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あの日聞こえた風鈴  作者: なとせ
第一幕 風鈴導く再会の音
1/15

プロローグ 風鈴の音に導かれ

久々の投稿

リハビリと方向の模索がてらの作品

多分、続く可能性もあり



第一幕


【風鈴導く再会の音】


プロローグ


『風鈴の音に導かれ』


どうぞ、お楽しみください

仕事終わり、いつものように会社からカバンを持ち、いつものように人ごみに紛れ、帰路につく。


そんな日常の一幕のなかでふと思った。


ーー風の声が聞こえなくなってもうどれくらい経つだろうか……。


コンクリートの隙間から伸びる草たちのざわめきも、

誰かがはしゃぐ声も、車の騒音も……

どれもただの”無機質なノイズ”にしか聞こえない。


いつから、こんなふうに音のない世界で生きるようになってしまったのか。


仕事は順調だ、残業もそれなりにあるが、それでもやりがいはある。

上司や同僚とも特別仲がいいというわけではないが、うまくやれていると思う。

こちらでできた友人も、いないわけじゃない。


けれどーーなぜか心のどこかが空白だった。


毎日が、砂のように指の隙間から零れ落ちていく、そんな感覚。

確かなものは、何も残っていない。


***************


ある朝、ふと目が覚めたとき。

何の前触れもなく、ただふと


私は思った。


ーー風、鳴ってたな。


夢の中で聞こえた。

風に揺れるあの、軽やかで、切なくて懐かしい


……風鈴の音。


それは、遠い昔。

まだ私が子供だった頃、少しの間だけ過ごしたある町で聞いた音だった。



……けれど、町の名前は思い出せない。

地図にも記録も残っていない。


けれど、確かに風鈴が揺れていた記憶だけは残っている。


その音を覚えているのは、私がそこで何かを失ってしまったからだろうか……

それとも、私の中で忘れてはいけない、大切なものが、今もどこかに残っているからだろうか……


ただ、あれは本当に現実だったのだろうか。

それすら確かめようがない。


***************


気が付けば私はカバンを手に、駅へと向かっていた。

計画なんて何もなかった。

定期に残っている運賃だけ確認して、

ただ、電車に乗っていた。


「次は......停車駅、......」


アナウンスは途中でかすれて、聞き取れなかった。


電車は緩やかに停まり、

私は、何かに導かれるように、ホームへ降り立つ。


無人駅だった。

駅名は古びた看板にかすれていて、読めない。


電車が走り去る。

その音が遠ざかっていき、世界が静寂に包まれる。


降りたった町はとても静かだった。


そこは、誰もいない商店街。

空き家の並ぶ通り。



町の空気は、どこか湿っぽく

まるで時間が停まっているような気がした。


音がなくなったせいか、自身の息を呑む音、心音でさえ響いているようだった。



……そして、


ーー風鈴の音が、聞こえた。


あぁ……あぁ、ここだ。


あの頃、私がほんの少しだけ過ごした町。

名も知らぬ、けれど確かに存在していた、記憶の町。


人の姿は見えず、時間の感覚はどこかぼやけていて。

現実とも、夢ともつかない、けれど「懐かしい」とだけは思える場所。


ふと口からこぼれていた。


「……風鈴町。」


それは、あの頃の私が、心の中で勝手に呼んでいたその名前だった。

町の名前も、場所もわからず、でもその音だけが記憶に残っていて。

だから私は、そう呼んでいた。



風鈴の町

誰にも知られず、

誰かの記憶の奥底にだけ、そっと息づく町。



その町に今、私はいる。


ーーあの風鈴の音に導かれるように




この場面、少しわかりにくい。


ここ、少し変じゃない?


ってところありましたら、ぜひ、コメントお願いいたします。


いいなと思ったら☆評価もいただけたら幸いです。


モチベがぐぐっと上がるので



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