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episode24〜美しき講師〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



その手に持っている容器から水が溢れる。


先程の弓術のせいで震えが止まらないのだ。


カヌアの手から尋常じゃないほどの水が溢れている。


これではこの後予定していた馬術は、出来そうにない。


ということでカヌアは帰ろうとしていた。


しかし、脳裏に条件[3]が浮かんだ。


(ダンスは必須……か。あぁぁぁぁ行きたくねぇぇぇえ)


「私は真面目だからな!行くぞ!」


がしかし、脚が明後日の方向を向いている。


その時、聞き覚えのある声が聞こえた。


「あれ?カヌアーリ様?」


振り向くとそこにいたのは、デビュタントで出会ったアリー・ラ・トラストル嬢であった。


「あら!ごきげ、こんにちわ!アリー様!」


(聞かれてたかな?言葉遣いが混乱してきた。やりずらいな、う〜む。それにしてもフラフィーが何だか…)


「ふふ、ごきげんよう。カヌアーリ様もダンスのレッスンに?」


(そうか、ダンスレッスンは御令嬢がほとんどなんだ)


「はい、そうなんです。これから行こうかなと……あのアリー様?もしよろしければお名前をその…アリー…とお呼びしてもよろしいでしょうか?あと出来れば敬語もやめてフランクに?ほらっ、私達同い年でしょ?もちろん私のこともカヌアと呼んでもらってい…」


「わかった。そうしようそうしよう!」


(え?)


「ぅわー、たーすかったぁ。これずっと続けてると頭おかしくなりそうで。カヌア!改めてよろしく!」


(え?ええ?)


「は、い…」


目が点だった。

カヌアの目ん玉は胡麻粒ほどの大きさになった。


(ぇぇぇぇぇえ!!めっちゃ猫被ってやがった!!男まさりすぎる。しかもフラフィーがめっちゃあぐらかいてるよ?)


「で、これから行くんだよね?踊りに」


と言って手と腰を同時に振っているアリー。


一体どんな踊りか。


カヌアはそのギャップの驚きが抜けないまま応えた。


「あ、うん。他の所に行ってたから午後になっちゃって」


「他の所?」


「弓術場に行ってたの。でもあまり上手じゃなくて」


いや、ド下手である。


しかし、何も知らないアリーは称賛の声を上げる。


「え!?射るの?すごいなぁ。そういえば四種目くらいあったよね?もしかして他にも出てたりするの?」


「あ、うん。特別に条件付きで。全部」


「全部!?っかぁぁー羨ましい!」


(この人本当に令嬢だよな?少し調べたけど確か子爵家だった気が。それにしてもアリーとフラフィーの仕草が同じすぎて二倍騒がしい)


「私なんて王宮からの達しで、家の人が出ろって。まぁ、結婚相手でも見つけてこいって事でもあるんだろうけど」


(何それ…なんかもう)


とモヤモヤが復活しそうになったが堪えた。


「なんか、結婚とかさぁ何でこんな早い歳で無理にしなきゃいけないんだろ?そんなのまだわかんないのにねー」


(あんま色恋に興味ないのかな?)


「そういえばデビュタントで私が殿下に抱えられたのを見て、胸がきゅーってなったって言ってたよね?」


「うん!あれはほんと!胸がめちゃときめいたよー」


(自分で言っといてなんだけど、恥ずかしいのを思い出した)


カヌアは続けて聞いた。


「じゃあ純白のキラキラドレスを着れて喜んでたのは?」


「あれもほーんと!最高な気分だったー!お姫様になった気分!」


(わぁー女子ー)


「あの時顔も知らない人と結婚させられるかもって言ってたけど、ほんと?」


「あーあれは嘘!まぁ家の者は押し付けて来ると思うけど、夜逃げするつもりだから!ハハ」


とアリーは笑顔で言う。


(でもフラフィーが…笑ってないよ?)


