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未決定

作者: 通りすがりの凡人

自分は書き始めたものはいいものの最後まで行かないということが多々あるので、思い切って途中まででも投稿するという愚行をすることに決めました。暖かい目で見てください。

ピピピピピピピ…


目覚ましの音がうるさい。もう少し寝かせてほしい。

しかしこれを止めない限りはそんなことも言ってられない。

まだ電源の入り切らない脳をなんとか回らせ、体を起こして目覚ましを止める。

もう一度眠りにつこう。そう思ったのだが、変な格好で目覚ましを止めてしまっため頭が冴えてしまい、渋々起き上がることにした。


「おはよう」

気の抜けた眠そうな声が、僕だけしかいない家にこだまする。

両親は共働きで朝が早く、兄弟はいないため、これはいつものことだ。

のろのろとした足取りで朝食の席につき、頭の体操も兼ねて新聞を読む。

大して面白い記事もないが、こうして1人で過ごす時間は落ち着く。


30分ほどして朝支度を終え、家を出る。

まだ10月だというのに近頃はずいぶん寒く、吐く息が白い。おかげで冬用のもこもこなジャンバーと手袋というフル装備で出かけねばならない始末である。

幸い、家に近いそこそこの高校に受かったので通学は徒歩10数分という程度である。

しかしその道程のまだ半分も行かないような地点で既に憂鬱だ。


高校に入る前は高校生に輝かしいものを期待していた。

きっと友達がたくさんできて、彼女もできて、いろんなところに行って、毎日楽しいのだろうと。

だけど現実は違った。

友達はごく少数、休みの日はもちろん一緒に遊びに行く人なんていないからゲーム三昧、そんな調子だから彼女なんてできるわけもなく。

それでもまだ自分の世界にこもれるのなら苦労はないのだろうが、どうやら自分は人が苦手なようなのだ。

1人でいるぶんには何もないのに、周囲に人がいると何かを取り繕わなければいけない気分になる。

もちろん他人は自分のことなんでほぼ気にしていないことなんてわかっているから、そんな行為が無意味であることは十分承知している。でも自分を偽ってしまうのだ。周りがそれを求めている気がして。

幾度となく原因を考え、対策を施し、さあ今日こそはと意気込んでいくのだが全く変えることはできなかった。


憂鬱だなあ。通学なんてせずにこのままどっかの公園で1日中行き交う人を眺めながら過ごしたい。

だけど後々面倒になることを考えるとそれも億劫だ。

はあ、結局いつも通りの日常が始まる――ずっと俯いていた頭をなんとか前に向ける。

なんだから視界の上の方が白く霧がかっていて、しかもそれがだんだん全面に広がっているような気がした。



ピピピピピピピ…


目覚ましがうるさい。もう少し寝かせてくれ。

しかしこれを止めない限りはそうも言ってられない。

寝ぼけ眼でよちよち時計に手を伸ばし、じぶんの顔の前に持ってくる。

17:20

じゅうしちじにじゅっぷん――十七時二十分?

日付は今日だ。

どういうことだ。なんで僕は寝ているんだ。

こんな時間に昼寝をする習慣なんてなかったし、近頃特別疲れているような感覚もなかった。

そもそも学校はどうしたのだ。まさか、朝からずっと寝ていた…?

一体、僕は午前中何をしていたんだ。そこまで寝起きの思考で駆け抜け、ようやく異変に気づく。


記憶がない。


いや、正確に言えば登校していた記憶はある。

なんだかんだと憂鬱なことを考えて、でも結局埒が開かないからと言って前を向いて…。

そっから先がわからない。わからない?そんなはずはない。

記憶の引き出しを隅から隅まで手当たり次第に引っ張り出す。

だめだ、全然思い出せない。

これはどういうことだ。つまり…記憶喪失?こんな短時間で?そんな話は聞いたことがない。


走るように自分のリュックを確認しに行く。

中身は今日の授業の教科書やノート、プリント類だ。

若干の恐怖、好奇心、その他少しの複雑な感情を抱えながらノートを開く。

真っ先に日付を確認し、その日付が今日のものであることを認識する。

しかし授業の中身に覚えはない。確かに前回の授業からの流れを考えればこんなことをやっていてもおかしくはないと思うが、明確にその授業を受けたという記憶はいくら頑張っても出てこない。

筆跡は僕のものによく似ている。似ているというより、同じと言ってもいいだろう。

これはいよいよ記憶喪失という突拍子もない仮説を受け入れなければならなくなってきた。


仮説の中からあり得ないものをなくしていけば残ったものが真実。

そんな言葉があったような気がするが、しかしその残った仮説が一番非現実的だった時はどうすればいいのかも教えて欲しかった。


まだ思考が追いつかずふわふわした頭で、よくも考えずスマホを手に取る。

指紋認証でロックを突破し、ホーム画面を見るとそこには大量の通知があった。

全てとあるSNSの通知だ――通知が大量と形容したが、別に何百件というような話ではない。

普段、ほとんど人とやり取りをせず、通知が1つもこない日がある僕目線からしたら大量だったということだ。


一つ一つ確認していくと、大体がクラスメイトだった。

内容は、感謝や授業で行うグループワークの相談、まれに遊びの予定を聞いてくるものもあった。

同じクラスの、男女問わず10人以上からメッセージが来ていたが、僕は未だこの現実を咀嚼できていなかった。

普段一言も喋らないような相手10人からいきなり多様性に富んだメッセージが送られてきたら誰だって驚くだろう。

あまりにも起きた出来事が不可解すぎて、今なら怪しい壺だって買ってしまうかもしれない。


その後数十分に渡り悩み続けたが、この不可解な出来事に関する明らかな答えは出せず、ヒントも見つけられなかった。

親が帰ってきたら相談しようかとも思ったが、こんなことに取り合ってくれる親ではないのでその選択肢は数秒で破棄した。


とりあえず今日はこのまま寝よう。

明日もまた学校だが、明日のことは明日考えればいい。


ベッドの中に入り、意識がまどろみへ溶けていく…。

そして眠りに落ちた。



ピピピピピピピ…


目覚ましがうるさい――ふと昨日の記憶を鮮明に思い出し、あわてて時間を確認する。

7:30

いつも通りの朝だ。

未完成で申し訳ありません。そしてそれにもかかわらず最後まで読んでくれた読者さんに感謝。評価やコメントお願いします。そしてあわよくばオチも考えてくださると、、、幸いです。

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