第五話 牧野美羅
人に見つかりたくなくて誰もいない空き教室え移る
「でなに?、牧野さん」
「もう名前ですら呼んでくんないんだね、
私あの時のこと後悔しててずっと謝りたかったんだ、
でもあの状況で言えるタイミングがなかったの
その日謝ろうとして学校中探し回ってもいなかった、でも、」
「黙れよ!」
不穏だった空気が急に殺伐とした雰囲気となり一つの空間が静まり返る。
「なんで今更言うんだ?! 俺があの時どんな気持ちでお前に助けを求めたか! 俺はな、あの日死のうとしてたんだぞ!そんぐらい辛かった、誰かに相談したくてもする人がいない唯一の友達と言える人には見放されて、人の気持ちも分からずに俺の状況が少し変わっていい感じになったらごめん?
虫が良すぎるだろ?!」
「はーくんごめん、 そんなつもりじゃないの、」
「それに小さい頃3つの約束のこと覚えているか?、 一つ目の3人の中で一人でも困っていたら必ず助け ること。」
「うん、覚えているよ、」
「じゃあなんであの時俺を見捨てた?!そしてあいつらみたいにゴミを見るような目で見た?!
お前は知らないだけでも、俺は密かに約束を守り続けてきたんだよ、、」
「はーくん、とりあえず話そ?」
今にも泣きそうな美羅が俺の手をつかてんで訴えかけているが俺は振り解く。
「その呼び方もやめてくれないか?とにかく今は話す気にならない」
「待って、ねえ、お願い、」
そう言い俺は約束してた通りに物理講義室に向かう。
「うぅ、はーくん、どうしてもっと早く気づいてあげられなかったんだろう、」
「私はたまたま家が隣で昔はしーちゃんとはーくんの3人で公園で遊んでた記憶が染み付いている。
はーくんの印象はいかなる時にもずっと笑顔が絶えない人で私や雫ちゃんが困っていたら必ず助けてくれるヒーローみたいな存在だった。
そんなはーくんに憧れもあり密かに好意も寄せていたが自分の性格上、言葉や行動ができない性格でありどうしてもいつも周りに合わせてしまうタイプだった。
まえに友達同士の喧嘩があり内心は早くも仲直りさせたがったが結局どちらの味方もしてしまい最後には自分が標的にされていたが最後にははーくんが助けてくれた。どんな時でも今思うといつもはーくんが助けてくれた。
自分は本当に最低だ、昔から思いを寄せたにも関わらず一向に自分の気持ちを示さず、はーくんがガラッと雰囲気が変わってから他の子に取られたくなくて今になって言うなんて、いつも助けてくれて当たり前になって忘れていたが私はなんて最悪なことをしてしまったのかと今になって思う。
今思えば学年が上がるうちに昔に比べて元気がなくなり誰にも話すらしなくなっていた、
私はずっと支えられていたのに自分は何もしてあげられていなかったんだ。」
はーくんの事を思うだけで涙が止まらないうえ後悔やひどく自己嫌悪に陥っている。
*
「すまん、遅れた、」
「遅いよー何してたんだー?」
「ちょっと幼馴染と色々あってな」
いつにも増して元気がないな、そう言う時に私がいるんだ!
「ねえ!今から海いこ!」
「急にどうした、まあいいけど、」
「よおーし、決まり!」
すぐさま駅に向かい学校から遠く離れた海辺へ着いた。
「だいぶ遠かったな、」
「遠いけどね私の中では一番の絶景なのぜひ颯くんに見てもらいたいかな、もうすぐ着くから目隠すね!」
如月の手がそっと触れる。いい匂いがし緊張する。
「まだか?」
「もう着くよ、いくよ?、はい!」
正直な気持ちたかが海を眺めるだけに過ぎないと思っていたが、目を開けた瞬間、夕日の海遠くに見える鳥居が相まって思わず心を奪われる。
「凄いな、こんなの見た事ない。」
「でしょ笑」
俺の反応を見るやすごく嬉しそうだ。
「でその幼馴染と何があったの?」
「まあかくかくしかじかで」
「そっかそんなことがあったのね、やっぱ私とすごく似てる笑。私もこうやって変われて今まで馬鹿にしてきた男子にすぐに告られたの、私は言ってやった、あんたのおかげで変われたと私はあんた達みたいな真似はしたくないから何も言うことがないよと爽快に振ってやったわ、あの絶望した顔を思い出しただけでも頑張ってよかったとすごく思う。だから颯くんも自分の気持ちに納得する事をしな!」
「分かった。気持ちがだいぶ楽になったよ、とりあえず今はこの景色を楽しみたい。」
「そーだねせっかく美女と二人きりの夕焼け絶景なん だし!」
「そうだな笑」
そういいそのまま景色を眺めすぐ夜になり家に帰った。
*
翌日
「颯くん!おはよう!」
「びっくりした如月か急に背中叩くなよ、おはよ」
「颯くんなんで早く歩くの!せっかく会ったんだし 一緒に登校しようよー」
「一緒に行ったら変な誤解生むだろそれに俺学年全員 から嫌な噂あるし如月にも迷惑かけるし、」
「もおー、あんたそれでも男?私はそんなの気にしな いし!」
「ちょ、あんまくっつくな」
「颯?」
またもや昨日同様に馴染みのある声に嫌気がさす
「近藤、」
「なに笑、少しかっこよくなったからってもう女連れ
ちゃって笑。
「あの出来事があり言葉が出ない、」
「あなた誰?」
如月が怒った様子で問いかけている。こんな如月を見るのは初めてだ。
「誰ってそこにいる数少ない親友の近藤雫ですけ
ど?」
「さっきから聞いていれば颯くんを馬鹿にした言い方して!」
「もういいんだ!やめてくれ!」
「颯くん?」
そういい俺は如月の手を掴み急いでこの場から逃げる。
「ちょ、待ちなさいよ、」