出会い(4)
「んっ……」
のどかな朝に小鳥の鳴き声が響き、太陽の光が窓を通って、輝きだしている。カーテンから漏れる光が差し込み、ライトの瞳に射す。
(ああ……、朝か……)
そう思いライトはベッドから体を起こして、欠伸をする。眠たそうな瞳をこすり、両手を上げて、背筋を伸ばしてから、ベッドから降りて、部屋を出る。
朝食を食べ終えたライトは、トグス村のある場所に向かって歩いている。
「おはよう、ライト!」
「ああ、おはよう……。レイ……」
ライトに話しかけた少女……レイはニッコリと微笑む。
「今日も、お仕事?」
「ああ。……って、レイは?」
「わたしは農業よ。昼になったら、昼食を持っていくわね」
「ああ」
レイはライトから離れ、畑の方に向かって走って行く。ライトは、その背中を見ている。やがて、見えなくなった頃、ライトは、歩き出した。ライトにとってレイは幼馴染で、同じ村で育った。王都・クラフトにある学院に入学するまでは、毎日のように遊んでいた。ライトの両親は不在で、幼い頃は、レイの両親や祖母に育ててもらった。今は別々の家で過ごしているが、昼食はレイが作ってもらっている。
今日の昼食はなんだろう……と、頭で考えながら、ライトは、歩いて行く。