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episode39〜この兄弟〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



サラの父親によると、嫁いだ先は十歳の娘がいる中年の子爵家だと言う。


名はアガザ・サム・ベンゼルマン。


まぁまぁの金持ちではあるが、私利私欲のためにならどんな手段は厭わない最低なやつである。


(サラ…必ず助け出してみせる)


これはカヌアの気持ちである。

イケメンすぎる主人公。


レイルはというと…


(………)


怖くて触れられない。


屋敷に着くと、すんなり中へ入れてもらった。


なぜならサラの友人で、結婚のお祝いに来たと大嘘をついたからである。


すると、二階の子供部屋らしき所にサラがいた。


とても驚いた顔で、しかし今にも泣きそうなフラフィーが側にいる。


そして、私達も驚いた。


あの綺麗な髪の毛のサラではなくなっていたのである。


肩にかからないほどの長さになっていた。


カヌアが以前切った時と同じくらいの長さになっていたが、あの時のカヌアは自ら切っていた。


しかし、おそらくサラはそうではないだろう。


それに、服が紳士的な服装だった。

きっと少しでも男性側に寄るようにと、そうされたのだ。


(何だこの異様な光景は…髪が…あんなに綺麗だったサラの髪が……許せない)


ふとレイルの方をカヌアが見ると、同じ気持ち、いやそれ以上に怒っているのがわかる。


すると、サラがその少女に言った。


「ハルノ様…すみません、少しなのでこの方達とお話させていただけませんか?」


少女はぷぅ〜っと頬を膨らませながら嫌だと言う。


しかし、サラが少女にひざまづいて王子のように言った。


「少しなので、姫」


と思ってもないセリフと笑顔で許しを請う。


場所を移動し、同じ二階にあるサラの自室らしき部屋に案内された。


「サラ…」


と切なくカヌアは声をかけた。


「お二人共、ここまで来て頂きありがとうございます。言うのが遅くなってすいません。私は…」


と、悲しみが滲み出ている表情でサラは言う。

そして、フラフィーは諦めている様子だ。


「サラは…これでいいのか?」


とレイルは言う。


「……私が選んだ事ですから。それにあの子の相手をして遊んであげたりしてるだけですし、生活は何不自由なく…平和で…」


と、サラはまた思ってない事を笑って言う。


「違う違う違う違う!そう言う問題じゃない!あの子はまだ幼い!そのうち飽きが来たら?気まぐれで捨てられたら?それにあんなに綺麗だった髪の毛も…サラの尊厳は?気持ちは?どうなるの?」


カヌアは怒りと悲しみが、交互に打ち寄せて来た。


そんなカヌアを見て心配させまいと力なく笑うサラ。


「大丈夫…」


するとカヌアは、ハッという表情でタンスの隙間に落ちていた、ある白い物を見つけ拾い上げた。


「じゃあこれは何?」


とカヌアが下着のように薄い、ネグリジェをつまみ出した。


サラは顔が赤くなって、すかさずその肌着を奪い取る。


「こ、これは…旦那様が夜に着るといいって言って…」


(は?夜に?)


「夜はサラ一人で寝ているんじゃないのか?」


とレイルが聞く。


「いや…まだですが…本日からは旦那様との予定で…一応夫婦だからって…」


と罰が悪そうにサラは言う。


リヴール家兄弟は怒りボルテージが満タンになった。


あぁ…こりゃ…ダブルで…怖いの来るぞ。


妹は聞いた。


「…サラ?それもう着たの?」


サラは応える。


「いや、まだ…」


兄は聞いた。


「サラ、あいつにまだ何もされてないよな?」


サラが応える。


「いや、まだ…ですけど」


それを聞いた兄妹は、静かに部屋を出た。


そして静かに階段を降り、静かに屋敷主人の元へと向かった。


そう、静かな怒りを拳に握りしめて。


不穏な二人の空気を察して、サラも恐る恐る後を追った。


男に忍び寄る影。


まずは第一ラウンドの開始である。

対兄。


「おい……さぞかし楽しいだろうな。お前の欲求を満たすためか?その小娘の欲望を満たすためか?その汚い思考にサラを利用するな。サラの大事な時間を奪うな」


ものすごい殺気だけで、まずは精神的に身動きを封じた。


そして第二ラウンドへ。

対妹。


「サラに…サラにあんな顔させやがって…普段は本当に嬉しい時にしか笑わないのに…てめぇの汚い手でサラに触れたのか?あ゛?その手を二度と使えないように今すぐできるんだが?」


と剣を思いっきり男の手首寸前まで突き降ろした。


これで、身体的拘束をした。

そんなことをしなくても今にも泡を吹きそうだが。


そして最終ラウンドである。

対兄妹。


「何が娘のための結婚だ。お前の欲求ありまくりじゃねぇか。あんな趣味のわりぃ肌着なんか着せようとして。この変態ロリコン野郎がっっ!!」


おそらくロリコンという言葉は、この世界にはないであろう。

しかし、カヌアの殺気で男の正気を奪うのには、十分成功した。


「サラはお前らのおもちゃでも着せ替え人形でもない。サラという一人の人間だ。大事な人に手を出した報い、どう受けてもらおうか?」


兄は手を男の喉仏にかけ、力を込める。


そしてその表情はそれだけで殺されると錯覚するほど恐ろしいものだった。

男は既に虫の息である。


この兄妹に喧嘩を売ると最後はこうなる。


精神的にも身体的にもダメージを大きく受ける。

最恐兄妹…


「サラは返してもらう」


カヌアは兄のセリフを奪った。


サラが駆け寄ってくる。


「カヌア!!」


と言って抱きつく。


カヌアは嬉しい反面、何かに気づいてしまい申し訳ない気持ちになった。


そう、それはふと横を見ると兄様が罰が悪そうに少し広げた手を、腰に当てていたからである。


「ありがとう!ほんとに!」


そう言うサラを、カヌアはギュゥっと抱きしめた。


そして、レイルの元へと背中を押した。


サラは普段感情をあまり出さないから尚可愛い。


すると、自分の父親が打ちのめされた姿を見て、その横で泣きじゃくる小娘ハルノ。


ふぅ…と息を吐くと、カヌアはハルノに近づき言った。


「あなたにはまだ早かったかな?ちょっと危ない世界に足を踏み入れかけたわね。ねぇ、見て?ああいうの素敵じゃない?あの二人みたいになれるように、素敵な女性を目指してね」


と現実を見せたかったカヌア。


あの二人…

そうそれは嬉しさで手を取り合っている、サラとレイルの姿だった。



ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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