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白雪姫

作者: 神沢翔子

『おかーさんっ』

『なぁに?』

『わたしのなまえもしらゆきだから、白雪姫みたいなおーじさまきてくれるかなっ』

『ふふっ、白雪の王子様はすぐそばにいるわよ』

『?』



「おい姫、てめー話聞いてんのか斬るぞ」

「これは無いわー……」

「ア”?」

あれから十数年。

私、吉川白雪を“姫”と呼ぶのは幼馴染青山凪だけだ。

昔、幼稚園児だった頃


『わたしのおーじさまがきてくれるまで、なぎがわたしのおーじさまのかわりねっ!

だからわたしのことはちゃんと“ひめ”って呼んで!』


なんてことを言っちゃったからである。

今思えば暴君だな幼稚園児吉川白雪。

それ以来、凪は私を“姫”と呼び続けている。

「……ねぇ凪」

「ア”?」

「何で未だに私のこと“姫”呼ばわりすんのよ」

中学の頃、私にも“王子様”つまり彼氏が数人出来たことがある。

それは、凪がもう代わりをしなくていいとも言えるのだが、それでも凪は私を“姫”と呼び続けた。

「ねぇ、何で?」

「馬鹿か」

「は!?」

何故今馬鹿呼ばわりされた!!?

「姫、今日何の日か知ってるか?」

「え、キスの日」

「お前の誕生日だよ!!」

「あ、」

そうかすっかり忘れてた。

「で、な……」

言葉が紡げなくなった。

凪に唇を塞がれたのだ。

別にファーストキスでは無い、なのに何故こんなにも胸の音が大きいのだろうか。

「………おはようございます、白雪姫」

夢から醒めましたか?

いつもと違う口調、真っ赤な頬、濡れた唇。

見たことない君。

でも、これからは、沢山見たい。

もっともっと見たい。

だから言おう。

「おはようございます」



私の王子様

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