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episode38〜捜索開始〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



数日が過ぎ、カヌアは毎日武道の練習に明け暮れていた。


そう、先日の‘心‘のモヤモヤや、‘噂‘のやきもきを紛らわすかように没頭していたのだ。


そして今、カヌアは剣術場にいる。


すると、レイルがカヌアの元に駆け寄って来た。


「おはようございます、レイル指南」


カヌアは和かに挨拶する。


「カヌア…その、ここのところずっとサラが来てないんだ。毎日来ていたのに急にパッタリと…」


と不安そうにレイルは言う。


「え?サラが来てないのは昨日だけではないんですね?いつからですか?」


カヌアも疑問に思い、質問した。


(私も毎日出てるわけではないから、気が付かなかったけど…昨日もいなかったのは、たまたまかと思ってた)


「今日で六日目になる。風邪か何かだとは思うが、それにしては少し長くないか?」


「確かに重い病気とかになってたら…」


二人は不安に思い、サラの家へ行ってみようということになった。


だが、カヌアはサラがどこに住んでいるか知らない。


(う〜んどうしよう…まずは住んでる所調べないと…時間かかるなぁ)


すると、レイルが手際良く話を進めた。


「では、午後にメグレスの街へ行くからそのつもりで」


(えぇぇ!?お兄様知ってたーー!?いつの間に…)


「お兄様?ご存知だったんですね?でも午後、剣術場に指南が席を外してて大丈夫ですか?」


とカヌアは疑問に思って聞いた。


「あぁ、それは他の者に任せてあるから大丈夫だ」


(手際が良過ぎる…既に代わりの指南も用意してるとは…お兄様、サラのことが余程心配なんだなぁ…ほほぅ、そうかぁ、へぇ〜)


そう思うカヌアの顔は、とてもじゃないけど公にできない。


「おい、カヌア…何でニヤけているんだ?」


「へ?」


レイルは不審な顔をしていた。


そして午後。


カヌア達はメグレスの街へ来ていた。


ここは都の北西側にある街で、ミザールの街よりは栄えていないが、肉や革製品が盛んである。


近くに森があるため、猟師の職が多いからだという。


(う〜む、街に来たのはいいが、家がわからない…でもグイグイ進んでるなぁ、あれ?まさか…)


「こっちだ」


「え?」


(やっぱりぃーー知ってたぁーー!)


レイルは用意周到であった。


彼は時に優秀な王宮勤めの役人に、時にストーカーとなり得る。


それにしてもこの国の男は裏の行動力があるのか?

ストーカー気質があるのか?


サラの家は街の北の外れにあった。


街からの小道を歩くと、小さなコテージ様の丸太造りの家が見えて来た。


手作りであろうか、木彫りの二体の熊が向かい合って家の横に立っている。


(可愛い…大きいのと小さいのがいる。親子かな?)


レイルがその家の扉をノックする。


すると中から猟師のような格好をした男性が出てきた。


「何ですかな?まだ何かご用が…?」


(まだ?この人のフラフィー怒ってる…)


「いきなり伺ってすみません。私は王宮で剣術の指南を請け負っているレイルという者です。こちらがサラさんのご自宅と伺ったものですので。サラさんはご在宅でしょうか?」


とレイルが言う。


すると少し悲しい表情で男性は言った。


「そうでしたか。わざわざ来て頂き、ありがとうございます。しかし…サラはもうこの家にはいません。昨日、嫁ぎに行きました」


「え!?えぇ!?」


カヌアは驚いて声を出したが、レイルは黙っていた。


(お兄様…フラフィーがとても複雑な顔してる…今どんな気持ちで…)


すると、レイルは重い口を開いた。


「詳しく話をお聞かせ願いますか?」


そう言うと、サラの父親らしき人物が、家の中に案内してくれた。


そして用意してくれた椅子に座ると、事の成り行きを説明してくれた。


「私ども親子が何日か前に森に猟に入った時の話です。


その際、私は忘れ物をして一度家に戻りました。


その間に娘のサラは一人、森で大きな熊に遭遇しました。


しかし、その場にいたのは熊だけではなかったのです。


熊が振り返ると熊の足元には十歳ほどの女の子がいたというのです。

そして、サラは持ち前の戦闘能力で熊を倒しました。


しかし、その前に既に女の子は熊に引っ掻かれていたようで怪我を負っていました。

娘が手当てをしていた所に…奴が…その女の子の父親が従者を連れてやって来たのです。


その男は有ろう事か、サラにその女の子の怪我の責任を負わせようとしました。


サラがいくら説明してもお前のせいだの一点張りで…その女の子もやはりその男の娘、サラを庇う事なく…


しかもそう言う事なら少女は ‘自分の横に置きたい‘ とまで言い出しました。

それは、ただ単に側に置きたいと言う意味ではなく…


結婚したいと言う意味だった…

その場に遅れて来た私も訳が分からず…

おそらく、熊を倒したサラはその少女にとって素敵な男性に見えたのだろうと。

そう言う事でした。そこからはとても早く事が進みました。


本当に…あっという間に…娘は…もうこの家には戻って来ない…」


(言っている意味がよくわからない…よくわからないけど、半ば強引に連れて行かれたことは間違いない。サラのお父様…とても辛いことなのに、しっかり全部話してくれた…フラフィーからも悲しみが伝染する…)


カヌアが怒りと悲しみに伏せっていると、レイルが口を開いた。


「しかし、この国は女性同士の結婚は、許されてないですよね?ましてやまだ子供」


それに頷いたサラの父親が応えた。


「はい。なので、その男は考えたのでしょう。妻がいないから、自分の嫁にして、娘の側に置けばいいと…そしてあわよくば…」


(あ、あわよくば?あわよくば何!?)


ゾゾゾゾゾォォォオ


カヌアはそれを聞いて、鳥肌が勢いよく立った。


(うぉぉ!非常にキモイッッ!!)


重々しい空気の中、レイルは口を開いた。


「行こう。サラを連れ戻しに」


カヌアと父親は、え?と言う顔をしたが、レイルの心に決めたその思いは、既に前を向いていた。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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