二人はベンチでお昼を食べながら、話に夢中になっていた。


「げっ!もうこんな時間!行こうか!」


そうアリーが言うと、慌ててダンスフロアに向かった。



到着すると、今までの練習場とは打って変わって、華やかな良い香りがした。


心なしかフラフィー達も優雅に舞ってる気がする。


すると、綺麗なドレスを身に纏った背の高くとても優美な人が近づいてきた。


髪は銀髪でとても美しい。


「ごきげんよう。アリーさん。本日は午後からのご参加なのですね」


「ごきげんよう。リュカ先生。本日もよろしくお願い致します」


と御令嬢モードで挨拶していた。


(すんごい綺麗な人だなー。フラフィーも妖艶…なのと、あれ?もう一匹?それにこの人どこかで…)


と思いながらカヌアがふと横を見ると、アリーは頬を赤らませて目がとろけるように講師を見つめていた。


(え?何!?)


するとその美しい講師がカヌアに挨拶をした。


「ごきげんよう。今日が初めてのレッスンですね」


「ごきげんよう。お初にお目にかかります。わたくし、カヌアーリと申します。本日はよろしくお願いします」


とカヌアは令嬢混じりの挨拶をした。


(あぁ来たね…やっと会えた)


講師がそう思いながら、笑みを浮かべていた。


「ねね、すんごい綺麗な人だね!」


とカヌアは本人には聞こえないように言うと、アリーはぼぉ〜として見惚れていた。


「あぁ〜抱かれ…」


カヌアは咄嗟に口を塞いだ。


そうこのアリーという娘、中身はめちゃくちゃ乙女なのである。


(女の人に抱かれたいって、アリーもウィル様と同じような感性なのかしら?)


「さて、カヌアーリさんがどのようなダンスをするのか少し見てみたいので、まずは手始めに私と踊りましょう」


と両手を合わせながらリュカは言った。


「はい。あまり自信はありませんが、よろしくお願いします」


(くぅー、久しぶりのダンス〜いきなり踊るなんて緊張するな)


すると、聞いたことある華麗な音楽が流れた。


(デビュタントの時に踊ったやつだ)


一ヶ月もの間、ウィルと練習したので身体が勝手に覚えていた。


リュカはカヌアの手を取るとグッと腰を引き寄せた。


(お、意外と力強いな…ん?なんか…)


と、華麗な音楽が二人のステップと重なり合う。


微笑みながらこちらを見てくるリュカ。


それよりもカヌアはある違和感を覚えていた。


(なんだろ?手が…少し硬め?のような…)


一曲踊り終わると、一礼してフロアの端に避けた。


「うん、やはり良いですね!この前は少し遠くから見てたくらいでしたけど、実際に踊ると相手のことをよく考えてられて…」


(ん?この前?見てた?いつ?)


リュカからアドバイスなどの軽い指導を受けて、フロアの脇にいたアリーの元へと行った。


すると、アリーはずっと講師を見つめながら言った。


「あぁカヌアが羨ましいよ。一曲丸々リュカ様と踊れるなんて」


「え?皆踊ったんじゃないの?」


と言いながら周りを見ると、そこにいた女子という女子の皆がリュカのことを見ていた。


頬を赤らめてる男子も少し混ざってるが、気にしない。


「一曲分をリュカ様が周りながら色んな子と踊ったからねー。ここにいるほとんどの子はリュカ様目当てで来てるって感じだよ」


とアリーが教えてくれた。


「確かに、女性でも魅了される美しさだもんねー。あんな綺麗な女の人初めて見たかも」


とカヌアが言うとアリーが驚いて言った。


「ん?初めて?」


カヌアは頷くと、アリーのマシンガントークが始まった。


「え!?ちょっと待って!カヌアは講師がリュカ様って知らないで来たの??彼は超有名な元ダンサーのリュカ・ユウ・デリューシア様だよ!リュカ様が出演した公演は全て満席。外で出待ちをする人なんて、もみくちゃになりながら彼を拝みに来てたんだから!知らないなんて…知らないなんて!まぁでもカヌアにはあんなに素敵なウィルテンダー王子がいるものね!王子もとても人気で…」


と何やら言ってたが、カヌアの耳には全く入って来なかった。


それよりも驚きの事実が発覚したことで、カヌアの脳が停止していた。


(え…ちょ、え?彼?男!?お・と・こ…!?嘘でしょ…だってドレス着てるしどう見ても女性…)


そうその美しき講師は男性であった。

世にも美しい講師。

女装はただの趣味である。

自分を美しく見せるための一つの手段だ。


そんな事も知る由もなしに、遠くからリュカがカヌアの方を見て微笑んだ…気がした。


(それにしてもやはりどこかで見たことあるような…)


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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