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”自分が恋をしているって気付くのはどんな時?”

なんて問いを投げかけられると、大抵の人はきっとこう言うだろう。

”相手が他の異性と仲良くしているところを見て、嫌な気持ちになった時”

あるいは、

”気付いたらその人を探してしまって、いつも目で追ってしまっている時”

だったりもするだろう。


友達と恋愛対象の境界線って、こういう心理状況によってはっきりしていると思う。

でも、間違っても共感なんて出来ない。私には当てはまらないから。

今まで人並みに、いやそれ以上かもしれない恋愛経験を積んできた私が、恋の仕方が分からないなんて言ったらきっと笑われるだろう。

今までに付き合ってきた人とは、遊びだったわけじゃない。本気で付き合ってきたつもりだった。でも、本気で愛していたかといわれると、それには素直に肯定出来ない。


だから今度こそは絶対に、それに対して素直に肯定出来るような恋愛がしたい!そう思いながら、大学に入学してからすぐに告白されて付き合った彼氏と現在交際中。


つい最近、付き合って半年目を迎えた。

半年目のその日に、「好きだよ」って言ってみる。それに照れながら「俺もだよ」と返す彼。可愛いと思う。自然と抱きしめたい気持ちになり、ぎゅっと抱きしめる。彼はそれに応えるように、私を包み込む。数分抱きしめ合ったあと、自然とお互いの唇を重ねる。触れるだけのキスを、随分長い間していたと思う。


この時私は、「ああ、きっとこの人が私の初恋なんだ」と、そう思った。だけど相変わらず、恋をしたという実感がわかない。こんなにも恋という恋をしているのに、こんなにも幸せなのに、何故か「この人を愛している」という感情がわかない。


やはりいつもと一緒。いつも、相手のぬくもりに幸福感を感じるのに、心のどこかで何かを否定している自分がいる。


毎回そうやって否定的なことを考えてしまって、結局相手に冷めて別れるパターンが多い。だから、今回だけはそういう風に考えないでおこうと決心していた。


その決心がぐらついたのは、それからすぐのことだった。

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