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episode55〜最終日の夜〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。


本日、アルガダ国滞在最終日。


今、カヌアはいつもとは少し違う見慣れないドレスを着用していた。


ドレスは元々好きではなかったが、年月が経つに連れ、少しは慣れてきてはいた。


しかし、この様なデザインのドレスは見慣れていないため、複雑な気持ちだった。


(はぁ…この国が用意してくれるって聞いてたから持ってこなくて楽だったんだけど…まさかこんな…ちょっと露出が…アルガダの特色なんだろうけど…こりゃ腹下すぞ?)


そして部屋で支度を終えたカヌア。


鮮やかな黄色の衣装にスパンコールが至る所にあしらわれていた。


すると扉を叩く音がしてカヌアが返事をすると、これまた自国とは違ったデザインの正装が目に入った。


ウィルが驚いてカヌアを見た。


「すごく…綺麗だ。少し生地が…あ、いやでもとても似合ってる。俺の目だけに留まらせておきたいくらいだ」


少し照れながらもちゃんと気持ちを伝えたウィル。


「いつも褒めて下さり、ありがとうございます。少し肌が見え過ぎですよね。恥ずかしい…」


そんなカヌアの手を取り、ウィルは幸せそうに会場へと向かった。


そして煌びやかな会場に着くと、この国独特の社交界が始まった。


アルガダ特有の音楽なのか、少しアレンジが効いていた。


まずは各王族達がパートナーと踊る。


もちろんウィルのパートナーはカヌアである。


アルガダの王子達は妻を娶っているので、正妻がそれに当たる。


それぞれが意気揚々と手を取り準備をする中、ある一組だけは違った。


ウィルの片手がカヌアの腰にくる。

それは何度もダンスでやっていること。

しかし何だかいつもとは違う。


「ん…」


カヌアが頬を染めてそう声を漏らすと、パートナーの顔が見る見るうちに真っ赤になった。


(手の温度が直接伝わる…恥ずかしい恥ずかし過ぎて死ねる…)


カヌアがそう思うのは、この国の衣装のせいだ。


そして、沸騰状態の二人はどぎまぎしながらも最後まで踊り終えた。


そうして、次の二曲目へ移ろうとしたその時、キルラがカヌアの元へとやって来た。


「カヌア、踊ろう!」


キルラらしい直球な誘い方には、カヌアも思わず笑って頷いた。


ウィルは少し複雑な顔をしたが、こういう場では茶飯事のこと。


少し離れたところで見守る…いや監視していた。


先ほどと同じように腰に直接触れられた。


(あれ?なんだろ?自然過ぎて何も感じないだけかな?女の扱いに慣れてるからか?)


カヌアはキルラに対しては一切照れることはなかった。


踊りながら、キルラは言う。


「聞いたぞカヌア!お前公爵家の令嬢なんだってな?あの振る舞いだと全然わからなかった」


「あの振る舞い…いや!どっからどう見ても令嬢じゃん!染み付いてるじゃん!」


と自然に笑顔が溢れた。


それは、彼のフラフィーが彼そのものだったから、正直な人だったからであろう。


そして、踊り終わって端へと捌ける。


しかしキルラはその手を離さなそうとはせず、握りしめたままだ。


そんな二人の元へすかさずウィルが来た。


そしてカヌアの細い手を自身の手の元へ移した。


更には後ろから片手をお腹へと回し、自身の身体へと引き寄せた。


「そろそろカヌアを返してもらう」


その大胆すぎる行動に周りも少し騒めく。


(私は物か!)


カヌアはそう思ったものの、少し嬉しくも感じた。


そしてカヌアが遠くの方で何やら見つけたので、ウィルと二人で向かった。


楽しくシャンパンタワーを見ている二人。


それを少し離れた所から眺めるキルラとカブラ。


「やはり…ウィルの心に決めてる女って…」


と言うキルラにカブラは応えた。


「ふふ、そうです。カヌア様ですよ。あの顔を見れば一目瞭然なのに…」


「鈍感娘か…あいつも大変だな」


キルラはほんの少し、ウィルの苦労がわかった気がした。


そして翌朝。

アルデリア王国へと帰国する日となった。


荷馬車などの準備を朝からして、やっと出発できる。


そこへキルラが見送りをしに、門まで来てくれていた。


「ウィル!気をつけて帰れよ!例の開催日が決まったら教えてくれ」


キルラが明るく言うと、ウィルも友の前だと少し口元が緩む。


「あぁ、世話になったな。それに関してはまた連絡する」


するとキルラはカヌアに近づき挨拶してきた。


「カヌア!また来いよ!まぁ今度は俺もアルデリアに行くからな!」


そう言うと、軽くカヌアの頬にキスをした。


(んなっ…!)


それを見たウィルは、すぐさま服の袖でその部位を拭った。


キルラ達に見送られて、アルガダ王国を後にした。


カヌアは久しぶりに、レグに乗れている喜びを噛み締めていた。


そして何時間か経って、またあの湖の近くを通る。


例の花模様のアザの男がいた場所だ。


するとカヌアは、アザの男があそこで何を見ていたのか気になり出した。


馬をカブラの元へと近づける。


「カブラ様、少し宜しいですか?私、アザの男があそこで何を見ていたのか、今一度確認したいと思っております。今は昼間ということもありますし、何か違う観点で見れるかもしれません」


カブラはウィル様に確認すると言い、馬を馬車へと近づけた。


確認を終えたカブラが、再びカヌアの元へとやってきて言った。


「ウィル様は、私が同行するならという条件で承諾して下さいました」


「はい!ありがとうございます。それでは参りましょう」


そう言って、カブラと二人で先日の湖へと言った。


そこには夜とは違ったまた美しい風景が広がっていた。


太陽の光が水面にキラキラと映る。


カヌア達はアザの男が立っていたであろう場所まで来ると、辺りを見回した。


「うーん、これと言って無いですねぇ」


カヌアが一人呟いていると、カブラがふと腕を上げて少し西の上の方を指差して言った。


「その男はもしかしてあちらの方を見ていたりしませんでしたか?」


「え?はい!そうです!ん?でも何で…?」


カヌアは不思議そうに聞いた。


「恐らくその男は月を見ていたのでは無いでしょうか?五日ほど前ですよね?確かその日は満月…?」


とカブラは推理したように言った。


「月?ただ月を見てただけ?たまたまだったんでしょうか?そして…月の光に負けないくらいのオレンジ色の光?うーん」


カヌアは頭の中が混乱していた。


そんなカヌアを見て、カブラは微笑みながら言った。


「カヌア様?ここで考えていてもきっと答えは出ませんよね?推測ではありますが、何を見ていたか確認はできましたので、一度ウィル様達の元へ戻りましょう」


カヌアはそう言われ、頷いた。


二人は馬を走らせ、アルデリア国へ戻る一行の元へと戻った。



ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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