森の中で
もう足が動かない
どのくらい歩いただろう
足には土がつき、棒になったようだった
ふぅーと息をはき、木にもたれ掛かる
一休みしてから、また進もう
でも
どこまで歩けば良いのだろうか
闇雲にこの不気味な森の中を歩いてきたが、未だに何も見えない
ただひたすら歩いただけ
どうして、ここにきたのか
わからない
「わからないよぉ・・・」
髪をぐしゃぐしゃにし、崩れ落ちていく
今度こそ、涙がおさえられない
もう・・・
「ふぅー、キノコゲット♪んっ・・・?」
突然、草むらから青年がでてきた!
ふわふわの栗毛色の髪の毛に葉っぱを大量にのせ、手にはたくさんのキノコ
いかにも、毒キノコですって感じの色・・・
で・・・
でぇ!!??
ひ、人!
この不気味な森に人が!
目が点になった私を、彼はキョトンとした顔でみる
私の口は酸素を求めている金魚のようだった
草をかき分けながら、彼が歩み寄ってきた
逃げようにも、腰が抜けて・・・!
「迷子・・・?」
えっ?
大丈夫っとかではなく、ま、迷子!?
子供じゃないわぁ!!
いつもの私ならそんなツッコミをしていたが、今は、それどころじゃなかった
「だ、誰・・・?」
やっとでた言葉だった
「僕?僕は、リク。君は?」
「・・・茜」
彼は、ニコッと笑った
「おいで。僕が案内するよ」
私は、差し伸べられた彼の手をそっと握った