episode75〜馬術部門開始〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
大会は、第三競技目に突入した。
それは馬術による騎馬戦、障害物、宝玉探し、森林リレー、弓馬の五項目である。
一回戦進む毎に、項目が変わっていくのだ。
馬術部門に限り、各国十人ずつの出場に絞られている。
その中でこの種目における優勝候補は、サルミニア国のレアス、リアスの双子の王子達である。
二人のダブルプレイは、馬との一体感がとにかくすごいらしい。
いよいよ最初の種目、騎馬戦が始まろうとしていた。
初戦であるこの種目は、全五十人で行われる。
各五人ずつ二十五名での戦いを、二部に分けて行われるのだ。
ルールは自国以外の、相手の肩についてる国旗入りのワッペンを取り合うというものだ。
取るのは一つのみ。
それを持って場外へと捌ける。
簡単だが、馬に乗りながらなので中々難しい。
カヌアはというと…
例のごとく、レグへの愛情が爆発していた。
それは馬も困惑するほどである。
「レグゥ〜!シャァシャシャシャシャシャッ!可愛い可愛い!いよいよねっ!頑張ろうね!無理はしないでね!でもねでもね、優勝あるのみだよ?わかる?わかるよね?私達なら取れるよね?ねっ!?」
すると、それをドン引きで見ていたカヌアの兄レイル。
側に来て言った。
「お前…この馬術で何の項目があるのか、わかって言ってるのか?」
「ちょっと待って!兄様?それじゃあまるで、私が優勝なんてできないって言ってるようなもんじゃないですか!何があるっていうんですか!!」
「やはりか…知らないで挑んでるな…一回戦毎にやる種目は変わっていくんだ。騎馬戦、障害物、宝玉探し、森林リレーに最後の決勝戦には弓馬がある。弓だぞ!ゆ!み!」
「へ?弓?あぁ、ゆみ…ユミデスカ…………」
(ん?)
急に静かになったカヌアを、不思議に思ったレイル。
それが秒で不信感へとなる。
「フッフフフフフフフフフフ…兄様?私の弓の技術舐めてませんか!?この数ヶ月間!私の急成長ぶりを目の当たりになることになりますよっ!その時はちゃんと、ギャフンと言ってくださいね!フッ、ギャフンとね」
(え?何言ってるんだこいつ。こんな性格だったか?育て方間違えたか?)
レイルは魔物みたいな目をしている自分の妹が、恐ろしくなった。
さて、カヌアはこの騎馬戦の前半戦から出場である。
各々が位置につく。
半端にならないように前半戦は二十四名、後半は二十六名で行われる。
パァーッン!
開始の合図がなった。
(よし!来い!そして行くぞ!)
カヌアは意気込んだ。
「………」
(なぜ誰も来ない。なぜ全員離れる?)
「………」
(チッ…こんなんじゃ勝負にならんわ!お前ら全員覚悟しとけよ…絶対奪い取ってやるからなっ!)
カヌアは本来の目的を忘れ、その目は獲物を狙うハンターのそれだった。
なぜ、皆がカヌアに近づかないのか…それは…
武術部門を思い出して欲しい。
あれが原因である。
全員食われると思っている。
そして、カヌアに狙われた獲物が見つかった。
三秒後、カヌアの獲物となった哀れな彼。
その手には、彼の国の国旗が描かれたワッペンが、掴まれていた。
そして速攻、次の獲物へ牙をむきそうになったカヌアを制したのは、言うまでもなく兄レイルであった。
競技終了後、レグにお礼を言って撫で撫でして、更に撫で撫でして、レグがうんざりし始めた頃…サヨナラを言ってカヌアは部屋に戻った。
馬術の全種目終了後には、レグがげっそりしている未来が目に視える。
翌日、早朝から愛情どっぷりの挨拶をレグにしたカヌア。
レイルに呼ばれ、障害物の確認をしにある部屋へと向かっていた。
「来たか…」
いうレイルの横には、ウィルの姿もあった。
「あれ?ウィル様?どうしてここに?あ!もしかしてぇ対策会議ですね!ウィル様もお兄様に?」
「いや…」
いや!ウィルの頭の中には完璧に障害物が入っていた。
カヌアが危なくないように、その分も全て。
全部。オールだ!
この二回戦の障害物は、結構危険な物が多い。
そのため今朝方、各国の代表者一名ずつが、確最終認をしに行っていたのだ。
これはルール上、各国の選手達に教えてもいいということになっている。
同国の他の選手には、カブラから伝えてもらっている。
ウィルはカヌア専属で教えるつもりで、ここに来た。
レイルはウィルをチラッと見て説明した。
「とりあえず、ウィル様が今朝方に代表として下見をしに行ったんだ。そこでどんな障害があるのか、注意点などを今から伝える。よーーーく覚えておくように!」
「はいっ!レイル先生!ウィル先生、よろしくお願いします」
元気よく返事をするカヌア。
(先生という響きも悪くない…)
ウィルはまた危ない思考が蘇ってきていた。
そうして、鬼教師と心配性の教師のアメとムチ授業が始まった。
その後、教示を受け終えたカヌアは、二回戦目の馬術会場へと向かっていた。
しかし、みっちり朝から二時間も叩き込まれたカヌアは、げっそりしていた。
(朝から疲れた…てか何であそこまで教え込まれなければならなかったのかしら?)
そう思いながらカヌアはレグに乗っていた。
ここはグランシャリオ王都から、北に位置する山である。
その名もケーフ山脈。
肌寒い風が吹いている中、カヌアはその場で唖然としていた。
(何これ?岩ですか?聞いてはいたけど…想像力が足りなかったかしら?え?てかこれ今朝に一度、ウィル様達ここに見にきてるんだよね?)
確かにここまでは、各国の代表者が確認しにきていた。
‘ここまでは‘である。
あとは図面での説明だったため、実際の障害物は見てはいない。
だが、ウィルはこの山脈を幼い頃から何度も登っているので、庭のように詳しかった。
そんなケーフ山脈を見上げていたカヌア。
(まぁ…何とかなるっしょ!)
少しずつ先程の講義が、頭から抜けていったのである。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。
大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。




