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オフ会をしよう!

それから数日が過ぎ、

レナとケイタはチャットルームで会っても普通に会話をしていた。

違った部分といえば、前のような


<ケイタ> 「今日はなにしてた?>レナ」

<レナ> 「ケイタのこと考えたに決まってるやん!>ケイタ」


などという、二人の世界は一切無くなったことくらいだ。

それはそれで、みんな見て見ないフリをした。

当然、あたしもそうした。


でも画面の前ではたまに薄い笑いが襲ってきた。



そんな時、部屋主であるヤスが


<ヤス> 「なんかみんなで飲み会とかしたいなー」


などと無謀なことを言い出した。

それはそうだが、なかなかできないのも事実である。

遠くは福岡から北海道まで。

みんながあまりにもバラバラすぎて一ヶ所に集まるなんてことは

不可能に近かった。


あたしは北海道在住で、他にも数人北海道に住んでいる人はいた。

せいぜいそのメンバーで集まってくらいは、

アリだが東京まで行くか?と言われればそれはこの重い腰があがらない。

会ってみたいが、仕事もあればお金の都合もある。


みんな「いいねー」とは言っているが、

心の底からは思っていないようだった。


部屋主のヤスは毎日全国を飛び回る営業マンで、

どこでも参加が可能だからと本気でみんなに話を持ちかけていた。


そうなると、各地でオフ会をして、

そこにヤスが顔を出すという案が持ち上がり、

みんなヤスの都合に合わせて集まるか!みたいなノリになってきた。


それくらいならいいかもな・・・

みんなそんな話題でひとしきり盛り上がり、

じゃあ最初は九州地方で5人くらい集まろうみたいな話になっていた。

その後は関東、最後に北海道みたいな予定になり、

「じゃあ、ヤスの仕事の日程が決まったら、場所を決めよう!」

と話が大きくなり、オフ会の話は具体的になった。


その日から部屋の話題はその話で盛り上がり、

「じゃあ!各地で写真を撮ってこの部屋のHPを作ろうぜ!」

などとどんどん盛り上がっていった


でも、内心は

「でもなぁ。。。会ったはいいけど

 リオってもっと可愛いと思ってたのに残念」

とか思われたらどうしよう・・・・話題にノリ気で参加はしていたが

そのことが頭か離れず少しだけ遅れて会話に着いていった。


自分で自分の容姿をそれなりには知っているつもりだ。

みんなが結構、綺麗だったりしたらどうしよう。

写真を見た瞬間から、

今まで仲良くしてくれていた人が急に冷たくなったら・・・

そんなことをちょっと考えた。


その前に期待されていないだろぅ・・・

それならそれで安心だけど。


少なからず、みんなそんなことを思っていたらしく、

何人かはそんな話題を出していた。

でも、そうは言っても見たら結構美人とかカッコいいとかあるもんだし。


ちょっと不安になりながらも、オフ会の話を見ていた。


ヤスの仕事の関係で、九州方面は来週の末になり、

参加者はレナとヤスとマック(♂)ミナ(♀)ケイ(♂)の5人だった。


いままで実在しているのか微妙な人たちが急に集まって

飲み会という現実が不思議な感じもしたが、

まだまだ先の北海道オフのことを思うと、

先に違う地方でやってくれたほうが、安心だなとも思った。


ちょっとワクワクしながら、来週の末を待った・・・・





九州オフ会の当日。

例の5人は当然チャットには不参加で、残ったみんなで

「今ごろ騒いでいるんだろねー」などと話をしていた。


早く写真を見たいね〜 

などと勝手なことを言い合ったりしてその日の部屋では

話がどんどん盛り上がっていった。




<ケイタ> 「関東は誰がこれるの?」


<カオル> 「俺は仕事だけど、遅くまでやってるなら行ける!」


<サクラ> 「私はいけるよ〜」


<ケイタ> 「おお!楽しみにしてるぜぇー サクラ!」




お前はまだ懲りてねーのかよと。

画面を見ながら薄ら笑いを浮かべてつぶやいた。



<カオル> 「今日は来てないけど、ヒデとラビも来るってさ」


<サクラ> 「結局何人?関東地方は?」


<カオル> 「えーと男が俺と、ヤス、ケイタ、ヒデ、後は夫婦で2組」


<サクラ> 「女は?」


<カオル> 「女は、夫婦の奥さん達と、サクラとラビだけじゃない?」


<サクラ> 「えー。女すくないー」



まぁね。基本的に少ないからねぇ・・・

それにしても、やはり関東だ。全員で10人だって・・・

