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ちよとれいこ

作者: HAL姉

女性2人用声劇台本です。

れいこはオネエでも出来ます!

ハッピーバレンタイン!!


(所要時間12分)

キャスト

ちよ

れいこ




ちよ

「材料ってこれで全部?」


れいこ

「そう、買ってきたのは全部並べたよ」


ちよ

「ふぅん…これでアレが作れるんだぁ…」


れいこ

「じゃあ、ちよは支度(したく)しなくちゃね」


ちよ

「えっ…支度ならもう出来てるけど?

ほら、汚れない様にエプロンも着けたし、髪も結んだ。

手も洗ったよ!」


れいこ

「ちよ…よく考えてみて?

…届く?」


ちよ

「ぐっ……ねぇ、前から思ってたけど、おかしいよこの高さ!

標準より何cm高いと思ってるの!?」


れいこ

「ごめんなさい、うちは高身長ばっかりだから、これぐらいじゃないと腰が痛くなっちゃうのよ」


ちよ

「その発言、れいこの家に来るたび聞くけど完全にチビなあたしに喧嘩売ってるよねぇ…」


れいこ

「いつも同じ文句を言って、同じ質問させるちよがいけないんでしょ?

はい、ちよ専用の足台」


ちよ

「くうっ、屈辱…」


れいこ

「…私からしたらちよの方が羨ましいよ。

小さくて、ふわふわで、可愛い」


ちよ

「どうせ、今日も小学生に間違われたっての!

あたしはれいこみたいになりたかったのに〜」


れいこ

「どうして?」


ちよ

「スラッとして、モデルさんみたいで、何でもカッコよく着こなしてるじゃない?

並んで歩くと、時々…」


れいこ

「…ちよ?」


ちよ

「あっ…ううん、何でもない!

って、もうこんな時間だよれいこ!」


れいこ

「ホントね、早く始めないと間に合わないかも」


ちよ

「でも、お菓子作りってどうやればいいか分かんないんだけど…れいこは?」


れいこ

「えっ?

てっきりちよは手馴れたものだと思って…」


ちよ

「料理ならそれなりに出来るけど、本格的なお菓子作りっていうのはやった事無くて…

ほら、お菓子ってちゃんと計ったりしないとダメなんでしょう?

料理みたいに味見しながら作れないから、何となく敬遠してたんだよね」


れいこ

「なるほどねぇ」


ちよ

「それで、れいこ頼りだったんだけど…」


れいこ

「…ごめん、私も…というか、私の場合、料理もまともに作れない……」


ちよ

「嘘っ!

だって買い物の時、慣れた手つきで材料カゴに入れてたでしょ!?」


れいこ

「…ごめんなさい……カンニングしてました」


ちよ

「どういう事?」


れいこ

「レシピを検索して、必要な物を必死で覚えたの」


ちよ

「どうしてそんな事を?」


れいこ

「…ちよ、いつも、私の事カッコイイって言ってくれるから…カッコ悪い所見せて、幻滅されたくないなって思って…」


ちよ

「れいこ……可愛いっ!」


れいこ

「へっ?」


ちよ

「んんっ、な、何でもないっ…

あ、さっきレシピって言ってたよね?

それ見ながら作ればいいじゃない!」


れいこ

「え、あ、そうだね。

えーっと、確かこの辺に……あれ?」


ちよ

「どしたの?」


れいこ

「レシピをメモした…紙が無いっ!」


ちよ

「えぇっ!?

そんな…」


れいこ

「ど、どうしよ〜…

どこかに落としたかも…」


ちよ

「んー…レシピ無しじゃ…」


れいこ

「ごめんなさい…」


ちよ

「…ううん、何とかしよう!」


れいこ

「え?」


ちよ

「ほら、こうしてる間にも時間は流れてっちゃうし、折角(せっかく)材料も(そろ)えたんだもの!

料理得意なあたしに任せて!」


れいこ

「ちよ…凄い、カッコイイ…」


ちよ

「えぇっと、まずは…コレを溶かして液状にすればいいのかな…?」


れいこ

「あ、そうだね。

鍋使う?」


ちよ

「あ、ちょっと待って…何か前に、友達が言ってたの思い出した…

コレは湯せんして溶かすって!」


れいこ

「ゆせんってなーに?」


ちよ

「あたしもよく分からないけど…お湯に入れればいいって事かなぁ」


れいこ

「お湯に入れるのね!」


ちよ

「あーっ、ちょっと待って!

ポットのお湯にそのまま入れても、溶けてなくなっちゃうでしょ!?」


れいこ

「…違うの?

だって溶かすって…」


ちよ

「それじゃ溶けすぎちゃって跡形(あとかた)も無くなっちゃうよ…

湯せん、湯せん…思い出せそうで思い出せない…」


れいこ

「…どうする?」


ちよ

「…よし、ここは料理の応用編でいこう!」


れいこ

「うんうん」


ちよ

「れいこ、耐熱(たいねつ)ガラスのボウルはある?」


れいこ

「たいねつ…ガラス?

