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初恋

作者: 日向 恋夏

好きになるってわかんないや

そう思うのは馬鹿みたいだね

私は初めて、「人を好きになる」という感情がわかった。それはある晴れた日のことだった。

「転校生を紹介するぞ。」と先生が言うと同時に転校生らしき人がクラスに入ってきた。転校生は自己紹介をし始めた。

「こんにちは。安堂蒼真と言います。小さい時にこの学校にいたのですが覚えいますか?」

と紹介した。私は何のことか全くわからずにいると後ろの方から

「蒼真じゃん!ひさしぶり!!」

と明るい声が聞こえた。あの声の主は相田拓海。このクラスのムードメーカー的存在。私と結構話すほうだ。二人は小さい時から仲が良かったらしい。紹介が終わり、休み時間になると二人は楽しそうに話していた。次の時間は係や委員会決めだった。

「まずは委員長を決めるぞ。誰がやってくれる人はいるか?」と言って手を挙げたのは安堂蒼真だった。先生は納得し、「これから用事ができたから任せるな。ほんとにごめんな。」と言いクラスを出ていった。何と自分勝手な先生なんだ、と思いながら私は安堂蒼真ので話を聞いていた。

「副委員長やってくれる人はいませんか?」

「私やりたいです。」

「ありがとう。名前はなんていうの?」

「鈴木明日菜です」

「わかった。えーと……」

「ねえ漢字間違えてるよ。」

私は何故か声を出していた。やばい、上から目線みたいな言い方なっちゃった。と思いながらドキドキしてると

「あ。ほんとだ。ありがとう。気が付かなかったよ。」と言い残した。

チャイムがなり係決めが終わった。

「さっき教えてくれてありがとな。」

笑顔で話しかけてくれたのは安堂蒼真だった。

「別に。大したことじゃないよ^^*」

と私は答えた。

「そう言えば、おまえの名前ってなんて言うの?」

と聞かれた。

「私の名前は鳴海優希だよ。優希って呼んでね。」

「わかった。勇気ね。俺は蒼真でいいからね。」

と結構話せるようになった。

それから日を重ねていく事にふざけ合える仲にもなり

私は学校生活が楽しみになっていた。私が体調不良で早退したときも、手紙で

「大丈夫か?今は結構病気にかかりやすいらしいから気をつけなよ。」

と書いてきた。私はすごく嬉しかった。

「あれ?なんで私手紙貰ってこんなに嬉しいんだろう……?」と思いはじめた。

そして元気になり学校に行くと蒼真が心配そうに近づいてきた。

「もう大丈夫なのか?」

たった一言なのに顔が熱くなりすごく嬉しかった。

「私まだ熱あるのかな」と思い、友達の阿澄理緒という子に相談してみた。

「なんかこのごろ、蒼真と話していると、凄く嬉しいのに目が合わせられなくなるんだけどどうしてかな?」

「それはね……恋だよ。きっと」

「恋?私が?私が蒼真のこと好きってこと?」

「そうでしょ。それしか考えられないよ。」

「恋……か、」

私は蒼真のことが好きなんだ。

そえ改めて思った。



ある日

蒼真が他の子と話しているところを目撃した。

「何話してるんだろう。私も一緒に話したいな……」

と思った。そう言えばこの頃、よく蒼真が目に入るな。どこにいても、人が多くても、蒼真ならすぐ見つけられる。目で追いかけちゃうし……私怖い?

そう考えたら理緒が

「それは恋してる証拠だね!告白とかしないの?」

と言った。私は「告白か……してみたいけどな」

と言ったら理緒が

「告白するの!?しなよー。手紙とかなら私が渡してあげるよ。」

「手紙書くだけ書いてみるよ。」

と言って家に帰ってきた。さっき言ったみたいに、書くだけ書いてみるか……と思い、今の気持ちを手紙に書いてみた。

蒼真へ

いきなりこんな手紙もらっても驚いたと思います。

でもこれは冗談でも何でもなく、本当の私の思いです。私は初めて蒼真にあって、話せるようになった時、私は蒼真のことが好きになっていました。私は友達対象として見てないと思うけど、私は蒼真のこと恋愛対象として見てました。もう1度だけ言います。蒼真のことが好きです。付き合ってください。

返事はいつでもいいです。待っています。

優希より


はぁ、手紙はかけたけど、どうやって渡そう……理緒に頼むのはちょっと嫌だし……直接渡してみよう……



「蒼真。この手紙あとで読んでほしいの……」

「え。わかった。」




よかった。手紙は渡せた。あとは返事を待とう……












それからずっとずっと待っていても、返事は返って来ませんでした。私のことは眼中に無かったのだろう。私の初恋は呆気なく終わってしまった。

好きになるってすごく楽しいことで、すごく辛いこと。そんな痛さを乗り越えてからこそ愛というものが出来上がるのかもしれないね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 人生の一つの階段を一歩躊躇しながらまさぐりながら上ったワンシーンのようでした。 彼はなぜ返事を書かなかったのか?照れくさい、めんどくさい、どうでもいい、うれしくて書こうとしたが時間が経ちすぎ…
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