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episode84〜コイン〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



カヌアとリアスの二人は場所を移動して、テラスのある中庭でお茶をすることにした。


途中、可愛い使用人のリリィに、お茶菓子と紅茶を持ってきてもらうようにお願いした。


カヌアは紅茶をすすりながら、単刀直入にリアスに聞いた。


「あのぅ…お二人に一体何があったんですか?最近全然一緒にいませんよね?あんなに仲がよろしかったのになぜ?」


すると、リアスは暗い面持ちで口を開いた。


「さっきはあんな言い方しちゃってごめんね…でも…レアスは何にもわかってないんだ!話さえも聞いてくれない!…あの日馬の鐙が外れていたのは、僕がやったと思っているんだ


「えっ!?まさかっ!?そんなわけ…」


「そう!そんなわけないんだよ!!あの日の夜…レアスが僕にこれを…突きつけてきたんだ…」


リアスはポケットから、あるものを出してきた。


「こ、これは…っ!」


(ん?何だコレ?コイン?見た事ない)


カヌアにはそれが何を示しているのか、全くわからなかった。

なのに、わかるような口ぶりで雰囲気だけ醸し出したのだ。


「これは、サルミニア国の王家のコインだよ。ほら、ここに紋章があるでしょ?これがレアスの鐙に挟まっていたらしいんだ。それで僕がやったんじゃないかって…」


レアスはそのコインを見せながら、カヌアに言った。


「綺麗な紋章ですね。このコインはリアス様の物ですか?」


カヌアがそう言うと、リアスは否定した。


「違うよ、僕のじゃない。ほら、ここに二枚入ってるでしょ?僕はちゃんとケースに閉まってるから…確かに王族しか持ち得ないはずなんだけど…」


「それをリアス様に、ちゃんと伝えればわかってもらえるんじゃ…?」


「何度も言ったよ!でも聞く耳を持ってくれないんだ!他にも持っていたかもしれないだろって…しかも、僕が前日の夜にリアスの馬に、会いに行ってたんじゃないかって問い詰められて…誰かから、その事を聞いたみたいで…僕会いになんか行ってないのに…」


悲しい表情でそう言うリアス。


カヌアは何か変だと思い、コインについて色々と質問をした。


「そうですか…このコインが王族以外に、持ってる可能性はあるんでしょうか?」


「今はほとんどないと思う。ただ以前は都でも使われてたから、もしかしたら昔商いをやってる人だったら持ってるかもしれないね。でも…何年か前に王族のコインが、裏で高く取引されてるって事があって、その時に取り締まりをして流通しないようにしたから、本当に持ってる人はごく僅かじゃないかな?」


「なるほど。今のコインと王族のコインの刻印以外で、他に違いはあるんですか?」


「うん、作りが少し違うかな?今のコインは全て亜鉛で出来ているんだけど、王族のコインは周りがシリコンブロンズっていう合金で出来ているんだ」


「その違いって…刻印以外で見た目でわかるんですか?色とか大きさとか…?」


「色も形も同じように作っていたから、僕達でも刻印がなかったら見分けがつかないかも…微妙に重さが違うから、わかる人にはわかるとは思うけどね。あとはかなりの高熱で溶かせば、溶ける早さで違いがわかるかな?それで温度を調節して、亜鉛だけが溶ける温度にすれば、シリコンブロンズはその温度では溶けないから、それでわかる可能性はあるよ」


(なるほど…それにしてもリアス様、幼く見えるけどさすがは一国の王子、きちんと説明ができてる)


それを踏まえ、カヌアは更に質問を続けた。


「うーん…でも何故、このコインを置く必要があったんですかね?わざわざリアス様をら犯人に仕立てあげるなんて…」


「それは…もしかしたら昔、どこかの国では、王家での双子の継承者は不吉っていう言い伝えがあって、それを信じている者が、僕達のことをよく思ってないのかも…」


「その仕向けた人は、お二人の仲違いが目的…って事ですか?』


(二人に限ってそんな事しても無駄なのに…いや、まぁでも実際に喧嘩しちゃってるしな…どうにかしないと…それにしても何か引っかかる…)


カヌアは疑問が拭えずにいた。


「そのコイン…気になりますね…すごく…」


カヌアはリアスが手に持つ、その怪しい王家のコインを見ながら言った。


「何か意図があるんでしょうか?」


リアスはん?、という顔をしながら、カヌアの考えを読めないでいた。


そしてやはり心が暗くなっているのは、片割れのことである。


「はぁ…僕達…仲直りできるなのかな?今まで一度だって喧嘩なんかしたことないのに…」


そう肩を落とすリアス。


カヌアは居た堪れなくなって、彼の肩をガシッと掴んだ。

そして女性の握力とは思えないほどの力で、彼の身体を引き寄せた。


「大丈夫大丈夫!私も一緒に掛け合ってみます!」


カヌアは再び、彼が一国の王子である事を忘れかけていた。

謎の母性が発動した。


そしてこの件が気になったカヌアは、その日の夜にすぐにウィルに相談しに行った。


「そうか、確かにそれは気になる…こちらで早急に調べさせよう」


そう言うウィルを頼りに思いながらも、じーっと見つめるカヌア。


その視線に気が付き、ウィルは首を傾げた。


「あ、あの…ウィル様、この間のことなんですけど…」


「この間の…あ…」


ウィルはカヌアが、何が言いたいのか気づいたらしく、顔を赤くする。


「あ、あれは不慮の事故だったので、わざとではなく…本当に申し訳ござ…」


カヌアがそう弁明しようとしたら、ウィルが遮って言った。


「事故?確かに気持ちが伴ってないと意味がないよな?まぁ事故でなくする事もできるのだが?」


意地悪そうに微笑むウィル。


カヌアはえ?と言って後ずさりをした後、挨拶をして即座に部屋を後にした。


(何すか?あの表情…マジで何考えてるんだかわからん…)


とカヌアは顔を真っ赤にして、部屋までの廊下を早足で歩いた。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。

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