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episode97〜異様〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。


カヌア達はカブラからの報告によって、只今都へと馬を走らせていた。


その途中、カヌアはずっと気になっていた事を聞いた。


「ウィル様…ここ最近都が騒がしかったですよね?実際に見てはなかったのですが、フラフィー達の気配を感じていました。前にはそのような事一切なかったのに…一体何があったんでしょうか?」


「そうだな。最近都の方で民達が、不思議な行動をしているとの報告があがってはいたんだ。しかしどうも原因がわからなくてな…」


ウィルも少し困惑したような顔をして言った。


「不思議な光景…?」


カヌアは先程のカブラの言動が、気になってしょうがなかった。


「ある者は、どこから何かを運んできては積み、ある者はその積んだ物を意味もなく、都の至る所に置くという行動をしているらしい。本当に何が起こっているんだか…」


ウィルは険しい顔をして言う。


「う〜ん…確かにそれは不思議な行動ですね。それにしても意味もなく…ですか?それって本当に意味がないんですかね…その異様な行動は私には何か…意味があるような気がします。実際に見ないと分かりませんが、今起こっている、その…カブラ様の言っているその…そ、その、先程言っていた光景とも関係ないんでしょうかね?」


カヌアは先程のカブラの言動が、気になって気になってしょうがなかった。


「ん?あぁ、それはわからないが…とりあえず見てみないことには何とも言えないな。先を急ごう!」


ウィルはそう言うと、急いで都へと馬を走らせた。


そして都へと到着したカヌア達は、その異様な行動と光景を目の当たりにした。


「こ、これは…何でこんな事をしているんだ?本当にこれに意味があるのか?カヌ…」


とウィルは言おうとしたが、カヌアがちょっぴりカブラを睨みつけていたので言葉を抑えた。


ほんとちょっぴり…


民達は都中の空いていた壁の穴や道の穴などを、石や土などのありとあらゆる物を使用し塞いでいたのだ。


カブラの言っていたように穴という穴を。


そう…穴という穴に…である。


「…………」


(カブラ様…言い方よ…もっと良い言い方があったでしょうに…なんて紛らわしい…それにしても…良かった…)


何が良かったなのか。


そこでカヌアとウィルは、更に不穏なモノを目にした。


二人にしか見えない、そのフラフィーを。


そのフラフィー達は異様な行動をしていた者にのみ、ついていた。


黒いのだ。


普段は白いはずのフラフィーが黒い。


これは以前一度だけ見た事があった。


そう…サルミニアの双子の王子達が、大会後の社交界で剣を交えた時だ。


その時と同じような真っ黒のフラフィー達がそこにいた。


半数とまではいかないが、それなりにいる。


「あの人達に話を聞いてみましょう」


とカヌアは異様な行動をしていた民を指して言う。


「あっカヌア様!その者達に話しかけても、表情一つ変えずに何も応えませんよ?」


カブラがそう言ったが、それでもカヌアはその民に近づいて言葉をかけた。


「あの、何故このようなことされているんですか?」


「……」


案の定、無言のまま反応がない。


「……」


すると力が抜けたように、カヌアも無言のままその場に立ちつくした。


その姿を見ていたウィル達は、どうしたのかと不思議に思っていた。


しかし次の瞬間、カヌアがある言葉を民に放ったと思ったら、突如その手を止めて民は我に返った。


「私は一体…」


「ん?なんだ?変だな?まるで何も覚えていないような…?」

と呟くウィル。


更にウィルの眼には、その者のフラフィーが白色に戻っているのが視えていた。


カヌアに近寄るウィル。


「カヌア…今のは一体…何か言ったのか?」


と言いながらカヌアを見た。


「カヌ…ア…その眼は…」


ウィルが見たカヌアのその眼は、左だけ緑色に光っていたのだ。


カヌアはウィルに話しかけられて、我に返った。


そして、それと共に瞳も元に戻る。


「え…?ウィル様?私…今…何を…?何かしたんでしょうか?一瞬目の前が…いや誰かに意識を持ってかれたような…」


「……あぁ、おそらくカヌアが何かを言った瞬間、その民は意識を戻し異様な行動をやめたんだが…覚えていないんだな?」


「え?私が…?何かを…?…覚えて…ん?いや、覚えてます…私、覚えてます!多分、多分ですけど、今その方に言った言葉は…‘ヤメヨ‘…?だったような」


「その行動をやめろ…ということか…?」


「おそらくですが…それでやめたんですよね?一体誰が…誰かが私の中に…」


少し震えるカヌアの肩を、優しく摩るウィル。


「無理はしなくていい。王宮に戻って休め。あとは俺たちが…」


そう言おうとしたウィルを制して、カヌアが言った。


「いえっ!その言葉でその方を止めたのであれば、その行動全体をとめる術があると言うことです!更には理由もわかるかもっ!私もまだここに残ります!一緒に調べます!」


「いや、でも…わかった。だが本当に無理はするな…」


カヌアはウィルのその言葉の重みを理解し、真剣に頷いた。


カヌアは異様な行動をしている一人一人に声をかけた。


かけ続けた。


しかし、どの民も全員先程と同じ反応で、その度にカヌアの左眼が緑色に光り、例の言葉を放ったと思ったら、我に返りフラフィーも白色に戻るという繰り返しだった。


さすがにカヌアの鬼のような体力も底を尽きそうだった。


壁にもたれ、尋常じゃない汗を流すカヌア。


「カヌアッ!もうここまでにしろ!これ以上は本当に倒れてしまうぞ!無茶をしすぎだ」


ウィルが見るに耐えないというような顔をして言う。


「は…い。確かに…これ以上は…この人数を全員どうにかできるような体力がもう…力不足でごめんなさい…ウィル様…」


息も途切れ途切れになりながら、カヌアは言った。


「何を言っ…」


ドクンッ!!


カヌアを援護しようとしたウィルだったが、今度は自分がおかしいことに気が付く。


(眼の奥が熱い。何だこれは…目の前が真っ暗に……二つの…輪…)


そのままウィルの意識が飛んだ。


すると、ウィルがその場で何かを言い放った。


おそらくカヌアと同じような言葉だったろうか。


カヌアはその言葉をしっかりと耳にしていた。


そして今度はウィルの眼の異常に、カヌアは反応した。


(え…?ウィ…ル様?眼が…眼が二重の輪に光って…あれって)


そして、次の瞬間だ。


異様な行動をしていた民達全員が、一斉にその手を止めて我に返ったのだ。


そう全員が。


そうして、すぐにウィルの意識も戻った。


「今のは一体…」


そう言ったウィルは、力が抜けたようにその場に腰を下ろした。


力なく近寄るカヌア。


「ウィル様!!大丈夫ですか!?今のは…」


「あぁ自分でも何が何だか…おそらくカヌアと同じ事をしたようだな…こんなの…こんなの初めてだ」


ウィルが動揺しながら言う。


そして、焦ったカブラが二人に駆け寄って言った。


「ウィル様!今のは一体…顔色が思わしくありません…民達の状況はこちらで確認します。後のことはお任せください。お二人は王宮に戻れられお休みを…」


「あぁ…そうさせてもらう。一応都だけでなく、他の街の確認もして欲しい。範囲が広くなってすまないが…後のことはよろしく頼む」


ウィルはそう言うと、カヌアと共にその場を後にした。


そしてレグ達は従者にお願いして、二人で迎えの馬車に乗って王宮へと戻った。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。

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