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episode100〜綺麗な鉱物〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。

そしてついにepisode100まで来ました!

ゆるく読んでいただければと思います。




ここは王都グランシャリオから北にある、ケーフ山脈である。


昨夜の異様な民達の行動の原因を探るべく、カヌアとウィルは愛馬に乗って、ここまで足を運んでいた。


その行動は北東に多いという報告があったため、ここに来る途中にアリオトの街にも寄っていた。


確かに都よりは、異様な行動の軌跡が多かったように感じた。


しかし少しの手掛かりしか得られず…

それを更に確実なものにするため、カヌア達はこのケーフ山脈へと来ていた。


このケーフ山脈には、一度武道大会の時に来ていた。

馬術部門の障害物レースの時だ。


(あの時は本当に…死ぬかと思った…レグの勇敢さには驚いたけど)


カヌアは一度来て、この山の険しさは把握していた。


(探すのには危険が多いとこだしなぁ…それに手掛かりなしで探すとなると、相当時間がかかるぞ…う〜む、どうしたもんだか…)


カヌアが唸りながら考えていると、山の中を探索していたのか、向こうから王宮の使いの者が馬に乗ってやってきた。


(ん?あれって…ワイム?ワイムじゃんっ!)


カヌアは久しぶりのワイムに声をかけた。


「ワイム!久しぶりだねっ!こんな所で会うなんて…あ、違うか!調査に来てたんだね!どう?なんか手掛かりあった?」


「いえ…怪しい穴やそれらしき出入り口は、見当たりませんでした。しかし…こんな物が…」


と言ってワイムはそれを手に、ウィルへと見せた。


「これは?黄色い鉱石?綺麗だな…だがこれが一つ落ちていたからといって手掛かりには…」


ウィルが言いかけたところに、更にワイムは手を広げてみせた。


それは、片手いっぱいに同じく黄色の光る鉱石があったのだ。


「え?何?この量は?」


カヌアが驚いて聞く。


「これが埋められていました。いや、土に好意的に埋められていたと言うよりは…自然と土から出てきて、埋まっていた鉱物が出てきたような感じですね…」


そう上手くできないような言い方をしたワイム。


それを聞いたウィルは、不思議な顔をして言った。


「何とも奇妙な…それはここから近いのか?今からそこに…」


「あ、いえ…しかし少し距離があるかと…」


残念がるウィル。


しかしカヌアは話半分に、その石をジーッと見つめていた。


色んな角度から。


太陽にかざしてみたり、その石をあげてウィルの顔にかざしてみたり。


(ん?そんなに宝石に興味があったのか?意外だな…)


ウィルがカヌアを見つめている。


違う。

そうではない。


カヌアは宝石には全く興味がない。


なので、この黄色の石自体がとても気になっていただけである。


(ゔ〜ん、何だろどぉっかで見たことあるんだよな。宝石、石、鉱物、アクセサリー…ん?)


そう思うカヌアはワイムに近づき、その左耳に石を当てた。


ワイムも急にカヌアが近づいたものだから、少し顔を背けるように驚いて言った。


「カヌア様?いかがいたしました?」


カヌアはワイムの耳飾りのその黄色い石と、山脈に埋まっていた石を見比べた。


(う〜ん、同じ黄色だけど濃さが違うな…もっとこう…透き通ったような薄い…)


カヌアは無言のまま考えていた。


そしてその石を耳から離し、少し横に滑らせる。


するとすぐにその手は、ある部位で止まった。


カヌアはハッとした顔で、ワイムの顔を覗き込んだ。


めちゃくちゃ近い。


ワイムも少し照れたように頬を赤らめた。


ウィルが咄嗟にカヌアの肩に手を置き、二人の距離を離して言った。


「カヌア?一体どうした?ワイムの耳飾りとその石に何か関係があるのか?」


「あ、すいません。つい考えに没頭してしまって…違います…この耳飾りではなく、眼です。瞳の色だったんです」


「瞳?ワイムの瞳とは色が違うような…」


ウィルが不思議に思って言う。


「失礼しました。説明不足でしたね。この石の色に見覚えがあったのですけど、全然思い出せなくて…しかし、今ワイムの顔に当てて思い出しました。この瞳と同じ色をした人物を私は、私達は知っている。ロキです。ロキの瞳と同じ薄くて透明感のある黄色…この石とロキが繋がっているのかはわかりませんが、やっぱりロキは何かの手掛かりになっている気がします」


「ロキか…やはり、あの地下の壁のことといい…更にロキの瞳と同じということなら、何か繋がりがありそうだな…それにしてもカヌア、よく気が付いたな…」


ウィルが感心して言うと、カヌアは思い立ったように今度はウィルの方へと近づいて言った。


「ウィル様!ロキをここへ連れてきましょう!今日はもう遅いので、近いうちに!ウィル様の都合もありますでしょうし」


その笑顔にウィルは秒で頷いた。


そして日を改めて、後日ロキを連れてこのケーフ山脈へと来ることとなった。


そしてその日がカヌアにとって、史上最悪な日となる事はこの時はまだ誰も知らない…



ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

大変恐縮ですが、評価を頂けると幸いです。

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