすために牛乳を毎日飲んで、よくお腹を壊すの!」
「デュオンは寝相がやたら綺麗で、寝たら中々起きないから、多少いたずらしても起きないんだよ!」
「…え?オレ、いたずらされてたの?…マジで?」
「リーヴァは胸がHカップあるの!逆にヒアはAカップで、ジャスティンと一緒に牛乳をいっぱい飲むの!」
「あらあら」
「きゃーーっ!」
「ルークは弓は得意だけど、球技は超下手くそなんだよ!」
「……」
「他にも、いろいろ弱点あるんだよ!」
「「「「…………」」」」
ふふん!
みんなビックリして絶句しちゃってるね!
そりゃそうだよね〜?
こんなちびっ子が、ちゃ〜んとスパイしてたんだから!!
「……ジャスティンよ」
「……はい」
「本当に世話をかけたな」
「はい」
え!?
どゆこと!?
「帰るぞ、アンジェ」
「え!?帰るの!?」
「……帰りたくないのか?」
ぅおっ!?
なんかいきなり怒った!?
いやいやいや!
そんなことないっ!!
帰りたいですっ!
今すぐ!
瞬時に!
瞬く間に帰りたいですっ!!
「か、帰る」
「なら、行くぞ」
コクコクと慌てて頷くと、瞬時に魔王の周囲に魔法陣が現れた。
「では、城で待ってる」
「はい」
「ばいばい。アンジェちゃん」
「もぅ勝手に出てくるなよ〜」
「またね?アンジェ」
「ガキはガキらしく、お家でネンネしてろ」
…ルークシバくっ!!
覚えてろよっ!?
「…アンジェ」
ん?
呼ばれて魔王様を見上げると、ニヤリと微笑まれた。
「帰ったら、お仕置きだ。」
ひぃぃぃっ!?
やっぱ残るぅぅぅっ!!
その後の魔王様の婚約者
「うぅ〜ヒドイよぅ」
「お前が悪い」
「うぅ…魔王様のばかぁ」
「オシオキすると言っただろう」
「だからって、一週間オヤツ抜きだなんてヒドイよぉ!しかも、勉強も倍になってるしぃ」
「俺が、お前がいない一週間、どれだけ心配したか分かってるのか」
「うぅ〜それは、ごめんなさいだけどぉ…だって、これ難しいし、お腹すいた…グスッ」
「はぁ…分かったよ。見てやからコッチこい」
「…オヤツ」
「…一口だけだからな」
「魔王様大好きっ」
「……(可愛いんだよ、バカが)」ボソッ
「え?なんか言った?」
「なんでもない。ほら、膝の上に来い」
「うんっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そうです。
アンジェがいなかったのは一週間だけです。
そしてオシオキは、あまあまな魔王様によって、うやむやになるのです(笑)