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episode93〜今です〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



昨夜の遺跡での出来事からの不思議な夢。


カヌアとウィルの二人だけが体験した、出来事から一夜が明けた。


今朝、その事について話そうと思っていたのだが、カヌアの腹の虫が雄叫びをあげたため、ちょっぴり延期された。


更に本日は、大会の参加者である各国の王子達が、帰国するという日なので、お見送りをしなければならなかった。


二人はまた夜にと、再度話し合う約束をした。


その別れ際にカヌアは言っておきたい事があったため、ウィルを呼び止めた。


「ウィル様…あの、昨日は酷いこと言ってごめんなさい。あんな失礼な言い方をするなんて、打首ものですよね…嫌だって言ったのは、ウィル様の事が嫌とかでは決してないんです!むしろこんな私をいつも優しく見守って下さり、とても感謝しております。ただ…私にはそのような大役を全うするような力も覚悟も無く…」


カヌアが自分の気持ちを弁明している最中、ウィルがガッと力強く抱きしめた。


「そう…だったのか!良かった!本当に…良かった!嫌われたのかと思った!」


カヌアは驚いて、これ以上は言葉が出なかった。


「ではまた後で」


ウィルは気分上々のまま、先を急いだ。



そして、次々と支度を終えた各国の王子達が、陛下やウィルへの挨拶を終え、カヌアの元にも来てくれた。


「カヌアさんっ!寂しいっ!」

「楽しかったよ!カヌアさんっ!」


サルミニアの双子の王子達が寂しそうにして言う。


「今度はうちの国にも遊びに来てね!」

「絶対だよ!約束!約束ね!」


すると、二人はカヌアの両脇に来て、片方ずつの頬に同時にキスをした。


カヌアは一瞬照れたが、すぐに笑顔になり二人を見送った。



「僕達の事、早く見分けられるようになったら良いね!」

「一生無理じゃない?」


「そうかも!ふふふ」

「まぁいっか!ふふ」


双子は見送られながら、遠くの方でそう話していた。


そんなカヌア達を見ていたオメオクス国の王子、エダリヤがその両頬を拭った。


「カヌア…俺にも約束してくれ。また会えると。そして、俺の元へ…」


「あ、嫁ぐ気は毛頭ありません。…ふふ、でもまた会えると約束はします!道中、お気を付けてお帰り下さいね!」


カヌアは笑顔でエダリヤに言った。


しかし、せっかくエダリヤが拭ったカヌアの頬はルヒトによって上塗りされた。


彼が左の頬にキスを仕掛けて来たのだ。


カヌアは手でその部分を触りながら言った。


「ごきげんよう、ルヒト様。何だか積極性が増しましたね。でも、私は…」


「聞こえない…その言葉はいくら言っても僕には聞こえないよ?だから、必ずモノにして見せるから覚悟しておいてね。必ず君を食べに来る」


「たっ!食べにって!獣じゃないん…」


(いや。男は全員狼か…そしたら、狩るのみ…)


ハンターにジョブチェンジしようとしていた。


そんなルヒトも見送ると、カヌアは何か違和感があった。


(あれ?なんか誰か忘れてるような…まっいっか…)


「おい!お前!今俺を忘れてなかったか?まぁいっかとか思ってなかったか?」


後ろからハグしながら、耳元で言うキルラ。


カヌアは咄嗟に殺気を帯びた。


「まぁまぁまぁまぁ、そんなに威嚇するなよ。それにしてもひでぇなぁ?裸を見た中じゃ…」


「勝手に見せつけられただけなんですけどぉ……あれ?キルラ様はお帰りにならないんで?」


「あぁ、ちょっと問題が起こってな…少し滞在を伸ばさせてもらった。だからもう少し構ってあげられるぞ?」


「あ、間に合っております」


冷たく言い放つカヌア。


「ところで問題というのは、聞いてもいいやつ?」


「あぁ…実は妻の一人がな、二日程前からいなくなったんだ…」


「えっ!?えぇ!?夜逃げ?逃げられたの!?大変じゃん!!」


「あ、いや…多分そういうのじゃ…ちゃんと愛情は与えてた方だと…それに、全ての荷物が残ってるんだ。変だと思い捜索はさせてるんだが、なんせ知らない土地だから探すのに難航してて…」


いつもは見せないような表情で、キルラは心配そうに言う。


「そう…それはウィル様は知ってるの?」


「あぁ、最初は心配させまいと言わずにいたのだが、流石に丸二日も見つからないとなると、助けが欲しいと先程申し出たところだ」


「なら、百人力ね!私にも何か手伝える事があれば言ってね!」


(カヌアのウィルへの信頼は絶大だな…)


