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前哨戦。



眉目秀麗。

文武両道。

才色兼備。


 こんな奴が身近にいたら物凄く、嫌味だ。はっきり言って妬みの対象にしかならない。

 しかもそれが幼馴染ときたら、いちいち比べられてしまって最悪だ。


 これで性格がかーなーりー良ければ、幼馴染であるわたし鈴原瑞希も間違いなく惚れていただろう。

 しかし、こいつにはたった一つの欠点があった。…いや汚点とも言うべきか。


「マイラヴァー瑞希~!!!」

「くるな、変態!!!」


 ヤツ、旗本聡里は幼馴染と言う名の変態だった。





「…待ち伏せストーカーは当たり前。

わたしが男子と話していると邪魔してくるし、おかげで恋の一つ二つも出来ない!!!」

「瑞希、恋するときは一つでしょ」

「なんか冷たくない!?」

 ぺらぺらと雑誌の頁を捲りながらわたしの話は聞き流しのこの人は、わたしの親友…だと思う…間違いなければ。

 キリッとした美人で少し冷たい印象を受ける人もいるかもしれないけど、わたしはそんな彼女、周防玲奈だから好きだ。

 たとえ、その冷静な表情の下でわたしのことを見て愉しんでいても。

「…彼のどこが悪いの?頭もよくて顔も良くて将来は絶対安定よ?」

「だーかーらー!!あの変態のところが嫌なのよ!!

この前なんか、わたしのいつ撮ったのか解らない隠し撮りを教科書に挟んでいるのを見たの!!」

「まあ、愛されてるのね」

「あーーー!!!もうっ!!」

 話が通じてない!!

 そう、あいつは、外面だけはいいから女の子にも男の子にも大人気。

 むしろ私がいつも悪者扱い。私の言い分なんて誰も聞いてはいないのだ。

「…まあまあ、鈴原」

「榊くん!」

 宥める様に割ってはいる声。

 分かってくれるのは榊くんだけよ!!

 なんで、あんな奴と親友なんかやってるのだろう。

 まったくもって謎ね。

「辰巳、その子のそれはいつものことよ」

 玲奈が雑誌から目を離さずにそう言った。

 ちなみに、玲奈と榊辰巳くんは彼氏彼女としてお付き合いしている。

 なんかタイプ違う感じなのに不思議かもと思っているのは私だけ?

「でも玲奈は聞いてないふりしてちゃんと聞いているよね」

「…何よ」

 ……前言撤回。

 この玲奈さえ黙らせる底知れない笑みは怖い。

 さすがはあの変態の親友をやっているだけはある。

 玲奈なんてそっぽむいちゃったし。

「……たーつーみー」

 はっ!?

 この底から出したような恨めしそうなワザとらしい声は!

「ああ、聡里」

「俺のマイスィートハニーと何話してんだよ!!」

「誰がマイスィートハニーだ!!」

 でた、変態!!!

 生まれたときからお隣で幼馴染でいつも成績でも何でも私の上を行く、イヤミ男!!

「いいんだ、ハニィ。そんなに照れなくても」

「照れてなんかなーい!!」

「僕と君が結ばれているなんて生まれる前から赤い糸で結ばれていたことさ!」

「だから人の話聞けー!!」





 だれかこいつを病院に連れてってください。

 心底、そう思う日々。




初投稿になります。

至らないところも多いですがよろしくお願いいたします。

そんなに変態にはならないとは思います…おそらく…。


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