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episode44〜個人レッスン?〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



そして、時の流れは早いもので、遠征まであと一週間と迫っていた。


カヌアは申し訳ない気持ちで、早朝の厩通いと他の武道には行かずに、剣舞に集中する日々を送っていた。


なぜなら、この九人の中で一番足を引っ張っていたからである。


剣の方はそれはもう目を瞑ってでもできるほどの腕前だったが、舞いの方はてんでダメであった。


(ヤバいヤバいヤバい。あんなに意気揚々とやるって宣言したのに、本番で足引っ張ってたら、あっちの国の王様怒っちゃうよね。てか…最悪争いが…ヤバい…激ヤバ)


悪い妄想が膨らむカヌアは、撃沈していた。


それに比べ、サラはというと、見事な舞いと剣を融合させてほぼ完璧な剣舞を習得していた。


‘ほぼ‘の残りは‘笑み‘である。

それがあれば完璧であるということだ。


メインである女性二人は、魅了するようなスマイルが欲しいらしい。


カヌアはそれにさえ達していないが…そして、男性陣は全員が経験者であった。


(男子のフラフィーがめっちゃ不安がっとる…これはもう夜も特訓すべし!リュカ様に場所借りれるか聞いてみよう)


と練習後、リュカの元へと駆け寄った。


「リュカ様、本日もご指導ありがとうございました。あの…少しばかりご相談がございまして…」


と気まずそうに言うカヌアに、リュカは優しい微笑みをかけてくれる。


「ご覧の通り、私は現状まだ剣舞をものにできておりません。もう遠征まであと一週間しかないのに…これじゃあ皆さんの足を引っ張ってしまいます。もし、本番うまくいかなかったら、最悪、争いとかになり…ませんかね?」


(あぁぁー何最悪なこと言ってるんだ私!違う違う!そんな事が言いたいんじゃないのよ!何で今、戦が出てくる!?)


カヌアはネガティブが発動して、言動がおかしな方向に行ってしまった。


しかし、リュカはそんなカヌアに普通に接してくれる。

いや、普通以上に…近いのである。


「うん。確かにまだ自信があるようには見えないかな。それで練習の場所を夜も借りたいんだね?一人でやるつもりなの?」


「はい、そう…ですね。個人的にやりたいので場所だけお借りできればと…」


とカヌアが言い終わる前に、リュカがすかさず制止してきた。


人差し指をカヌアの唇に当てて口を封じたのである。

あざとい。


「それはダメだよ。女の子が夜遅くに一人でこんなところにいたら危ないでしょ?俺も付き合うのが条件かな」


とリュカはそう言いながら、今度はその人差し指を自分の唇に当てた。

あざとすぎる…


カヌアはかぁーっと顔が赤くになった。


「は…い。わ、かりました。リュカ様の大切なお時間を私なんかのために割いて下さり、とても心苦しいのですが…どうかよろしくお願いします」


と深々とカヌアはお礼を言った。


リュカは何だか嬉しそうに微笑んでいる。


「あ、ではすみませんが、一度本日の報告をしにウィル様の元へと行って参りますね」


とカヌアが言うと、リュカのフラフィーが悲しい顔をしたのが見えた。


しかし、カヌアは剣舞のことで頭がいっぱいだったため、急いでウィルの元へと向かった。


公務室の扉を叩くとカブラが顔を出し、中へ通してくれた。


最近は剣舞のみだが、一応この報告は欠かしていない。


報告を終えると、事の成り行きを説明し、今夜からリュカと共に剣舞の個人レッスンをすることになったと話した。


すると、言わずもがなウィルの顔色が変わった。


「二人だけでか?」


とウィルは聞く。


(え?なんか怒ってる?怒ってますよね?)


「はい…一人で行いますと言ったのですが、夜は危ないからと言って、リュカ様もついて下さることになりました…」


と恐る恐るカヌアは言った。


「却下!」


(え?ええええぇぇぇ!?私の話聞いてた?マジでヤバいんだって!)


とカヌアは思いもよらぬ言動に焦る。


「あ、あの、わた、私、本当に剣舞が追いつけてなくてですね。もし争いなんかが勃発したら、もう責任が負えるとか負えないとかそういう…」


カヌアは非常にパニックになっていた。

説得する力さえ失っていたのだ。


「いや、すまない…理由があるのも、カヌアが一生懸命なのも重々承知だ。俺が言いたいのは…つまり、その…」


とウィルが口籠もっていると、側で見ていたカブラがすかさずフォローしてくれた。


「つまり、兄さん…リュカとは二人きりはダメだと言うことです。弟の私が言うのも何ですけど、彼は危険です。蜘蛛のような、そんな男です。彼は‘男‘なんですよ?カヌア様」


と念を押すようにカブラは言う。


(ちょっと意味わからないけど、ダメなのか…)


「は…い…では、うーん、私はどうすれば…」


と落ち込み始めたカヌアを見て、可哀想になったのかウィルが提案してきた。


「それでは、他の者も同行させるのはどうだろう?俺が行っても…」


「そうですね!ウィル様は遠征前で、とっても公務が溜まっております。引き継ぎや、遠征先で必要な打ち合わせ、それにまだまだございます。ですので、演奏者を何人か用意させましょう。そうすれば本番同様に、思う存分練習できます!ね!それがいい!そうしましょう!カヌア様」


とすかさず手厳しいが、優秀な側近の顔を見せてきた。


カヌアはその提案に、それはもう明るい笑顔で賛同した。


「はいっ!素晴らしい提案ですね!カブラ様!演奏付きで練習できるなんて贅沢すぎて申し訳ないくらいです。でも私、頑張りますね!絶対本番までに仕上げて成功させて見せます!」


とカヌアはお礼を言った。


こうしてウィルの思惑も、リュカの思惑も優秀なカブラによって握り潰されたのである。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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