キルラはそう思いながらも、カヌアへの愛情表現をやめない。


「そうか、では早速今夜から共に寝…」


キルラの脚がもげそうなほど踏まれていた。


悶絶するキルラに華麗に挨拶をして、カヌアはその場を後にした。


そして、その夜。


中々ウィルからのお呼びがかからない。


カヌアは昨夜あまり眠れなかった事もあり、既に寝る準備までしてしまった。


今日は忙しくてもう呼ばれないのかと思っていたその時、部屋の扉が叩く音がした。


従者の一人、ワイムが迎えに来たのだ。


「あれ?ワイム?」


カヌアが寝巻き姿だったので、少し目線を逸らして言った。


「ウィル様が自室の前でお待ちです。その、何か羽織るものを…」


「あ、うん!今日はもう呼ばれないのかと思って、寝る寸前だったよぉ!上着ね!上着上着っと…あ、これでいいや」


そう言うとカヌアはブランケットを軽く羽織って、ワイムと一緒に部屋を出た。


ウィルの元へと行く途中、カヌアはワイムに聞いた。


「それにしても随分遅かったのね!やはり色々と問題が出て来て、お忙しかったのかしら?てか何で自室の前?何か知ってる?ワイム?」


「あぁ、それは…俺の口からは…とてもじゃないけど言えません」


(かなり大きな問題発生か?)


少し不安な気持ちで廊下を歩いていると、ワイムの言う通り部屋の前にウィルの姿が見えた。


ウィルは何だか気まずそうにしながら、そこに立っていたのだ。


その状況を見て、不思議に思うカヌア。


(ん?ウィル様?自分の部屋なのに、何で中にいないんだろ?)


するとウィルが、カヌアの姿を見つけこちらへと来た。


「すまない。随分と遅くなってしまったな」


「いえ、それは大丈夫なのですが、部屋の前にいるなんて珍しいですね?何か問題でもあったんですか?」


カヌアがそう聞くと、ウィルは少し濁すような言い方をした。


「あぁ、ちょっとな…いや、少し…もっとだな。この問題は俺の手では…」


自分の部屋を何故か見るウィル。


カヌアは気になり部屋の中を、首を伸ばして見ようとした。


「あ、いや、今は…行かない方が…!」


すると中から女性の怒る声と共に、啜り泣く声が聞こえた。


それを受け止めているのは、側近であるカブラであった。


(何事!?あの後ろ姿は…え!?ニーナ様!?)


カヌアは首がもげるのではないかと言うくらいの勢いで、ウィルを見た。


ウィルは困ったように首を振る。


(男女のもつれ?!修羅場!?)


聞き耳を立てるカヌア。


やっちゃいけないとはわかっているが、カヌアの魂がそうしろと言っている。


「……っ何でですか!?…約束しましたよね!私の時にって!話が違うじゃないですかっ!」


「あ、はい…ですからニーナ様の時ももちろん…」


ニーナの問いに、カブラが気まずそうに応えている。


「違うんです!それじゃあ意味がないんですっ!最初に出てしまったらそうれはもう…そういうことになり得ますよね!?そのお相手の方がもし勘違いして、その先にまで発展してしまったらどうするんですか!?いやっ!もう既にその可能性大ですわっ!」


その止められないニーナの言葉に、カブラは冷や汗をかいているのか黙ったままだ。


ニーナは続ける。


「何故わかってくれないんですか!?私は…私はこんなに…こんなにもカブラ様を…ぅ…わっぁぁぁぁあんっ!」


そのままニーナは部屋から飛び出して、走っていってしまった。


(おい…おいおいおいおいおいおい!何やらかしてんねんっ!追いかけろ)


カヌアは見て見ぬ振りのできない、その性格を大いに活かした。


バンッと部屋へと入るカヌアは、カブラの元へと近づいて言った。


「早くっ!一歩前で間違えたのなら、その一歩後で補えばいいんです!いえ、何歩後だっていい。何もしないのが一番いけないっ!追いっかけてっ!」


カヌアは人差し指を扉に向かって突き差す。


「カヌア様…何か誤解をなさってるようですが…わたくしはそのような立場ではございません…ニーナ様にはまた後でお話しして、納得していただくのが…」 


カブラは顔を伏せたまま言った。


「わかるっ!!その気持ちすんっごくわかりますっ!」


カヌアのその言葉にカブラは、え?という顔をした。


「でも、後先考えるのはその後でいいんです!今っ!いっまっ!やらないと後悔することの方が大きいんですよっ!さぁっ!行って行って!!」


カヌアはカブラの背中をバンッと、思いっきり叩いて促した。

肝っ玉である。


そう言われたカブラは、走って部屋を出た。


それを見ていたウィルは、微笑んで言った。


「はぁ、さすがだな」


「それで一体何の話をしてたんです?」


「え?知らないで言ってたのか?…今日カブラが、今度のデビュタントのパートナーをある令嬢からお願いされて受けたらしいんだ。あいつは多分何も考えずに引き受けたんだろうな…しかしその話がすぐにニーナの耳に入って…何年も前から自分の時は絶対パートナーにって言ってたらしいんだが…今回の件で頭に血が登って…今に至った。あいつはカブラのことを相当慕っているからな…」


「ニーナ様が怒るのは当然です。それほど愛が大きいんですね!カブラ様は幸せすぎます!それなのにあんなに鈍感だったなんて!信じられません!」


少し怒り気味のカヌアを見て、ウィルは驚いていた。


(どの口が言っているんだ?)


「まぁ…あの二人なら大丈夫だろう…とりあえず、昨夜の話をしよう」


ウィルがそう言うと、二人はテーブルのある椅子へと移動して、昨日の出来事を整理する事にした。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。

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