表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

右翼発祥の地

 高校では、日本史を

 左翼教師

 に習っていました。

 この人は本物の左翼教師です。父の知り合いですから。

 授業は、唯物史観的なものなので、とても面白いのですが、

 私は理系で、共通一次試験の点数がどうでもいい大学を受けるため、

 日本史を捨ててしまいました。

 最初の中間テストで、いきなり記述式の問題が、一個もわからなくて、焦りましたが、

 百点満点中、残りの75点が論述問題だったため、助かりました。

 国とは何か、国はどうしてできたか?を論述する問題でした。

 その左翼教師が 

 右翼

 について授業したことがありました。

 右翼と左翼は同じ

 と、言う人もいますが、そういう内容の授業です。

 何故そのような授業があったか、というと、高校自体が

 右翼発祥の地

 と、当時考えられていて、生徒達はどちらかというと、それを誇りに思っていたからです。

 明治維新が起きて、地租改正や徴兵制などの悪政により、貧富の格差が、より拡大し、農民は自分の土地をどんどん失って行きました。

 農民はかなり悲惨な生活を送っていたようです。

 私は今、○○市××町に住んでいるのですが、××町の元自治会長の話によると、

 ××町は戦前は物凄い貧乏で、町に住む人全員が、

 △△に住む小林二郎さんという県会議員の小作人だったそうです。

 ××町は、昭和の大合併で○○市になったため、戦前は一つの地区で、農地しかないですから、

 戦前は、一つの地区を個人が持っていたことになります。

 この話を父に聞いてみたところ、

 小林二郎さんは、地主としては第二ランクの人で、私の親戚達よりも、一格落ちるそうです。

 アメリカ無双をしなかったために、一代で全財産を失った私の親戚は、

 約十キロ離れた○○市まで、他人の土地を通らずに行けたそうです。

 凄まじい金持ちですよね。

 それだけの金持ちがいる

 ということは、

 それを生み出す貧乏人がいる

 ということです。

 貧乏人は何代も続くのは無理です。

 戦前よりは福祉がマトモになった現代でも、お金がない人は結婚できないし、子供も育てられません。

 ××町の人達は、明治維新以降、農地を失ったのです。しかも、全員。

 ごく一部の人達を除けば、地獄だったんですよ、戦前の日本は。

 そうでなければ、戦争なんてやるハズがないですよね。

 今、戦争を美化する人達が増えたということは、それだけ人生がつまらなくなったということでしょう。

 そのような状況の中で、

 日本人を救おう

 という考えの人達が現れました。

 日本人がどんどん貧乏になって、生活できなくなるのは、

 財界と、それに結び付いた官僚のせい

 だと。

 今と同じですね。

 て言うか、今のほうが悲惨かもね?

 週四十時間以上労働させれば、

 恋愛して、

 結婚して、

 子育てする

 のが、難しくなってきます。

 週四十時間労働が決められた時は、女性の社会進出が遅れていた時ですからね。

 労働時間を週四十時間よりも短くしないと、

 日本人が、どんどん少なくなっていく

 のは明らかです。

 日本を守れ!

 という人達が頑張って日本を残しても、

 日本人がどんどん減ってしまい、

 日本は日本人のものではなくなるんですよね。

 単純に考えれば、中国人のものかな?

 話はズレましたが、

 日本人を救おう

 という人達の考えは、基本的には一致していました。

 ただ、天皇に関してのみ、二つに別れました。

 一つ目は、

 天皇は悪くない

 という考え方です。悪いのは、

 天皇を悪用している人達

 で、そのような悪人を倒すためには、

 天皇の力が必要

 だと、考えている人達です。こちらが、

 右翼

 と、なりました。

 ちなみに、当時、その高校が

 右翼発祥の地

 と考えられていたのは、旧制中学時代の生徒達が

 日本人を守る

 ために、蜂起したからです。もちろん天皇を掲げて。

 二つ目は、

 天皇が存在する限り、天皇を悪用しようとする勢力が必ず出る

 と、考える人達です。

 こちらは、天皇制を否定し、

 左翼

 と、なりました。

 右翼と左翼は、目的は同じ

 日本人を救おう

 だったのに、方法が違うために

 対立しました。

 そこに目を付けたのが、左翼を心良く思わない金持ち達です。

 金持ち達が右翼を支援するようになりました。

 ヒットラーと同じですね。共産主義者を目の敵にするヒットラーを資本家が支援するのと同じです。

 資本主義社会で、最も簡単に出世する方法は、反労働者になることです。

 現代だと、橋下徹ですかね。

 彼が公務員を攻撃するのは、

 公務員の労働条件が悪くなると、

 日本人全体の給料が下がる

 から、ですよね。

 公務員の給与体系は公開されていますからね、

 日本中で参考にされているんですよね。

 右翼は最初の敵だった財界と手を組むと、

 日本人を守れ

 から

 日本を守れ

 に変わってしまいました。

 そして、右翼の定義も変わってしまいました。

 日本を守れ

 という人達は、

 日本人を守れ

 という人達よりも、歴史的には、前からいました。

 その人達は、左翼よりも前の時代の人達なのに、滑稽なことに、

 右翼

 だと、見做されるようになってしまったのです。

 そして、

 右翼発祥の地

 で検索しても、その高校は出てきません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