躁鬱になってたらいつの間にかボスっぽいのを倒してた
基本毎話そうですが本作はあまり文字数長く書かないと思います
「ベル、オール嬢と決闘したって聞いたけど大丈夫?じゃないよね怪我してるもんね」
「う、うんありがとうラーファ、今、魂歴で初めて回復魔法のありがたみを知ったよ」
「ふふ、変なこと言ってないで早く元気になってね」
ここは保健室
魔法学園において元気なくせに嘘をついていでも滞在する者いる魔境、ある意味の魔境だ
失礼、実際は天国である
可愛い先生、可愛い保健係(この世界ではメディアカルヒーラーと呼ばれる)が揃っているので男子生徒は皆天国と呼ぶのだそうだ、隣のベッドの先輩に聞いた
ここ保健室には回復魔法を使える人員が生徒であろうと休み時間駆り出されたり、専属の医者もいたりする
それにしても回復魔法を使える人は顔面偏差値が異様に高い気がする、偏見ではない
うちの母も人徳があり、世のため人のためといった精神でラーファもそんな感じ、他の生徒は知らないがここにいるメディカルヒーラーの雰囲気も同じだ
いったいなぜ俺は光属性じゃないんだろう、とても不思議だ
誠に遺憾だ
「それにしても、負けたなあ」
ラーファが部屋を出た後一人ゴチる
正確には人はいるがラーファ以外保健室の住民の好感度は今のところどうでもいい
アル・リベアル・オール、俺に恥をかかせたこと絶対後悔させてやるぜ
とはいえ、そのためには流石に対策が必要だろう
まずは今回の決闘の反省点とか負けた理由とか考えるか
負けた理由、そのいち
単純に運が悪かった
これが一番大きい、石ころで炎の拳をどうにかできるわけがなかった
負けた理由、そのに
魔法を打つ時間が少なかった
まあ一発しか打てなかった、一発打って石が見えた瞬間俺は腹を殴られていたし
負けた理由、そのさん
漏れそうだった
これもある、なんせ新入生代表の挨拶で緊張してた後だもん
いい訳じゃないぞ
負けた理由、そのよん
師匠面したオールバックのおっさんが過った
早すぎて本気を出したときのあいつを思い出してしまった、えぐはやでしたね
負けた理由、そのご
・・・・・
・・・・
・・
・
「ベル・クレニア、起きた方がいいわ、そろそろ寮が閉まるよ、それともまだ治療が必要かい?」
「う、ああ、はいわかりました、起きます帰ります」
保健室の美人先生に礼を言って部屋を出る
寝落ちした
まあいいや、ここは学園
新しい寮での生活は家族と会えなくなる悲しみはあれどルールに縛られない開放感もある
ただ、妹に会えないのはお兄ちゃん本当によくないと思います
帰り道、というか寮への道は長くはないが眠いから転移したい
オルデミアでワンチャンないかな、ないか
太陽がオレンジに染まっていた
石造の道はさすが魔法学園といったところでよくできている
あー眠い
眠すぎて頭が下向いて地面の感想とかいうクソつまらないものを考えてしまった
いよいよ人間として終わりを迎えようとしているのかもしれん
俺はいったいどうすればいいんだ
「きゃーーーモンスターよーー!!!」
はあ、ほんま疲れたでワイは
「マジかよ、S級クラスのブラッドウルフがなんで学園に?!」
「逃げろそれで先生を呼べ!いや衛兵を呼ぶんだ、このままじゃ寮にいるみんなも食われちまう!」
ガルルル、グアアアアアア!!
「うああああああああ」
日本では未成年だけど、テンプレシアではもう酒飲んでいいらしいし、嫌なことはぱあっと酒で忘れたりするのも手か
「ジョンっ、ジョンっ、ねえしっかりしてよ!」
ああ、そうだな、そうしよう全部忘れよう
赤いのに煽られたのも、赤いのにやられたのも
「殺す、ジョンの仇!やってやるわ、うわああああッ!」
てか…..なんか、さっきからうるさいなあ
マジでなんなん
流石に今の躁鬱の鬱の俺でも前見ちゃうよ
なんだあれ、赤い狼?
赤い狼だ
赤い、赤いな
ちょうど忘れたかった赤いやつやん
許せねえ、俺に恥をかかせたこと、今後悔させてやる!!
こんなんもう躁鬱の躁なるに決まってんだろ!!!
「…喰らえ、スーパーマキシマムハイパートロピカルウルトラロイヤルデンジャラスエトセトラ(以下略)」
普通にオルデミア十発を速射しただけ
なんか虹色の光とか石とか、気持ち悪い黒い線とか色々出た
赤い狼に何個か当たった、ラッキー
ギシャアアアアアアアアア!!!!!
あ、ああ、魔力が、魔力が枯渇してきた
「う、うそ聖騎士でも互角っていわれるブラッドウルフを、一発で!?」
「なんて威力だ、や、やつはいったい」
「おい、あいつ新入生代表のベル・クレニアじゃねえか」
「これは一大スクープですねぇ!新聞委員であるこの私が必ずや明日までに書き上げなくては!」
血液が足りない感覚、気失うかも
あ、意識が途切れる
八つ当たりされたブラッドウルフさん()
学園に来たことにもきっと何か謎があるのでしょう、本作で明かされるかは怪しいです
この主人公は勇者(本来のこの世界の主人公)じゃないので