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episode46〜出発の朝〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。




いよいよやってきた遠征の出発の日。


カヌアは大きめのボストンバックを斜めにかけている。

身体よりちょっぴり大きいくらいだ。


あれ?意外と小さいな?とお思いでしょう。


何故なら朝早くから、母アメリにこっぴどく言われたからだ。


なので仕方なく、本当に必要最低限の荷物を用意させられた。

というか、いらない物の方がほとんどだったので、不用品を抜かれたのである。


でも女子って何かと必要でしょ?

なのでそれなりに荷物は大きい。

しかし、これでもかーなーり減らされた方だ。


こうしてカヌアは最小限の荷物に、武道用と剣舞用の二種類の剣を持って、家族に見送られた。


(お父様達、泣いてたなぁ…かなり…レイル兄様とロイド兄様も遠征に行くの知ってるよね?)


王宮に向かうその足を進めながらカヌアは思った。


そう、父ラスファと四男ミルサは今生の別れのように号泣していたのだ。


そんな家族を微笑ましく思いながら、王宮に着くとすぐに異変に気が付いた。


(ん?あれ?なぜだ?)


そこには誰もいなかった。


(今日だよね?場所間違えた?時間……あ…)


ふと遠くに見える時計塔を見たカヌア。


そう彼女は集合時間を一時間ほど間違えていたのである。


早めにと思い、三十分ほど前に屋敷を出て来ていたのだ。

よって実質一時間半以上前に着いてしまっていた。


(しまった…まぁ遅れるよりかはいいか)


そう思いながら、遠くに見える時計塔から目が離せなくなっていた。


(もう一回確認したいな)


カヌアは時間があったので、昨夜行った庭園の時計塔へと足を運んだ。


今度は明るい所で、例の彫り絵をもう一度見たいと思ったからだ。


時計塔のある場所まで来ると、昨日の出来事が脳裏に浮かんだ。


(だだだだだだだだっ!だっ!)


カヌアは謎の呪文でかき消した。


そして昨日の絵を確認するために、時計塔の裏へと回った。


(やっぱりこの絵、トゥバンの丘のと似ている…それにあの夢で見たのとも…)


そこには、蛇のような模様が二重に螺旋状を記されていた。


(本…あの夢に出てきた本がどこかに…)


すると後ろから、美しい声が聞こえた。


「…が気になる?」


振り向くとそこにいたのは、以前ウィルの部屋から出てきた美しい巻き髪の女性だった。


(確かこの人…ウィル様の部屋から出て来た…私の素性を探ってるっていう…)


カヌアは少し警戒した。


「あなた、この時計塔が気になる?」


彼女は無表情に言うが、フラフィーは和かにしている。


「はい、昨日初めて拝見したのですが、この造りに何だか強く惹かれて…精巧な造りですよね?とても美しいです」


とカヌアは彫り絵には触れずに、時計塔について話した。


すると彼女の表情は変わらないままだが、フラフィーがとても嬉しそうに舞っている。


その美しい女性は少し笑みを浮かべて話し始めた。


「この時計塔はね、クロノスの塔と言って、このアルデリア国の創設者であるプレヌリュヌ・ルネ・アルデリア女王が造らせたものなの。本当に美しいでしょう?」


そう言うや否や、今度は急に質疑応答の時間へと切り替わった。


「それで?あなたはウィルとどう言う関係なの?彼をどう思っているの?愛情表現をし合う間柄?あの子すんごく感情不器用だからちゃんと伝わっているのかしら?それに…」


(こ、この人、私の話聞く気あるのかな?これは尋問?てか、ウィルって…呼び捨て…ん?あれ?この人って…)


カヌアが怒涛の質問を受け止めきれずにいる中、その女性は何かに気が付いて言った。


「あら?何だか門の方が騒がしくなって来たわね。アルガダ王国への遠征の集まりかしら?確か今日って言ってたわ…」


「あっ!もうこんな時間!申し訳ございません!わたくし、遠征に同行しますので、もう行かないと!大変!置いてかれちゃう!失礼しますっ!」


そう言うと、カヌアは慌ただしくその場を後にした。


(そうそう。あの子も遠征に行くのよね…遠征中にちゃんとできるかしら?ふふふ)