軽い会社の宴会だね、こりゃ。


そう考えれば北海道地方なんて、男4人女2人だし。

また中途半端な人数だこと。

でも同じ北海道在中で札幌の女友達の

「ミライ」はそこそこ話の合う人だし、

もしも他の男性陣と話がかみ合わなくてもミライがいれば、

なんとかなるし。そんな時、携帯が鳴った。

着信画面を見ると、レナだった。



<リオ> 「ごめん。レナから電話きた。ちょっとロムるね」



そう出してから電話に出た。

携帯の向こうでは大騒ぎになっていて

酔っ払いがワーワー騒ぎ、声が聞き取りづらい。


「リオかぁ〜?うちや!レナや!!ちょっと聞いてや!

 ヤスがごっつい色男やねん!」


「へ?ヤスが?へぇ〜」


「ちょっと変わるわ〜」レナも相当飲んでいるようだった。


「よう!リオかー!ヤスだぞー!元気かー」


元気か言われてもなぁ・・・


次々と参加メンバーに電話が変わり、盛り上がっていることは分った。

が、みんな酔っ払っていて呂律が回っておらず、

なにを言いたいのかサッパリ分らない。

そこそこで電話を切り、チャットに戻った。

すると、今度は他のメンバーの所に次々と電話が入り、

みんな中断していた。

全員に電話が終わると、「よっぽど盛り上がってるんだねー」

とみんなで笑い、福岡オフのことを勝手に話し盛り上がった。


その日は、参加者のことや宴会場所のことなどみんなで悩み

これからのオフ会に、みんな期待を高めその日は解散した。



次の日、仕事から帰ると一通のメールが届いていた。


昨日、オフ会に参加したマックが、

朝からかかり簡単なHPを作成したという案内メールだった。

指定のURLに跳ぶと、なんとも昨日の福岡オフの模様の写真が

早々とアップされていた。


「はやっ!」


軽く驚きながらも、あたしは始めて見る地方の友人達をマジマジと見た。


レナはさすが子供が2人いるといわれても納得できそうな

体系の奥様だった。

ちょっと大きめ。良く言えばポチャリ。悪く言えば・・・

うん。言えない。


「こりゃ、、、持田じゃないよなぁ・・・」


ケイはいつもシモネタを好んで発言をする人だが、

写真を見る限りではそんな風には

絶対見えないくらい真面目そうだった。

でも最後のほうの写真にはただの酔っ払ったおっさんのように映っていた。


「ん・・なんか納得だな」


マックはいつも不思議系な発言をする人だったが、

見た感じはとても若そうで、たしか年齢は24歳と言っていたと思ったが、見た感じは20歳ちょっと手前という印象すらするくらいに若い感じだった。


彼はPCにものすごく詳しく、困った時のマック様なのだが、

なんせ名前からしてMAC仕様でPCもアップルの為、

普通のウィンドウズを使ってる人には意味不明。

それでも彼はウィンドウズにも詳しく、

なにかあったらみんなが頼る存在だった。


「こんな若い人に聞いていたんだ・・・・・へぇ」


そして一番驚いたのが、部屋主であるヤスだった。

いつもは「俺は休みになると焼酎飲んでグダグダしてる」とか

「おっさんだからよー」とか会話からして、一番年配な雰囲気もしたし、

ましてやダラシないイメージが頭にあったので

この写真を見て驚いたのなんのって!

きっと、今日この写真を見た人全員が同じ衝撃を受けたと思う。


なんとヤスは超イケメンだったのだ。


「うっそぉ・・・・・」


しばらく写真の中のヤスを見て自分の目を疑った。

ヤスというHNの話をしたときも

「やっさん(ヤクザ)に似てるって言われたことあるから」

と平然と言っていたのだが、それを聞いたみんなはゲラゲラ笑い、

きっと髪型はパンチパーマだと決め付けヤスが部屋に入ってくると


「おう。おやじ!」「もう眠いんじゃない?老人だから?」

「もしかしてもう起床?」

などなど失礼なことばかりを言っていたが、

こんなに見た目がイケているとは誰も予想していなかったと思う。


ふと、ちょっと不安になった。


「レナ、、、、大丈夫かなぁ」



もしも、今度はヤスに惚れただの騒ぎ出したらどうしよう。

それは、他の女性メンバーにもいえることだが。

たしかに格好いいんだが、

あたしはなんとなくいつものイメージを大きくて、

それほど騒ぐ気にもならなかった。

それ以上に

「こんなに格好いい人だから、会ったときのギャップがな・・・・」

くらいの印象だった。


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