episode94〜心当たる人物〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
「なるほど…ではやはりウィル様も昨夜、丘の遺跡で何故倒れてしっまったのかは不明ってことですね…気が付いた時には部屋のベッドにいたと…それに…」
そう言うカヌアの言葉に頷きながら、ウィルは考えるように言った。
「あぁそれに恐らく、カヌアが見た時と同時刻に、同じような夢を俺も見ていた。しかし全く同じということではないとなると、対になっているのか…それとも…」
「とりあえず、何かが繋がっているのは確かですよね。その夢に必ず意味がある…」
するとカヌアは、ウィルの顔をジッと見た。
同じ事を考えているのか、ウィルもジッと見つめる。
二人は頷いた。
「探さないとですね。この国にあるのか…」
「それとも他の国にあるのか…」
「どこにあるのかわかりませんが、その部屋は必ず存在していると思います」
「そうだな。…気になっていたんだが、部屋には窓などの光が入るようなものが、見当たらなかった気がするんだが…そこはもしかして地下にあるんじゃないか?」
ウィルがそう言うと、カヌアは思い出すように頭の中の記憶を歩いた。
昨夜の事もだが、それより更に前の記憶も戻り始めた。
「ん?地下…確かに…地下?あ…」
ウィルがどうした?と言う顔をカヌアに向けた。
「私…心当たりが一人、いや二人?いややっぱり一人か…あー二人かな?」
「ん?どっちだ?」
困惑気味にウィルが聞いた。
「とりあえず心当たりの強い方の所へと、行ってみましょう!」
「あ、でもウィル様はサルミニアの例のコインの件の調査や、大会後で公務的にも色々お疲れでしょうから、私一人でも…」
カヌアが気を遣ってそう言うと、ウィルは少しムッとして言った。
「いや!二人の問題だろ?一緒にやらないと意味がない!だから一人でなんて行かせない」
(そうなのかな?ん?てか二人の問題?まぁ確かに。でも何で私とウィル様だけが、何度も同じような出来事に合ってるんだろ?他に誰かいるのかな…?)
とカヌアは引っ掛かりがあったものの、今夜はもう遅いので部屋に帰ろうと席を立ち言った。
「そうですね!夜分遅くになってしまいましたので、明日から行動しましょう。では…」
すると、ウィルがカヌアの手を引き止めるように、優しく握った。
「カヌア…今夜も一緒に…」
「え?今夜はもう大丈夫ですよね!?万が一、どぉうしてもの時は呼んでいただいても構いませんが。ふふふ」
そのままカヌアはあっさり部屋を後にした。
「…ダメか…」
悲しみの表情を浮かべるウィル。
今がもうその、‘万が一‘だとでも言えば良かったのに…
そして翌日、地下室への心当たり一人目の所へと、足を運んだ。
「どこに向かっているんだ?遠い場所にあるのなら…」
「ここです!」
カヌアが指差すそこは、王宮の中にある弓術場であった。
大会も終わり、今ではもう人の出入りは以前よりも少ない。
しかし、中には未だ熱心に通っている人もいる。
(いっるかな〜いっるかなぁ?)
「……あっ!リビド指南!」
そこにはリビドの姿があった。
「カヌア?それにウィル…殿下まで?」
と言いながら、こちらに向かって歩いてくるリビド。
その不自然な反応にウィルは言った。
「無理に敬称で呼ばなくてもいい」
(そういえばこの2人って…小さい頃からの知り合いだったんだよね。幼馴染か)
カヌアがそう思いながら、ニヤニヤして眺めていた。
「あぁ、わかった。それよりどうした?もう大会は終わったのに。それにウィルまでついてくるなんて」
話し方が少し緩くなったリビドがそう聞くと、ウィルが応えた。
「別について来たんじゃなくて‘一緒に‘来たんだ。ここに用があってな…それでカヌア、例の心当たりの人物はいたのか?」
「あっ、はい…それが見当たらないんですよ。リビド指南、最近ノゥリアはここにいらしてます?」
「カヌア、もう大会は終わったんだ。リビドでいい。それにしてもノゥリアか?いや、大会中までは来ていたが、最近は見かけてないな。彼女がどうかしたのか?」
「そうですか。う〜ん、ノゥリアが、どこに住んでるか知っていたりは…?」
「すまんが、知らないな」
「そうですか…ありがとうございます。ウィル様残念ですが、ここにはいませんでした」
残念がるカヌアを見て、ウィルは聞いた。
「その、ノゥリアってのは…元々の知り合いなのか?」
「あ、ここで知り合って、色々と弓を教えてもらったりしていました。すんごく弓が上手なんですよ!確か、暗い地下に住んでるって、以前言ってた気がするんですよねぇ。だからそれを確かめたくて。う〜んそれにしても、最近来ていないとなると…どうしよっかな〜?ウィル様、どうしましょう…」
すると、ウィルは一瞬不満そうな顔をしたが、すぐに気を取り直して言った。
「そう言う事なら仕方ない。一応使いの者に調べさせよう。それにしても、カヌアに弓を教えてた奴って…」
「リビドさん!ありがとうございます!また弓術の方教えて下さいね!」
カヌア達が立ち去ろうとした時、神妙な面持ちでいたウィルを、リビドが何やら呼び止めていた。
そして、一言程耳打ちをすると、ウィルの顔が明るい表情になった。
カヌアの元へと駆け寄ってきたウィル。
「どうしたんです?」
カヌアが聞くと、ウィルは平然を装い聞いた。
「いや、何でもない。それより、ノゥリアとは女性らしいな?俺はてっきり…」
「てっきり?」
「おと、こかと…」
「ん?とっても可愛い女の子ですよ?そういえばウィル様とリビドさんって、幼馴染なんですよね?とても仲良さそうだったんで。彼の歯は…」
カヌアはいつもの気になっていることを聞いた。
「あぁ、そうだ。あいつは昔から、歯が白い…」
(やっぱり…あれは昔からなんだ)
「この後はどうする?そのいるかいないかの二人目とやらの所は?」
ウィルがそう提案すると、カヌアはそれに賛同した。
「そうですねぇ…あまり期待はできませんが、ノゥリアの手がかりが今はないので、行ってみましょうか?」
そして二人は、望みが薄いがもう一人の、心当たりの人物の元へと足を運ぶことにした。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。
大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。




