あぁ、余りにも短い
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
夏休み最終日に残った宿題を見ている気分です。
GW最終日である。そして今日という日が終わろうとしている。私はそんな最終日に思い切り縋り付きながら、絶叫しそうな今を噛み締めていた。
「では、大型連休を終えた今の気持ちをどうぞ」
彼は椅子にちょこんと腰掛けながら、静かに口角を上げた。鮮やかな黒目が肯定的な意見を絶対としている。其れを覆す様で気が引けるが。
「虚しい」
「あら」
昨日まで『明日があるさ』とか言いながら過ごして来た日々は最後を迎え、迫り来る現実を直視する為に、私は身構えている。二日も十日も差して変わらない。光陰矢の如し。兎にも角にも一瞬にして終わった。けれども計画的に過ごした方が良いかと言われればそうではなく、やはり心にゆとりがないと楽しめないとも痛感している。
「楽しかったよ。楽しかった。でも計画立てるのは向いてない。時間制限があると、其ればかりを気にしていた。結局一番満ち足りていたのは今日だった。
何でもなく喫茶店入って、何でもなく博物館を訪れて、何でもなく神社でお叱り受けて、何でもなく珈琲を嗜むのが一番向いていた」
他の人から見れば、今日という日は、別の日に比べて余り充実したとは言い難いかも知れない。でも一番心が安らいだ。体に負担をかけなかった。一つ一つを吟味して味わえたと思った。
皮肉なものだ。あれだけ沢山の物を見たのに、結局はのんびりすることが一番だなんて。
「あぁ、余りにも短い……。まだ、沢山吟味したい。時間が足りない……」
「今が楽しくないと、明日はもっと楽しくないよ。楽しめる事があるのはいい事だ。余り悲観しないように」
そう言うと、突っ伏したままの私の髪にそっと触れる。そうされると、あの我武者羅な時間までも肯定された様で、少しだけ気分が安らいだ。
「また、来週。来週だよ。そうしたらまた君の時間だ。次は何をするの? 何を見るの? 何を聞くの? 何を味わうの? 何を嗅ぐの? 今からゆっくり考えれば良い」
それから静かで静謐な時が流れ続けた。夕暮れだけが私達を照らしていた。
良かった事
前回、入ろう入ろうと思っていたお店に突っ込めた事。
悪かった事
時間気にし過ぎて、吟味出来なかったこと。
あと早歩きキッツい。筋肉痛です。
こんな感じですかね。
そんなこんなで夢のような休日が終わりを迎えようとしてます。ホームシックならぬ、ホリデーシックです。
それでもまた月日は巡るので、幻想奇譚のツツジの話が、龍神の社にてが、昨日のことの様に思い出せるので、明日も頑張って生きます。
次は何処へ行きましょうか。