episode43〜剣と舞い〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
本日から剣舞の稽古が始まる。
何人いるのか、それとも自分一人なのか…カヌアは胸を躍らせながらその場所へと赴く。
稽古の内容は最初は室内で行い、のちに屋外へと場所を移し剣を交えてやるとのこと。
集合場所へ行くと、数えられる程しか人はいなかった。
(一、二、三...七、男の人が七人…えー女子いないのかー)
そうカヌアが残念がっていると、更にもう一人入って来た。
(この匂いは…)
と変態すぎる嗅覚で振り向くと、そこにいたのはサラであった。
「ギャーー!サラァァア!サラも?サラもやるの?剣舞?」
完全に素になっているカヌアが、サラに飛びついた。
(ギャ?今ギャーって言ったよね?)
そう驚いてはいたが、サラは物凄く嬉しかった…というより、カヌアが剣舞をやるのは前から知っていたのだ。
そうです、レイルから聞いていたのです。
「カヌア!一緒に頑張ろうね!」
前向きに声をかけるサラ。
(でも、レイル兄様に止められなかったのかしら?)
とカヌア。
(レイルさんには止められたけど…)
とサラ。
フラフィーが若干動揺しているのに、カヌアはもちろん気が付いてはいたが、目を瞑った。
指導者が来るまで二人はお喋りをして待っていた。
「ねぇねぇ、サラは剣舞ってやったことあるの?」
カヌアがそう聞くと、サラは恥ずかしそうに応えた。
「うん、小さな頃に少しだけ…でももうほとんど覚えてないかな」
「そうなんだ!私は全くだから一からだよぉ。先生ってどんな人なんだろうね?」
カヌアが聞くと、サラは首を傾げて言った。
「あれ?聞いてない?って言うか剣舞界ではすごい有名な方だと思ってたんだけど…」
すると、部屋の扉が開いた。
そこから入って来たのは世にも美しい女性…にも間違えられるほどの麗しさの持ち主、リュカであった。
(え!?リュカ様?)
リュカは優雅に歩いてきた。
カヌアに気が付くと微笑みを向けてきた。
ペコッと軽く頭を下げるカヌア。
「皆様、ごきげんよう。今回アルガダ王国の遠征による剣舞の指導を担当します、リュカ・ユウ・デリューシアと申します。以後お見知り置きを」
と、綺麗な所作で挨拶をした。
参加者の男性達が、一瞬心を掴まれそうになった。
「さて、今回はここにいる男性七名、女性二名の計九名で構成して行います。相手国に披露するためのものですから、一人も欠けてはなりません。遠征まであと一カ月、全員気持ちを一つにするつもりで心がけて臨んで下さい。私との約束ですよ?フフフフフフ。皆様頑張ってくださいね」
(何だか圧を感じるけど…)
しかし、カヌアは早く教わりたくてウズウズし始めた。
「それでは基本の舞いの方から行なっていきます。舞いの形ができたら、剣を加えていくという流れになりますので。まずは私が一曲お手本を披露させていただきます」
そうリュカが言うと、前に出て綺麗な構えをした。
そのまま流れるように。
それはそれは、美しくそして力強い舞いで皆を魅了した。
音楽も無く、そこにはリュカの静かな足音と腕を振る音だけがしていた。
「はい!本番はここに楽隊が奏でる音が入ります。そうですねぇ、練習の際は私が少し弾いたりとかして、音合わせも出来るので…ご要望なら、演奏者の方もたまにお呼びすることもできます」
とリュカは息一つ切らさずに言った。
(わぁ〜釘付けになってしまった。それにしても楽器まで弾けるとは…それに剣も振れるってことは剣術も得意なのかな?一度手合わせ願いたい…)
カヌアはまた違う方向に考えが向かっていた。
そうして、思ったよりも壮絶な剣舞の稽古が始まった。
その日の夜、リヴール家にて。
カヌアは三男レイルの部屋にいた。
「おにーいさまっ!夜分遅くすいませーん!」
とニヤニヤしながら謎のハイテンションで声をかけた。
もちろんレイルは毎日疲れている。
なのにも関わらず、その声のせいで更に勘弁してくれという顔をしていた。
(こいつ…まだ何か企んでいるのか?)
そう思うレイルの感は当たっていた。
「お兄様、以前私に剣術の際、この剣を使えって渡して来たの覚えてます?あの剣って剣舞用の剣なんじゃないんですか?」
とカヌアはレイルに聞いた。
「お前はどこまで鋭いんだ。その通りだ。それがど……わかった。剣舞で使いたいんだな?」
と言って、妹の意図を汲み込んで渡してくれた。
「お兄様大好き!」
と言ってレイルに抱きついた。
レイルは無言だったが、フラフィーはとても嬉しそうであった。
(フッ、チョロいな兄貴)
カヌアの性格がどんどん霞んでいくのは気のせいだろうか?
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。