よく分かんないけど、ボウルなら多分この辺りに…」


ちよ

「へぇ、結構色々揃ってるね〜!

れいこのママりん、料理上手だもんね!」


れいこ

「うん、だからかもだけど…それに甘えちゃって、私は全然料理しなくて…

調理実習でも玉子爆発させちゃったり、包丁で手を切るのも毎回だから家では何もさせて貰えないの」


ちよ

「あぁ…激しく納得。

あ、あったあった!

これに手で割ったコレを入れて、ラップしてレンジにかければ!」


れいこ

「なるほど。

それなら間違いなく溶けるねぇ」


ちよ

「でしょ?

あーでも、心配だから(じゃく)で、様子見ててね!」


れいこ

「え…私が?」


ちよ

「うん。

その間にあたしは他の作業しなきゃだから!

頼んだよ〜」


れいこ

「わ、分かった…頑張る!」


ちよ

「えーっと、(かた)はこれでいいんだよね…

うわ、何かこの形見たらちょっとテンション上がってきたぁ!

あとは、アーモンドスライスと、ナッツ…混ぜればいいのかな?」


れいこ

「様子を見る、様子を見る…あ、形が崩れてきた…うわぁ、トロトロ…」


ちよ

「チョコペン?

へぇ、こんなのあるんだぁ。

便利な世の中〜!」


れいこ

「おおっ、何かぷくぷくしてきた…面白いっ!」


ちよ

「んん、このチョコペン、ちょっと硬いかも…

これはそのままお湯に入れたら柔らかくなりそう。

れいこ〜、ポットのお湯使うよー?」


れいこ

「あ、はーい!」


ちよ

「白とかピンクとかあるんだぁ〜。

うーん、これはセンスを問われそう!」


れいこ

「ちよ、楽しそうで良かったぁ。

っと、いけないいけない、様子を見なくちゃ!

あれ?

ちょっと目を離した(すき)に…あぁっ!!」


ちよ

「んえっ!?

ど、どうしたの!?」


れいこ

「ち、ちよ…様子が変だよっ!」


ちよ

「見せて!……あーーーーーっ!」


れいこ

「ひゃっ!

ご、ごめん…」


ちよ

「取り敢えず、ストップストップ!

……うわぁ」


れいこ

「……どうしよ…」


ちよ

「すっかりこびり付いちゃってるね…ボソボソだぁ…」


れいこ

「や、やっぱり、これじゃダメ…だよね…?

ごめんなさい、様子見ててって言われたのに…レンジの番も出来ないなんて…」


ちよ

「だ、大丈夫大丈夫、泣かないでっ!

実はね、じゃじゃーん!」


れいこ

「え…コレ…」


ちよ

「えへへ、実は、上手く作れなかった時用に、買っておいたんだぁ」


れいこ

「ちよ〜っ!」


ちよ

「ほら、れいこ、大切な人に渡すんでしょ?

もう時間無いし、ちゃんとした手作りって訳じゃないけど…」


れいこ

「うんっ、うん…」


ちよ

「これね、メッセージを書いて完成させるっていうヤツなの!

チョコペンは〜、うん、丁度いい柔らかさになってる!

ほら、れいこのはこれだからね、大丈夫?」


れいこ

「うん…!

あ、ちよ……その…」


ちよ

「分かってる、見ないよ。

あたしの分も買ってきてあるから、あたしはこっちでやるね。

ラッピングも完成したら、届けに行こ!」


れいこ

「うんっ!」





ちよ

「出来た!

れいこはー?」


れいこ

「もう少し……ん、出来た!」


ちよ

「あぁっ、もう今日終わっちゃう!

れいこ、支度してっ!」


れいこ

「うん…」


ちよ

「…れいこ?

どうしたの?」


れいこ

「…私ね、支度は終わってるの」


ちよ

「えっ…それってーー…」


れいこ

「ハッピーバレンタイン、ちよ!

受け取ってくれる?」


ちよ

「れいこ……!

うん、ありがと!

じゃあれいこも、受け取ってね!」


れいこ

「えっ…私に…?」


ちよ

「勿論だよ!

あたしにとって、れいこは背が高くてカッコよくて、でも可愛い所もいっぱいある大切な親友だもの!」


れいこ

「ちよ……私も、ちよは私に無い物いっぱい持ってて、自慢の親友だよっ!

有難う…っ」


ちよ

「えへへ…これからも、仲良くしてこうね!」


れいこ

「うんっ!」




-end-

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― 新着の感想 ―
[良い点] 仲の良い女の子同士の言葉のやりとりが軽妙で、最後までサクサクと読むことができました。 [一言] ガールズラブ一歩手前なのが何とも面白いです。 楽しませて頂きました。ありがとうございます。…
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