第1話 古村 真白
コツン。
後頭部に、石。
コツン、ガッ、ゴン、ガツン、ガンッ。
どんどん強く、大きくなっていく。
石の雨は振り続ける。
ぶつけられる度に頭が体ごと大きく前へと揺れる。
後ろに聞こえるのは、クラスメイトの嘲笑いの声。
『クスクス、クスクス』
後頭部に手を当てると、ぬるりとした温かい液体を指先で感じた。
赤い。
そして私は振り向いた。
『うわっ、血ぃ出しちゃってるよ、きたねっ』
『ええ〜!もっと離れよ~っ?』
『バッカ、それだと命中力下がるじゃねーか!』
『それはお前が下手なだけだろ、ハハハ!』
はぁ、コイツらはどこまでも馬鹿だ、生きてる価値もない。家畜の糞以下である。
(もうすぐ私に殺されるんだから、残りの人生馬鹿騒ぎして思い出作ればいいのに…。)
私を貶し、罵倒し、そして暴力を振るった。
だから私が私の手で、私のためにあなた達を殺す。存在ごと、消す。
私は処刑人。
それは、いつまでも変わらないこと。
「楽しみにしててね、みんな。」
グチャグチャに飛び交う血肉を想像するだけでたまらなくて、一人呟きにやっと笑ってみせる。
すると、それが癪に障ったみたいで、散々喚き散らすと、また次々と石を手に取り投げ始めた。
私は振り返り、歩く。
石はひとつも当たらない。
To be continued…