episode78〜エウネの策略〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
先程ウィルとの食事を終えたカヌア。
そして今、エウネの手によって、何やら次のステップへの準備を施されているらしい。
わけがわからぬまま、されるがまま、あっという間に夜の支度へと変身させられていた。
(お化粧も綺麗に落としてくれてる!パックもされてエステに来たみたい。最高だな!)
カヌアは喜んでいたが、数分後に感情が崩壊される事態へと陥る。
そしてまた同じ道を歩きながら、カヌアは疑問を投げかけた。
「あの、エウネ様は何故王宮から離れたここを、お住まいとされているのですか?」
「ふふ、気になるわよね!私、こんな性格だから、あまり王宮の暮らしに馴染めなくて…とっても素敵な旦那様に出会ってここで暮らしているの」
(こんな性格?王女様らしい性格に見えるけど…)
カヌアは不思議に思った。
「この間はごめんなさいね。少しキツイ言い方で失礼だったわよね。ウィルが中々良い人を見つけなくて、姉としてはとても心配だったの。そんな時にあなたの事を聞いて、色々知りたくなってしまったのよ。でも、その後二人が深い中だって聞いて安心したの。ウィルの事よろしくね」
「…は、い…」
そう言われて、カヌアは歯切れの悪い返事をした。
頭の中が以下のように、ぐちゃぐちゃの思考になっていたからだ。
(……ん?待って…?中々良い人イコール私?二人が深い中?どちら様のお二人?え?どのくらい?それに何をよろしくすれば良いの?どこ情報?あ、デマ?デマか!?王女様は騙されているのか!?誰だ!誰がそんな…)
「さぁ!カヌアさん?着いたわよ。ん?あれ?大丈夫?心配しないで。ウィルはああ見えてとっても優しいから、ね!」
エウネはそう言うと、扉を開けた。
(コノヒト、ナニヲ、イッテイル?)
カヌアはわからなくなった。
「ではごゆっくり〜うふふふふふふふふ」
エウネはすぐに、扉を閉めて去って行った。
カヌアはその意気揚々とした扉の閉まる音で、我に返った。
「え?誰と?誰が?ごゆっくり?」
そう言いながら、目の前にいたウィルの顔を見たカヌア。
「あぁ。まぁ、そういうことだ…」
ウィルは少し困惑している。
「ちょっ!?ど、どうゆうことですか!?えっ!?何で!?どうして!?ま、まさか…えっ!?ウィル様はこれでいいんですか!?こんな私となんかと眠れます!?私、寝相悪いですよ!?もしかしたら蹴り飛ばすかも…それはマズイ。い、今からでも変更を…」
部屋から出ようとするカヌアの腕を掴んだウィル。
「いや…俺が言うのも何だが、あの人はやると言ったら必ずやる。あの扉を開けてみろ…」
ウィルが諦めたようにそう言うと、カヌアは部屋のドアノブを捻った。
(えぇん…出れない…鍵がかかっているぅ。くそっやられた!)
「エウネ様はどうしてこんな…ん?…必ずやる?な、何を!?え!?何をさせる気です!?」
カヌアは顔が真っ赤になって言う。
ウィルはゆっくりと近づくと口を開いた。
「カヌア…俺はカヌアを大事に思ってる。大丈夫だ。何もしないから。安心して…」
更に顔が赤くなるカヌアの顔を見て、ウィルもだんだん恥ずかしくなったようだ。
二人の顔は、同じくらい赤くなっていた。
「わ、かりました…エウネ様の企みに乗りましょう!ここで断れば機嫌を損ね…無礼に当たります。私がひと肌脱ぎましょう!」
カヌアは比喩的にそう言ったのだが、それがウィルにはどストレートに聞こえてしまった。
そのせいでウィルはしゃがみ込んでしまった。
「え!?あ、ウィル様?大丈夫ですか?」
ウィルに近づき、その背中をさするカヌア。
「そうだ!ウィル様!?芋!お芋です!隣にお芋さんがいると思って眠れば良いんですよ!そうっ!意識するからダメなんですよ!これは言わば試練!」
カヌアはどうにか紛らわそうと提案をした。
「あぁ、そうかもな…本当に試練だ」
言いながら自己と戦うウィル。
(試練…理性を保てるかのな…)
「しかし、俺はそれでも…やっぱりめちゃくちゃ意識してしまう…カヌアだからな…」
カヌアを見つめるウィル。
目を離さない。
(え…私だから…?)
カヌアは胸の鼓動が速くなっていくのを感じた。
ドクンッ
ドクンッ
さらに心臓の音が大きくなっていくのがわかる。
カタ…カタカタカタガタガタッ
(ん?)
カヌアは部屋の異変に気が付いた。
と次の瞬間、ウィルがカヌアを頭から覆い被さってテーブルの下に身を隠した。
地震だ。
かなり揺れている。
本棚から何冊か本か落ちた。
さほど大きな被害はなく、程なくして収まった。
二人は様子を伺いながら、テーブルから身体を起こした。
「大丈夫か?怪我は?」
「何とも無いです。今のは…地震?こんなに大きな地震って、今までありましたっけ?」
「いや、こんなのは初めてだな…何か変だ」
ウィルは考え込むように言った。
すると、部屋の鍵が開いた音がした。
「まだ大丈夫よね…」
そろ〜と扉を開けながら入ってきたのは、エウネであった。
すぐ側にカブラの姿もある。
「お取り込み中失礼ます。ウィル様お怪我はありませんか?」
(何を取り込んでるって?)
カヌアはカブラの言葉が引っかかったが、ウィルは気にせず応える。
「あぁ、大事ない。それより今の地震は…」
「そうですね。早急に調べさせてご報告します。外に警備の者をつけさせますので、どうぞゆっくりと…?あ、いえご満足いただけるまで…お休み下さい。それでは失礼致します」
(お、おい。何を言っている。変なこと吹き込むなよ。あたしゃすぐ寝るぞ)
「そうですね!ウィル様、明日もお早いですしもう寝ましょう!」
そう言うと、カヌアはさっさとベッドへ入った。
少し寂しそうなウィルの顔は、見なかったことにした。
翌朝目が覚めると、既にウィルはベッドからいなくなっていた。
彼は昨晩、中々寝付けなかったらしく、ソファーでうなだれて座っていた。
「ウィル様おはようございます。ん?顔色があまりよろしくないようですが、大丈夫ですか?温かいお飲み物でもお持ちしましょうか?」
「………」
(この人は本当に危ういな…俺だったから良かったものの…いや、俺も危なかった…)
ウィルは一晩中悶々と考えすぎて、寝不足に陥っていた。
無言のウィルを心配に思い、近づこうとするカヌア。
しかしウィルはそれを制して言った。
「あぁ、大丈夫だ。それより着替えて朝食にしよう。姉上の所へ…」
そう言うと、外にいた護衛にカヌアを託した。
(ん?なんか様子が変だったな?…まっいっか!)
カヌアは不思議に思いながらも、着替えに行った。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。
大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。




