表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/134

episode83〜双方の想い〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。


カヌアは昨日の出来事が頭の中で、エンドレスリピート状態だった。


(全っっ然眠れなかったぁ…あぁ、ヤバい…血圧が上がらない…)


カヌアはぼぉ〜っとしながら、弓術部門の会場へと向かった。


すると、この種目の優勝候補である、スプルミア国のルヒト王子が話しかけてきた。


「カヌア、おはよう!ん?何だか元気ないね…少し顔色も…大丈夫?」


心配してくれているルヒトを見て、カヌアは閃いて言った。


「おはようございます。ルヒト様。実は少し寝不足で…あ、あの、例の粉を頂けませんか?あれがあれば、私はすぐに元気になれるのですが…」


危ない用語連発である。

前世だったら逮捕モノだ。


「ん?あぁこの間飲んだ漢方薬だね?本当は飲み続けないと効果は中々現れないんだけど…それで気分が良くなるならどうぞ」


そう言って渡してくれた。


カヌアはそれを飲むと、少しずつ調子を取り戻していった。


「ありがとうございます。これで弓術だけに集中できます!」


「ん?弓術だけ…に?他に何か雑念があるのかな?」


ニコッと笑いながらカヌアのおでこを優しく突くルヒト。


(ヴ…ヤバい蘇ってきた…)


カヌアはそう思ったが、気を取り直して言った。


「いえ!弓術のことしか考えておりません。ウフフフフフフフフフフフ」


そう?と言ってルヒトは笑っていた。


(フラフィーが怪しんでいる…あれは、絶対に誰にも言えないよ…墓場まで持って行くんだから)


カヌアは冥土の土産が一つ増えた。


そして弓術部門の初戦が始まった。


参加者百人が、一人ずつ遠くの的へと当てるというルールだ。


単純ではあるが、そう簡単ではない。


初日は人数が多いこともあり、六箇所の的が準備されていた。


明日の二回戦には、その高得点者上位五十名が進むこととなる。


そして勝ち上がるにつれて、的の大きさが小さくなる。

それだけなく、距離も遠くなるのだ。

中々高度である。


さて、次々と皆が弓を射る中、カヌアの番が来た。


今のカヌアには自信しかなかった。


なぜなら、黄金の左手を手に入れたからである。


ただ単に本人が勝手にそう呼んでいるだけでるが。


意気揚々と位置へとつくカヌア。


そして射る。


続けて射る。


さらに射っていく。


予想通りすっかりモノにしたその手は、全ての的を射ることに成功した。


(はぁ〜んっ!楽しい!)


カヌアは満面の笑みで、今日を終えた。


それにしても、カヌアは先程から気になっていることが二つある。


一つは、朝からウィルの姿が見えないことだ。


昨日の一件もあり、ウィルのことは気にしないように、そして考えないようにしてはいた。

しかし、出場するはずの競技にいないとなると話は別だ。


心配御無用。

それは初戦の終盤にかけて、なくなっていくのであった。


おそらくカブラが手回ししたのか、体調を考慮して最後の方に順番を回してもらったのだ。


カヌアはその姿を見て少しホッとした。


それと同時にウィルの唇に目が行き、昨日の事を思い出して赤くなる。


それでもどうしても目がいってしまう。


(こんなこと今まで一度もなかったのに…)


カヌアはその姿を、見つめないではいられなくなっていた。


弓を難なく引き終わったウィルは、ひと息つくと振り返った。


その瞬間カヌアと目が合う。


(アガガガガガガガガ…どうしよう…こっちに来る…)


カヌアが超動揺していると、ウィルが照れたように見つめてきた。


「カヌア…弓術は上手くいったか?」


「はい!昨日の発見で、この黄金の左手を手に入れたのでばっちりです!」


カヌアは左手を高らかに掲げた。


その姿を見て、ウィルは緊張がほぐれたのかクスッと笑って言った。


「そうか。それは何より。だがまだその黄金じゃない方の右手は、完全には治ってはないんだろ?だからあまり無理…」


「無理はしないように…ですね。ふふふふ」


カヌアも少し普通通りに戻ってきたのか、いつものようにウィルの口癖を真似た。


二人はふふふと笑い合って互いを見た。


そのまま互いの唇を見てしまった。


すると、みるみるうちに双方の顔が真っ赤になっていく。


それを終始見ていたカブラは、微笑ましい顔をしていたが、フラフィーはもどかしがっていた。


そしてまだ病み上がりのウィルは、少し名残惜しそうにしながらもらカブラに連れられてすぐに自室へと戻っていった。


そしてカヌアの気になることは、もう一つ。


それは先日の馬術競技から、サルミニア国の双子の王子達の様子が変だということだった。


(レアス様の鐙が外れていた一件から、あの二人が一緒にいるところ見てないな…あんなに仲良かったのに…え?もしや喧嘩?)


カヌアは心の中のモヤモヤが少しずつ…いや急激に大きくなっていった。


こうなるとカヌアは止められない。


お節介モード発動である。


カヌアはすぐさま双子の一人へと、駆け寄って話を聞いた。


「こんにちわ!一回戦お疲れ様でした!」


「あっ!カヌアさん、やっぱり弓術は難しいね!」


彼は普段と変わらないように接してくれる。


しかし、カヌアには視えていた。


彼のフラフィーが元気ないのを。


カヌアは踏み込んで聞いてみた。


「あの…お二人の間に何かあったんですか?最近一緒にいるのを見てないもので…喧嘩…とか?」


すると彼の顔色が急に曇る。


「…リアスのことはもう知らない。何であんなこと…もう何も信じられないよ…」


その言葉を聞いてカヌアは困惑した。


(…っ!?おいっ!何があった!?)


そして同時にある確信も得た。


(こっちがレアス様か…)


すると、少し離れたところから視線を感じた。


こっちを見ていたのはリアス様だった。


フラフィーは悲しそうである。


カヌアはもう少し踏み込んで聞いてみようと思ったが、今日は疲れちゃったからと言われたので、挨拶をして聞くのを諦めた。


そして、今度はそれを見ていたリアスがカヌアに声をかけてきた。


「カヌアさん…あいつ…レアスと今何を話してたの?」


(あぁ、気になるよねぇ、ねぇ、見てたもんねぇ)


カヌアは、そのままの事を伝えた。


それを聞いたリアスは、機嫌が悪くなったように言った。


「何をもって、あいつはそんな事を言ってるんだ!?人の話なんか全然聞いてくれないじゃないか!!あいつなんて…大っ嫌いだっ!!」


カヌアは、リアスの心が暗くなるのを感じた。


(これはマズイな…手遅れになる前に何とかしないと)


怒って立ち去ろうとしたリアスをカヌアは引き止めた。


「リアス様っ!少し…少し私と…えぇとお茶しません?」


カヌアはニコッと笑って、誘った。


恐らくリアスも言いたいことが溜まってたのか、誰かに聞いてもらいたかったのか、カヌアの誘いに素直に乗った。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