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episode23〜2日目〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。


さて、刺激的な一日も終わり、練習場通いも二日目に入った。


昨日の夕方に、[9?]のその日の出来事をウィルテンダー殿下に報告しに行く、という条件を満たしに行ったが、忙しさのあまり殿下が捕まらなかった。


ので、仕方なく諦めた。


(初日から条件こなせてないけど、大丈夫だったかな?まぁでもカブラ様には伝言のメモを渡しといたし。でも何で口頭じゃダメだったんだろ?前なら口頭でも…それに大した事は起きてなかったんだけどなー)


大した事ではない。


昨日のそれは、既に王宮内、いや都中にまでも広がっていた。


それに加え、伝言の文書化それも自筆のでなければならなかった理由は一つである。


ウィルのコレクションの一つにするためである。


やはり言わせてもらおう。

これはもう立派なストー…


バンッッッ!!!


「なぜだっ!!なんで!こん!なに!やってもやっても減らない!!」


ウィルは憤って手元に持っていた書類を机に叩き置いた。


公務がこんもり溜まっていたせいで、昨日カヌアの報告を直接聞けなかったからだ。


まぁ自業自得である。


それもこれも、カヌアの為に武道場参加の件に手を尽くし、更にはその前のデビュタントの練習を、毎日長い時間カヌアのために費やしていたからだ。


カヌアカヌアカヌアカヌア。


ウィルの脳内メーカーは、九割五分がカヌアなのである。


ウィルにはカヌアが武道の腕前があることが耳に入っていたが、それより怪我がなかったことに安堵していた。


彼だけはカヌアに関しての観点が少しずれていた。


そして、朝から張り切る娘カヌア。


今日は一段と身軽であった。


荷物を十分の一程に減らしたのである。


あの大荷物に一体何が入ってたんだかって?

それは作者も知りたいところだ。

が、カヌアのみぞ知る。


そんな彼女は、今朝から弓術場に向かった。


弓術場にいるフラフィー達は皆、集中力を高めていた。


弓術場には、遠くの方に横一列に何枚も並んだ的があった。五、六十メートルほどあるだろうか?

そこに弓を放つ。


(結構遠いな。こんなん当たるんか?)


とカヌアは思ったが、早速練習と言わんばかりに弓から思いっきり腕を引き放った!



ギュイー!!



(ん?)


その瞬間、斜め上の方で悲しみの声が聞こえた。


スルスル〜と落ちていくその姿は、たまたま通りかかった山鳥さんであった。


唖然としているカヌアの肩に、誰かが静かに手を乗せて言った。


「安心しろ。腕の良い料理人を紹介してやる」


そう言ったのは弓術の指南、リビドであった。


(山鳥さん…ごめん…)


とカヌアは心の中でご冥福をお祈りした。


彼にもう一度と促されたが、一向に的に当たらない。


いや、当たってはいた。


隣のさらに隣の的へ。


カヌアはここでも頭角を現していた。


違う意味で。


そう…カヌアは弓術がド下手であった。


あいつやべぇぞ。

センスない。

殺される。


そう周りのフラフィー共から伝わって来る。 


周囲の者がさささぁーと距離を取っていくのがわかった。


(うーわ、こりゃダメだぁ。てか、あんな遠くの的を当てられる人そうそういな…)


「おぉー!」


すると遠くで感嘆する人達の声が聞こえて来た。


声の方を向くと、隣にいたリビドが感心して言った。


「すごいよな。あの小さな身体でブレも迷いもなく、しっかり的を射る。初日から何本も打ってるんだ。何より集中力がすごい」


その姿はカヌアにはよく見えないが、弓を放つ綺麗な音は聞こえていた。


(私もこうしてはいられない。射るのみ!と、その前に)


「指南、ご教示願いたいのですが、その前にリビド指南の射る所を見せて頂けないでしょうか?」


「お?いいぞ。しっかり目に焼き付けておけ」


と言った彼はおもむろに上着を脱いだ。


腕の色はいい感じに日焼けしている。


すると、綺麗なフォームで弓を引き、一直線に的の中心に刺さった。


その姿に圧倒されてカヌアは言葉が出なかった。


彼は満足そうに爽やかな笑顔でこちらを見た。


そして思った。


(歯が眩しい)


「指南、どうしてそんなにブレがないんですか?遠い的の中心が見えてるんですか?何を基準にして的と弓を合わせてるんですか?何故…」


「待て待て待て待て。そう焦るな。もちろん一つ一つちゃんと教える。しかし理屈じゃわからない感覚ってものもあるんだ。とりあえず、お前は弓を引き慣れていない。だから、腕や胸などの筋肉が育ってないんだ。とにかく弓を引け」


……と言われ、引き続けること二時間ほど経つ。


一向に的に当たることもなく。

更にもう弓も持てないほどの手の震えが酷かった。


(なんっじゃこりゃ!)


カヌアは両手を広げて、この震えを嘆いた。


弓術が一番難しいと悟り、下を向いたまま何やら考え込んでいた。


(これは時間の問題だな。まぁ他の武術はかなりの腕前みたいだし、なんなら…)


そうリビド指南は思っていたが、カヌアが急に立ち上がり近づいて来たので声をかけた。


「どうした?」


「指南!私、毎日ここに来ます!毎日あの的を狙いに来ます!弓と矢を支配下に入れてみせます!」


と力強く宣言した。


「あぁ…そうか。待ってる。頑張れな!」


と優しく頷いた。


カヌアの後ろ姿を見てリビドが呟いた。


「諦めない、か」


(ウィルが惚れるのもわかる気がするな)


カヌアは次の練習場に移動するため、荷物をまとめた。


そして弓術場を出ようとした時、目に入った。


(え?まだ引いてる!しかも全くブレがないままだ。何あの子、すごい…)


「え!?女の子!!!?」


カヌアはその娘に目を奪われて動けないでいた。 

フラフィーの集中力もすごい。


彼女がふぅと声を漏らし、一息ついた時に咄嗟に声をかけた。

というか叫んだ。


「あの!私にコツを教えて下さい!」


女子としての弓引きのアドバイスを聞こうとお願いした。


「あ!え!?私に!?…はい、わ、たしで良ければ」


とカヌアの必死な形相に圧倒されて承諾してくれた。


気の小さそうな彼女は、まん丸のメガネをかけている赤毛の小さな女の子だ。


「ありがとう!こんな何時間も引き続けてるのに、形にブレがないし、手も震えてないなんて!」


とカヌアが今度は感嘆な面持ちで言った。


彼女はそんなカヌアを見て思った。


(表情豊かな人だな…ん?何時間も引いてた?)


「え!?あ、嘘!?もうこんな時間!?大変!遅れちゃう!」


そう言って彼女はその場を離れようとした。


((あ、名前))


そう二人が同時に思い、先に口が開いたのは彼女だった。


「ノゥリア、私の名前です」


「私カヌアーリ!カヌアでいいわ!ノゥリア、また明日ね!」


と二人は挨拶を交わし、その場を後にした。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

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