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episode20〜いざ!〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



ある一枚の紙を手に持ち、カヌアは今、幸福の絶頂にあった。


そうである。


そうなのである。


武道の練習場における、女性の参加が認められたのである。


恐らくそれに出ようとする女性は、ごく僅かではないかと考えられてる。


いやもしかしたら、カヌア一人かもしれない。


もちろんカブラが色々と企てた結果、こうなったのである。


しかし、しっかりと条件も出された。


[1]手合わせをする際、男性から女性への誘いはしないということ。

[2]必ず誰かが見ているところで手合わせすること。


そして、個人的に出された条件もある。

[3]ダンスのレッスンが必須であること。

[4]少しでも体に違和感があればすぐに申し出ること。

[5]令嬢であることはできるだけ隠すこと。

[6?]絶っっっ対に無理はしないこと。

[7?]他の男と2人きりにならないこと。

[8?]毎回同じ男とは手合わせしないこと。

[9?]王宮に来た際には、その日の出来事を毎回ウィルテンダー殿下に報告しに行くこと。


下の四つは、ウィルからの条件であった。


(最後の方の条件… 何だろ?)


私情が挟んだ条件が約半分。


(う〜ん、多いなぁ。まぁ参加できるのに変わりはないからよしとするかっ!)


カヌアは、こうしてはいられなかった。


そのための練習をしなければと、一目散にクーロスの元へ走って行った。


言わば特訓に行くための特訓… である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから…


その通知が来てから一か月程が過ぎ、ついにその日が来た。


気合いの入りまくっていたカヌアは、その身体よりも大きい荷物を背負っていた。


もちろん条件[5]の令嬢を隠す、を守るために馬車は使わない。


(いざ! 出陣!)


どこの戦場へ向かっているのか。

カヌアは気合いが入りまくっていた。


そしてそこには、カヌアの姿を今か今かと待ち侘びてる一人の人物がいた。


そう、我が麗しの王子、ウィル殿下である。


だが、笑顔で迎えるはずのその顔は驚いていた。


「カ、カヌア!? その髪は… 」


カヌアがその声を聞いて、初めてウィルがいることに気が付いた。


「ウィル様、ごきげんよう!」


カヌアは、ウキウキな笑みで挨拶した。


(可愛い… )


すると、そのままカブラの方に近寄ると、今度は満面の笑みで挨拶した。


「カブラ様、この度は武道練習の件、お話を通して頂き、幸甚の至りに存じます」


「いえ、この件に関しては、ウィル様も交渉して下さったんですよ。それにカヌア様、そのお髪とてもお似合いですよ。これで動きやすくなりましたね!」


一応、主人を立てる。


更にはウィルが褒め遅れたせいで、カブラに先を越されるという。

よくできた美しき従者である。


しかし、ウィルは不服そうな顔をしていた。


(カブラめ、手慣れてやがる)


「あ、髪ですか? へへ、この時のために、身軽にしてきました!」


何事もなかったかのように応える。


女性が長かった髪を切るのは、中々勇気がいる行動である。

特に令嬢となると、身だしなみも重視されるので、相当なことであるのは間違いない。

たまに失恋した勢いで、バッサリと行く事もあるが。

カヌアの髪の長さは腰辺りにあったが、今は肩に乗り掛かっていない。


(あの美しい髪の毛は、どこにやったんだろ? 手に入れて保管を… )


ウィルの考えは、いよいよヤバい方向へと向かおうとしていた。

もはや、ヘンタ… まだやめておこう。


条件[5]の令嬢であることをできるだけ隠すことに関しては、カヌアが自信がある項目だ。


性格を解放すれば良いだけの話。

そして世の女性よりかは、身長が高いため男の中に混ざっても違和感がない。


胸は… 少しサラシを巻いている。


まぁ特に女性である事を隠しているわけではないが、お胸が豊かな女性よりは男性の煩悩に繋がりにくいと思っているためやってみた。


そんなこと、必要ないのに。


ついでにこの短くなった髪型も合わさる。


そして、荷物の多さには誰も触れて来なかった。


だが、カブラは思っていた。


(荷物は最小限にするという項目も作った方がいいのでは?)


武道の特訓は、学校みたいに時間割は決められていない。

日が昇ってから落ちるまでの間、全ての練習場は空いている。

各々行きたいところに行くのだ。

もちろん、各場所には師となるその道の人が何人かいるので、そこで特訓する。


(そういえば、この武術の枠でクーロス叔父様が師として誘われてたんだっけ? あぁ、叔父様がいれば最高の極みだったのにぃー)


残念がるカヌアを横目に、初日を一緒にまわろうとウィルが声をかけようとしていた。


しかし、その試みはすぐに打ち砕かれた。


カブラが間に入ってきたのだ。


「ウィル様、お時間ですよ?」


カブラスマイルが放たれた。


「お忘れですか? 本日は初日だからという事で、お迎えだけは許したんです。まさかですけど一日中一緒にとか、思われてないですよね? …… とりあえず公務がたんっまりあるんですから。ほら、行きますよ? 終了後には報告しにお越しになられるはずですから、その時にでも…… 」


ブツブツ言われながら、ウィルはカヌアから引き離され、王宮内へと連れて行かれた。


(もう少しだけ一緒にいたかった… )


カヌアはにっこりと微笑みながら、その姿を見送った。


その途中、カブラはある男とすれ違い様に、何やら頷いて合図を送っていた。




ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。


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