何かを思いながらその女性は、カヌアの背中を見つめていた。


その様子を向こうからカブラが見ていたようで、挨拶しながら駆け寄った。


「カブラ様!おはようございます!」


「おはようございますカヌア様。あちらでエウネ様と何を話されてたのですか?何もされてないですか?大丈夫ですか?」


カブラは何がそんなに心配なのかというくらい聞いてきた。


「ちょちょっと待って下さい、カブラ様!私はあの方に何も意地悪されてませんし、むしろとても楽しく…?ん?え?エウネ様?と仰るのですか?確かあの方、前に私のことを探ってると言う方ですよね?一体どういうお方なのですか?」


「あの方はこの国の第一王女であるエウネ・ルネ・アルデリア様ですよ。おそらくウィル様の件で、カヌア様を調べていたのではないかと…」


「やっぱり!話し方が王女様のそれでした!ウィル様のお姉様ってことですもんね」


(あはーん、なるほどね、だから私のことを…ん?何で私のことを?…そうか、ウィル様の近くをうろつく怪しい小娘はそりゃ調べるか、弟のことが心配なのね!でも…今話した感じはそんなに…それにフラフィーだって)


すると、遠くの方から集合の合図がかかった。


いよいよ出発だ!


アルガダ王国は、アルデリア王国の南東に位置する友好国である。

教科書的には主従関係的な事が書いてあるが、実際は仲良しこよしな関係らしい。


確かにアルデリア国王は、威圧的な性格のお方ではない。

ましてや従わせる様なそんな横暴ではない。


カヌアはそんな陛下が大好きである。


そして、今回の遠征ではもちろん大好きな彼も一緒だ。


王宮での愛馬ことレグである。


「うふふん。レーグー久しぶりぃー!きゃわわわわわわわぁー」


気持ち悪いカヌア再来である。

レグも若干引いてるが、あの日の出来事からカヌアを信頼したようで、心身ともに許してくれている。


そんなカヌアにゆっくり忍び寄る足。


すると肩に手がかかった。

振り向くと、この国の麗しき王子がそこに立っていた。


しかし、何故か顔が赤い…朝から赤らめているのだ。


「あ、カヌアおはよう。その昨日は、大丈夫だった…か?」


と言うウィル。


昨日はグイグイし過ぎて、恥ずかしくなっていたようだ。


(アマリ、オモイダシタクナイヨ)


そう思いながらも、カヌアは元気よく挨拶した。


「あ、おはようございますウィル様!とてもいい天気ですね!遠征にはピッタリです!昨日はあの後屋敷に戻って今日のための準備をしました!」


昨夜の時計塔での出来事には、一切触れなかった。


(昨日のこと、ウィル様は照れていらっしゃるのか?カヌア様にはやり過ぎるくらいじゃないと気づいてもらえないのに…いや、待てよ?あの様子だとあそこまでされても気づいてない可能性があるな。これはもう既成事実を作るしか…しかし、この遠征中にできるか?)


カブラはまたしても余計なことで頭を悩ましていた。


そんな二人をよそに、カヌアはある事が気になっていた。


(そうだ!ウィル様なら時計塔の彫り物のこと何か知ってるかもしれない)


すると、カヌアはもう少しウィルに近づいた。


「ウィル様、わたくし少しお聞きしたい事がございます。時計塔のことで…」


とカヌアが言うと、ウィルは更に顔が真っ赤になり頷いた。


(時計塔?昨日の時計塔での出来事についてってことか?)


「わかった。遠征中どこかで時間を作ろう」


……そうです。

ウィルはもちろん勘違いしてます。


カヌアは時計塔のことでと言ったのに対し、ウィルは時計塔のとこでと聞き間違えていたのです。


まぁこの二人の勘違いは茶飯事なので、心配はいらないであろう。


あぁ、何事もなければいいのだが…そうはいかないのがこの物語。


さぁアルガダ王国へと出発です。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。


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